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とりぷるじー(GgG)  作者: さく
第2章
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12 決断

 果実はさして急ぐ風でもなく転がっている。


 どこから現れたのか、オレは全く気づかなかった。

 そもそも、果実がどういう性質のものなのか、オレにはよくわかっていない。


 果実を追って、脇道へ踏み込む。

 果実の転がる先に、今のところ人影はない。


 相変わらず、小原さんに似たさっきの彼女の姿がないことにほっとする。

 けれど、いつどこから人が現れるかはわからないし、このまま転がってゆけば、その先には比較的通行人の多い通りがある。


 このままにしておけば、誰かが犠牲になるかもしれない。

 けれど果実にオレの存在を気づかれたら、オレが狙われるだろう。


 果実からは距離をとって、ゆっくりと歩きながら、考える。

 今、トリプルGの面々はこの場にいない。


 連絡先なんかは、もちろん訊いていない。

 果実を還すのがトリプルGの役割だとかなんとか言ってたくせに、こういう時に現れないんじゃ役に立たないじゃないか。


 ころころと転がる果実。

 それをただ追うだけのオレ。

 いったい、なにやってるんだ。

 こんなの時間の無駄でしかない。

 

 オレは手首の数珠を見た。


 なんの変哲もない、ただの数珠。

 けれどこれが、対果実用の武器を呼び出す道具だと、悟郎さんは言っていた。

 これをどう使うのかはわらないけれど、少なくとも悟郎さんは一瞬で拳銃を取り出していたようだった。

 

 オレにも使えるのか?

 もし使えるのなら、それで果実に傷をつけることができる。

 そうすれば、果実は果ノ底に引き戻されるはずだ。


 別に、トリプルGの手伝いをするとか、そういうんじゃない。

 奴らの思い通りになってやるわけでもない。


 ただ、このままなにもできず、かといって見なかったことにして立ち去ることもできず、無為な時間を過ごすのがイヤなだけだ。

 

 そこまで考えて、言い訳だな、と自嘲する。

 このままあの果実を見逃して、背中を向けた瞬間、後ろから襲われたらと思うと、恐ろしい。

 それが本音じゃないか。

 

 いいさ、やってやる。


 オレはこぶしをぎゅっと握り、足を止めた。 

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