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とりぷるじー(GgG)  作者: さく
第4章
45/66

3 多目的室にて

「で? あのお馬鹿さんは欠席なんですって?」

「そうみたいですよ。おかげで1Bの教室には二つ空席が並んでいました」


「桜様は?」

「傍観するみたいですよ」

「あそう。相変わらず放任主義よねぇ。あ、悟郎ちゃん、この草団子も美味しいわね!」


 草団子は、店でも人気の商品だ。


「ありがとうございます」


「それにしても、まさか帽子団のうちの一人がこの学校に通ってるとは思わねえもんなあ。なんてったって、花守人が三人……四人もいるんだぜ。見つかれば即ご帰還だ」


「他にも果者がいるかもしれないわね。ウィッグをつけていたら、わからないもの。迂闊だったわ。帽子団っていう命名はまずかったかしらね?」


「いや、問題はそこじゃねえと思うけどな」


 豪が呆れたように言う。


「果者とはいえそれまで暮らしていた場所が使えるようなら利用する。肉体の持ち主がそれまで送っていた生活を模倣する可能性が高いということですね」


「そうなるわね。でも、蘭は姿を消したんでしょう?」

「はい。失踪したことになっているようです」


「大騒ぎだったでしょうね」


「だが、小原雪は家にいる。そういうことだろ? 今のうちに、とっとと果実を還したほうがいいんじゃねえのか?」

「恐らく藤が傍にいるわ。もしかしたら蘭も。三人を相手に、わたしたちだけで戦えるかしら?」


「やるしかねえだろ。場合によっちゃあ、桜様を引っ張り出す」

「須賀くんはどうします?」

「使えないんじゃあねぇ」


 場に沈黙が落ちた。


「青薔薇もまだ見つかりません」


「そうなのよね……。これだけ探しても見つからないなんておかしいわよね。やっぱり存在しないんじゃないのかしら。もう一度桜様に訊いてみようかしら。青い花なんて、デイフラワーでもサザンスターでもデッドリー・ナイトシェイドでもハイドランジアでもいいじゃない。その辺の花に変更できないものかしらね」


「できないから探してるんだろうが」

「ブルーローズなんて選ばないでほしいわね」

「まったくです」

「今更だな……」


 一同のため息が重なる。


「とにかく、もう少し様子を見ましょう。小原雪が家にいるのは間違いないんでしょう? 監視するのが桜様の仕事なんだから、そっちは任せましょう」

「大丈夫でしょうか」


「見失ったらあいつの責任ってことにしようぜ」


「それがいいわね。とりあえず、ブルーローズの捜索は継続する方向でよろしく。果実のせいで変色している可能性もあるから、気をつけて。あとはまだ咲いていない花ね。蕾の状態で判別できればいいんだけど。そうまじまじと胸を見るわけにもいかないわよね。特に女の子が対象だとね」


「変態だと思われるだろうな」

「セクハラですね」

「わたしなら堂々と見るけどね」

「そうですね」

「じゃあ薫、よろしく頼むぜ」


 ぽん、と豪が薫の肩に手を置く。


「ってちょっと! わたしだけに任せようとするんじゃないわよ。この際、変態でもセクハラでも、訴えられない程度であれば許可してあげるわ」

「そんな無茶な……」

「おまえの許可がなんの役に立つんだよ」


「さあ、つべこべ言ってないで、散開! 今日こそなんとしてもブルーローズを見つけるわよ」


 その声を合図に、三人は腰を上げる。


「……まあ、ほどほどに」

「だな。各自の判断ってヤツが肝心だぜ」

「こらそこ、ぶつぶつ言わないで、さっさとお行きなさい!」


「了解です」

「あいよ」


 リーダーの命令は下され、ふたりは部屋を出てゆく。

 続いて薫も。


 そうして、多目的室は無人になった。  

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