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逃げ出した妃  作者: ひまわり
第一章
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どうしてこうなった?(2)

「わかったかい?」

 はっとして意識を戻したときには殿下の話は終わっていた。

 いけない。女官にあるまじき失態だ。しかたない、失礼極まりないことだが聞き直そう。そう思った矢先。

「あぁ、紹介が遅れたね。彼女は私の教師のベアトリーチェだ。今晩は彼女も同席するが我慢してくれ」

「はい?」

 急にもう一人の女性を紹介され、慌てて礼を取る。ベアトリーチェ様も優雅に礼を返してくださる。

 それにしても教師?殿下の専属教師にこんな方がいたなんて初耳だ。いったい何の教師だろう?

 その優雅な振る舞いから明らかに高位の貴族とわかり、そしてなんていうか、とても色っぽい。

「はじめまして。あまり緊張なさらないで、楽になさってね。私のことは空気と思って、気になさらないで」

 ベアトリーチェ様はそう言うと優しく微笑んでくださった。

「さて。夜は短い。さっそくはじめようか」

 殿下はそう言うと、私の手を引き寝台にむかう。

 ここでやっと私は声を出せた。

「あ、あの!殿下!大変失礼ながら、お話を聞き逃してしまいました!ご用はなんだったのでしょうか?」

 なんだかいやな予感がどんどん強くなる。

 殿下は私の言葉に一瞬押し黙ったが、やがて低い声で静かに宣言した。

「夜伽を命ずる」

 

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