第4章 MMOの世界の彼女達 (1)
(本文)
「ふぅ……」
ネットカフェに着き個室へと入ったわしは──
取り敢えずは、わし自身これからどのように行動し、暮らしていくか? それとも死を選ぶか?
わし思案してみる事に決めたよ……?
先程とは違って車から降りた事で、精神的にも多少は落ち着いたわしだけどね……
やはり辛いよ……
心の傷も中々治らないみたいだな……
さてさて、どうしよう……?
このさい我慢して家に戻るか……?
家族に謝罪して、知らぬ顔をしながら、このまま余生を過ごそうか?
「…………、」
ん……
と、言うか……あいつ等と過ごせるのかわしは?
あんな事を言われたのだぞ、わし……
プライドなどないのか自分自身……?
このまま家に戻り、何気なく過ごしても。
数年後か?
嫌……それよりまだ先に、最後の最後に離婚届けを突き付けられて、捨てられのでは無いのか……?
女房や息子達に……
そう思う気持ちも多々あるのだが……
良く思い出してみろ?
テレビのニュースや特番、ドラマ等で翌々やっているではないか?
高齢者夫婦の離婚!
本当に大丈夫なのか?
と、わし……自分自身に問い掛けてみたよ。
だってよ、60や70になって家族に捨てられるのは嫌だからな。マジで……!
だから本当に……真剣に考えないと……
ここが人生の分岐点なんだぞわし!
だから真剣に……考えろ……?
わしは、自分自身に言い聞かせたよ。
後悔しないようにとな……
だからマジでどうしよう……?
今までは他人事みたいに、見たり聞いたりしていた事が、自分自身に降り掛かってきたからね……
マジでさ……
でも先程から何度考えても、良い案が浮かばないんだよ……
わし……
あぁあ、……マジでどうするかな……?
先程からこればかりだなぁ……
愚痴ばかり言って、何の進展もないね……わし……
『ギイ……ギイ……ギイ……』
部屋の備え付けの椅子──
その軋む音ばかりが耳に聞こえてくるね。
だからわし……ひっくり返らないようにと──
気を付けないといけないな……年寄りだしね。
だってさ、ひっくり返ると──
大怪我するからさ……て考えると……
またまた「あぁあ……」と、溜息ばかり出るは……
(あ!良く考えたら、死んでやると。言っていたのだった。だから怪我をしても良いのか……それに救急車で運ばれれば、家族が心配してくれるかも……?)
う、いかん、いかん……
弱気になってくだらない事を考えてしまったよ……
あぁあ…
どうするかな……?
やはり悩むは……?
ん……?
あ!
そうだ……ここネットカフェだったよ。
前にしていたゲーム、まだ出来るかな……?
久し振りにログインしてみるか?
誰かいるかな……?
少しばかり、わしの愚痴を聞いてくれるメンバー達がいないかなぁ……?
と、思わず期待してしまうよね。
だからわし、もにたーとパソコンの電源を入れて──モニターとの、にらめっこを始めたよ。
◇◇◇◇◇
「う、うううううう……やっぱり駄目かぁ……誰もいないかぁ……」
愚痴を聞いて貰いたくて何年ぶりかに、オンラインゲームにインしたのだが……やはり誰もいなかったよ。
……ま、当たり前だけどね……
あれから何年経っているんだと、自分自身にも言い聞かせたよ。
しょうがないからさ、制作したアバターキャラクターを見て! 眺めて─!
彼女達に癒して貰う事にしたよ、わしは──
久し振りだしね!
先ずは、目に付いたのが、わしの勇気という名を付けたヒューマンの男性キャラクターだ!
「…………」
彼女達だと先程言ったのに、男性キャラクターだったから、皆がっかりしただろう?
本当にごめんね……
と、まぁ……謝罪も済んだ事だし、取り敢えずは、さっさと説明していくね!
このキャラクターは、召喚職といって、聖や悪の精霊。他モンスター等を召喚して、自分自身の代わりに戦闘をさせるので。
召喚職の本人自体は、ほぼ戦う事など無い職業なのだよ。
マジで……
だから本体自体は余り強くもないし、多少の魔法が使える程度なんだ。
でもな、召喚獣自体はな。一体でも大変に強いし。
その上一度に数体出すことも可能なのよ。
そんな訳だから、このオンラインゲームの中では、最強火力になるんだ。
だからわざわざ、わしの名前をつけた訳だし。
だいたい皆もそうだろう?
