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4話~ボクと行商人とエルンスト~

 マイクが領主の館から帰ってきて五日たった。

 マイクが帰ってきたときに「あれ、おかえりとか言ってくれないの?」とか言い出して殺したくなったよ。ボクがマイクのことを心配して送っただけだから、そんなこと言うわけないじゃないか。しかも、送るときは何でそんな言葉を言ったのかが僕だってよくわかんない。

 多分、血迷っただけだけどね。ボクが馬鹿にあんな言葉、言うするわけないじゃん。

 ムカついたから脱線してしまった、話を戻そう。

 ボク達三人は街に行くために行商人の馬車に乗っていた。

「職業を変えるのは楽しみかい?」

 これは、行商人のレイさんだ。

「「「楽しみ(だ)(です)」

 そりゃ楽しみだよ。なんてったって魔法を使えるかもしれないんだよ。

「ふふふ、じゃあ何になりたいのかな」

「魔法使い!」

「僧侶です!」

「魔法使いだ!」

「後衛職が3人じゃバランスが悪いね」

 ボクは絶対に譲らないからな!

「ボクは女の子だから後衛ね」

「だったら私も」

「何でだよ!俺だって魔法使いたいよ!て言うかライムとか男の言葉使ってんだからライムでいいじゃん」

「煩いな!」

「まあ、変えられるんだからバランスとかは考えなくてもいいんじゃないかな?」

「それでいいか?」

「はい」

「前衛職が必要になったらマイク君がやってね」

「だからなんで⁉」

「マイク君、前衛は女の子にモテるからいいんじゃないかな?マイク君顔もいいし」

 何かレイさんとマイク君が話してるけど多分ロクな話じゃないと思うけどね。

「それもいいな」

 ああ、多分ロクでもない話が決まっちゃったよ。

「おーいハードウルフが来るぞー」

 ハードウルフってのは魔物だね。ハードウルフは名前のまんまだけど毛皮が硬い狼だよ。

「冒険者達が戦うから見てみたら?」

 その一言でボク達は馬車の窓に飛び付いた。

 この様子にはレイさんも苦笑いしていた。

 外では冒険者達が魔法を撃とうとしていた。

「風の矢よ敵を貫け『風矢(ウィンドアロー)』」

 そう女性が言うとハードウルフの体に穴が空いていた。

ちょっと⁉ 今何が起きたの?

「ああ、風魔法は使っても見えないからね」

「何だよー」


ジロッ


「もうちょっと派手なの見たかったよぉ」

「風魔法は便利なんだよ!」

「「ふぇ?」」

「攻撃も防御も出来るから便利なの!」

(マイク君、付け足して言うと、攻撃は火属性よりも弱くて、防御は地属性よりも弱いっていう、所謂器用貧乏って奴だね)

(じゃあこの人は嘘を言ってんのか?)

(多分、風魔法使ってる人が少ないから増やしたいんじゃない?)

「そこ、人が話しているときに何してるの!」

 と、ボクとマイク君が言われた。

「いや、こいつが風魔法の事を器用貧乏って言ってた」

「ちょ、マイク君⁉」

 やばい、あの人の背中から黒いオーラが。

「ふふふ、そんなこと言うのね」

「ま、マイク君だって反論はしてなかったよ」

「何言ってんだ?濡れ衣をかけるな」

 に、にやけながら言うな! あと裏切るなよぉぉ!

