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とりぷるじー(GgG)  作者: さく
第2章
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14 初めての果実還し

 物質化した日本刀を握り直し、果実と対峙する。

 ころころと転がる果実は止まることなくこちらへ転がり、ちょうど、刀の間合いのわずかに外で、ぽおんと跳ねた。

 

 頭上から、オレへ向けて落ちてくる果実。

 汗ばむ両手で必死に刀を握り、タイミングを見計らって、果実めがけて斬りつける。


 ザクリ。


 という感触が手に伝わった。

 と同時に、薄紫色の破片が周囲に散った。

 キラキラと光りながら、消えてゆく欠片。


 オレの手の内からは、既に刀も消滅している。


 やった……のか?


 飛び散った欠片は、やがて全てが消滅した。

 それを確認して、オレは息を吐いた。


 やった。やれた。      


 オレは小さくガッツポーズをした。――してしまってから、はっと我に返る。

 さっき投げかけられた声。あれは――。


「よぉ、できたじゃねえか」


 恐るおそる振り返ると、赤縁眼鏡が腕を組んで立っていた。

 やっぱり、こいつだったか。


「いつからいたんだ」


 ガッツポーズをしてしまったところを見られていたかと思うと、気まずい。


「ついさっきだよ。果実を見かけたって情報が入ったからかけつけたら、おまえが素手でやりあおうとしてっからさ。さすがに素手は無理だろ、素手は」

「そのくらいわかってる」


 わかってるから、なんとか武器を出せないかとがんばってたんじゃないか。


「ま、よくやったよ。おつかれさん。せっかくだから、ちょっとつきあわねぇ?」

「ちょっとって……?」

「おまえだって、少しは知っといたほうがいいって思っただろ。教えてやるから、来いって」

「どこへ?」

「俺の部屋」


 オレは、既に空になった手の平と、果実と対峙する際、路上に置いたっきりのエコバッグを眺めた。

 積極的に関わりたくなんかなかった。

 けれど、知らなければなにもできない。

 ついさっき、身に染みたはずだ。


「……冷蔵庫を貸してくれるなら」


 オレは渋々了承した。

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