自分自身の名前を付ける時等は……?
他のゲームはどうだか知らないけどね……?
このゲームでは、召喚職が最強なんだよ、解った?
だからね、まぁ……
男性キャラクター見ててもさ……
あれだよ……わしの傷んだ心……
全く癒されないから……
次行くね──
◇◇◇◇◇
この娘はね、カチカチの娘だよ。ナイトという職業でさ、この娘自体は大変に妖艶な容姿をしているからね。最初は魔法職へと考えていたんだけどさ……
ギャップ萌って言う奴……?
かな……
それを狙って、期待してから制作をしてたんだけどさ。
ダークエルフって種族の娘なんだけど、名前をすみれと言ってね。
和をイメージして、おしとやかな名前にしてみたんだけど、わし……おじさんでもあるしね……
更にギャップ萌、狙いでさ……!?
でもあれだよ、彼女の容姿がね。そうはさせてくれないよ……
銀髪ブロンズの長い髪。あの尖った笹耳が男心をくすぐるのよ……
オッパイも大きくてね。ボンキュボンな訳よ。
その上さ、これがまたね。防具が良く似合うのだよ。
重防具って奴なんだけどさ──
メインの色が紫色でね。中に赤や金色の装飾が施されているのさ。
その上、露出度も多くてね、彼女の褐色の肌が丸見えなの、それが更に良いんだわ。
マジでおじさん好みだね!
それにさ、ダークエルフの場合はね。ナイトでもさ,魔法剣士な訳なのよ──
多彩な攻撃魔法も使えるし。闇の精霊だって召喚できるのだよ。
だからナイトとしては他種族の者達より、攻撃力高めなのよ。
マジで良いだろ彼女……!
でもさ、その代わりなんだけどね……ナイトなのにさ、他種族の者達より、撃たれ弱くてさ。直ぐに悶えて、へたるのよ。
もしかしてあちらの方もそうなのかな……?
と、思ってしまう程だね!?
それにさ、わしがこのオンラインゲームを始めた時に最初に制作したアバターキャラクターでもあるんだよ。
だから本当に彼女とは付き合いも長いし、思い入れの方も、かなりあるね……マジで良いは彼女。5~6年ぶりにはなるが、やはりまじまじ見ると、見とれてしまうよね……
わしはさぁ……そんな彼女にね……
◇◇◇◇◇
今度はね……
可愛い娘だよ。
背丈も低くてさ、髪型も中国風のツインお団子頭って言う奴なのかな……?
この髪型は……?
名前をあにゅーと付けたのよ。
種族はドワーフ何だけどもね。
うちの制作担当をしている娘なんだよ。
だから武器に防具、資材さえあれば何でも作ってしまうんだよ──
それこそロボットのような城砦兵器まで作ってしまうんだな、これが。マジで……
それにさ、この娘の特徴、制作だけではないんだよ……
商売も得意でね。制作しては販売して儲けたもんだよ。
それにさぁ、彼女。これだけ聞いてると制作! 販売!
と、補助要員に見えるけどさ、武力だって相当なもんなのだよ……
マジでね……
それにね、小さい娘だから、幼児みたいだと思うだろ?
容姿が……?
全然そんな事はないんだなぁ……これが……?
俗に言うあれだよ、あれ?
ロリ巨乳って、奴なんだよなぁ……これが!
すみれとまではいかないが。このあにゅーもかなり御立派なオッパイをお持ちな御方なのだよ。マジで……
小さくてアンバランスなのにさ……
でも、まあ、それはそれで良いは……可愛い上にデカいというのもね。
マジでおじさん、許しちゃる!
それにさ、防具──
やはり、すみれと一緒でね、重防具。デザインは違うのだけどね……?
色はねこちらはさ、シルバーグレイ。防具には赤や金色の装飾が施されているよ。
やはり、すみれと一緒でね、見た目は艶やかな感じだよ。
それにね、二人を見て思うのだけど。
何故……?
重防具なのにオッパイの所が、思いっきり盛り上がっているんだよ!?
普通はさ、堅いから盛り上がらないでしょ、防具って……!?
だからマジで……?
鉄のように硬いのかな?
二人のオッパイはと、真剣に思うのよわしはいつも……
冗談抜きでさぁ……
触れたり、『ワシワシ』と、揉んで握れば解るのになぁ……?
と、思うけどね……まあ、現実的には無理だなぁ?
とも思う、わしなんだけど……
◇◇◇◇◇