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とりぷるじー(GgG)  作者: さく
第1章
6/66

5 (GgG)?

 室内を見渡して、ここにはオレを含め四人しかいないことを確認した。

 そしてオレ以外の三人はかなり親しいようだ。つまりオレに用があるのはこの三人なんだろう。


 ……で? 


 団子の話を聞かせるためにオレを呼んだのか?

 まあいい。用がないのなら失礼させてもらおう。

 オレが一歩下がったその時、美少女の鋭い視線がこちらに向けられた。思わず背筋を伸ばす。


「よく来てくれたわね! わたしたちはあなたを歓迎するわ」


 ふいに表情を緩ませて、美少女がオレに笑いかけた。

 団子の件はともかく、この人やっぱり綺麗だな――なんて見惚れている場合じゃない。


「オレ、歓迎されるような覚えないけど?」

「クリサンセマム・ムルチコーレよ!」

「は?」


 突然飛び出した意味不明の言葉に、オレは思わず訊き返した。

 今、なんて言った? 

 栗さんがどうしたって? 

 この人、実はやっぱり外国の人なのか!? 


「クリサンセマム・ムルチコーレ。そういう黄色い菊があるんだよ。僕なんかは普通に黄菊でいいと思うんだけど、咲さんはただ響きが恰好いいってだけで英名を愛しているんだ」


 オレが困惑しているのに気付いたのか、黒眼鏡が説明を付け加える。

 そうか、菊のことか。なるほどね。


 ……で? 


「その菊が、オレとどう関係があるんだよ」

「あなたの花よ。クリサンセマム・ムルチコーレ」

「オレの花、って?」

「昨日咲いたのよ。クリサンセマム・ムルチコーレが」

「だから菊が咲いたのとオレとどういう関係が?」

「関係大有りよ。だからこうして歓迎してるんじゃないの」

「だからまずその関係とやらを説明してくれって」


 この会話の噛みあわなさは一体なんなんだ。

 なんだかどっと疲れが増す。 


「仕方がないわね。わたしはリリー・マグノリア。そっちの赤いのがカメリア。黒いのがブラックサレナよ」

「……もしかして今のは全部花の名前なのか?」


 リリーは百合だろう。いくら英語が苦手でも、そのくらいならわかる。


「その通りよ。わたしは白木蓮、赤いのが椿、黒いのが黒百合ね」


 あれ? 

 百合はリリーじゃなくてサレナなのか? 

 ……まあいいか。どうせ英語は苦手だよ。

 ってかこのごつくてでかい赤眼鏡に椿の花って、似合わないな。 


「それで? その花がどうしたって?」

「わたしたちみんな、その花をもっているのよ」

「……??? どこに?」

「ここに」


 美少女がその豊満な胸に手を当てる。

 おお、これはかなり――。

 いやいやいや、今はそんなことに気を取られている場合じゃない。


「な、なにももってないじゃないか」


 ちっちっちっ、と言いながら、美少女が人差し指を左右に動かす。


「そこでこれ。ジャジャーン」


 なんだそのとってつけたような効果音は、と少し引きつつも、美少女が背後から取り出した物を見る。

 黄色い縁の眼鏡と、同じく黄色っぽい色の数珠だ。

 オレはなんとなく嫌な予感がした。

 白眼鏡黒眼鏡赤眼鏡に囲まれるようにして立っているオレ。

 その黄色い眼鏡は、それはもしかして……。


「お誕生日プレゼントよ。大事に使ってね!」


 美少女が極上の笑顔を添えてその二点を差し出した。


「残念ながら、辞退させてもらう」

「残念ながら、あなたに拒否権はないわよ」

「なんでだよ!」


 初対面の相手からの誕生日祝いを受け取るか否か、その選択権はオレにあっていいはずだ。   


「今日からあなたも大庭高校眼鏡集団ガーデンハイスクール・グラシズ・グループ略してとりぷるG(GgG)の一員だからよ」


 オレの抗議を意にも介さず、美少女が携帯を取り出した。

 画面をこちらに向ける。

 そこには『(GgG)』とデカデカと表示されていた。

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