「言い訳はいいから、私が手取り足取り教えてあげるからね」

 始めて見たよ。怖い笑顔って。

「ぼ、ボクは風属性持ってません!」

 これで回避は。

「そうなの、ならこの中で風属性を持ってる子は?」

「あ、あそこにいるナタリーです」

「ちょっとライム⁉」

「ふふ、ありがとう」

 と、女性は言ってナタリーを連れて行った。

「あ、ちなみに私の名前はリースだよ」

 最後にこう言って、ナタリーと馬車の外に出て行った。

 こういう時はこういうんだっけ? 南無ー。






◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






 ナタリーがリースさんから解放されるまでに1時間くらいかかった。

 その時には半分以上道を進んでいた。

「ナタリーもう放してぇ」

 この状況を簡単に説明すると、ナタリーに抱き着かれて頭を撫でられている。頭を撫でるのが上手くて声が出てしまいそうになって、いろいろと辛い。

「嫌よ、こんな小さくて、可愛くて、抱き心地が良いから放したくないし、それにリースさんの時身代わりになったんだから」

 小さくては余計だよ!と心の中で叫ぶ。

 え、なぜ心の中でかって? それは、ナタリーになんか言うといじり返されるんだもん。絶対Sだよ。

「リースさんの事は謝ったじゃないか、もう放してくれよぉ」

「謝って済むだけなら、この世から賠償とかなくなるよ」

 そりゃそうだけど。

「あ、さっき小さいは余計とか思ったでしょ」


ビクッ!


「ぷぷぷ、隠したいんだったら驚いちゃだめだよ」

 いきなり言われて驚かない人とかいるの?

「私より手一個分くらい小さいよね、ねえ、マイク」

「お、俺か⁉」

 ここでボクは目線に助けてという気持ちを込めて送った。

「ち、小さいんじゃないか?」

 なんでだよ! ボクの目線見たでしょ?

 何で助けないの! 女を助けるのは男の役目でしょ。

 お前は精神男だろって?

 体は女だから助けてもらう側だよ? ナニヲイッテイルノカナー

「ところで、この中の人は好きな人とかいるのかな」

 ちょっと、レイさんまだ30くらいですよね? 何でそんなお爺さんとかが言いそうな台詞を言うの?

「私はマイクだね」

 いや、少しは戸惑おうよ。まさかのもう付き合ってる的な? それはないな、マイク君の顔が赤くなってるからね。

「ぷぷ、マイク君はモテるね、将来はボクもマイク君を好きになってたりして」

「じゃあ、俺は将来二人を惚れさせてハーレムを作るぜ!」

 ボクは冗談で言ったけどこんな奴に惚れるわけないけどね。

「その意気だマイク君、君なら容姿も良いからそれ位簡単じゃないかな」

 あそこの男二人組は馬鹿なことを言ってるけど。

「ナタリーは何でマイク君のことが好きなの?」

「それは俺の広い心に」

「マイク君は黙ってて」

「え」

「私がマイクを好きになったのは、初めてその姿を見た時ですね、所謂一目惚れというやつです」

「こんな姿のどこg」

「こんなではありません!マイクの姿は滅茶苦茶かっこいいじゃないですか!もう拝めたい位くらいかっこいいです!」

 お、おう。

 恋って怖いね。100人に2人位いそうな容姿だけど拝めたいとか、ナタリーは宗教でも作る気なのか? ボクにはついていけないよ。

「え、えっと、ありがとう」

 ほら、マイク君も戸惑ってるじゃん。愛が重過ぎんよ。拝めたいって。

 レイさんも引いているし。

 こういうのなんていうんだっけ。うーん、あっ、恋は盲目ってやつだね。

「ライムは」

「そりゃいないよ」

「ほんとにですか~」

 なんかナタリーがすごくうざい。

「いないよー」

「はあ、つまんない」

 いや、面白いも面白くないとか関係ないでしょ。

「あっ、もうすぐエルンストの街に着くよ」

 ありがとうレイさん、散々文句を言われるところだったよ






◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






「「「ありがとね(ございました)」」」

「いやいや、まだ帰りもあるから」

「あ、そうでした」

 ボクも完全に忘れてたよ。

「明日、6の刻(6時)にここね」

「わかりました」

「じゃあね」

 そう言ってレイさんは商店が立ち並ぶ方へ行った。

「これから、どうしますか?」

「ボクは宿に行きたい」

「俺も」

「じゃあ宿に行きますか、確か木陰の宿とかって名前でしたね」

 ボクたちは宿で部屋を確保してから、職業神殿に行くことにした。






◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






 少し飛ばして、ボクたちは職業神殿の前に来ていた。

「ドキドキするね」

「うん」

「おう」

「ボクは魔法使いになれなかったら、悲しいよ」

「ああ、そういうこともあるのか」

「まあ、運に任せるしかないよね」

 ボク等はこれからなる職業に期待をしていた。

「お邪魔しまーす」

 そういって、ボク等は神殿の中に入って行った。


ナタリーはバイセクシャルです。


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