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ドイツ語の勉強

その日の夜、再び沙希が裕馬の部屋にやって来た。

「今度はどうしたんだ、沙希?」

「ねえ、裕馬君ってドイツ語を学んでいるよね?」

「ああ、そうだが?」

「私にドイツ語を教えてーー!」

沙希が裕馬に泣きついてきた。

「おいおい、どうしたんだ? 話が見えないんだが……?」

「それは……」

沙希は裕馬のドイツ語の基礎を教えてもらおうと懇願した。

いわく、授業では何を言っているのかわからなかったとのこと。

「教科書は持ってきているか?」

「うん、持ってきた」

「それがあ、英語のbe動詞にあたるSeinザイン動詞から復習しようか。ich bin,du bist,er,sie,es ist,ihr seid,sie sind,Sie sind……

こういう動詞の活用は声に出して発声してみるに限る。頭で暗記するんじゃなくて、音で外国語を覚えるんだ」

「ich bin, du bist, er ist……」

沙希は裕馬の机の前で勉強をした。

「これはSein動詞といってドイツ語で一番重要な動詞だ。確かに語学は最初は暗記しなくてはいけないことが多い。ただ、重要なのは翻訳しないでそのまま外国語を覚えることだ」

「翻訳しないで?」

「学校の授業では翻訳する癖がついてしまう。つまり、ich bin を私は~である、と翻訳せずにそのまま頭に入れるんだ」

「ねえ、裕馬君?」

「なんだ?」

「このduって何?」

「これはファーストネームで呼び合う人に使う人称代名詞だ。例えば、沙希だったら俺や村山さんがそれにあたるな。Du bist Schülerin,nicht wahr?」

「えっと、Ja,ich bin Schüler.」

「沙希、エラーだ」

「私何か言った?」

「ドイツ語には原則として男性形と女性形がある。沙希はさっきSchülerと言った。女性形はSchülerinだ。正しくはIch bin Schülerin.だ」

「何でそんなことをドイツ語は気にするの?」

「それはそういう方向にドイツ語が発展したからだ。月州語が何本か、何個かいうふうに数の数え方に違いがあるだろう? ドイツ語ではSchülerは男子生徒。Schülerinは女子生徒を意味する。さらに単数形と複数形の違いがある」

「も~頭が混乱しちゃう!」

「例えばSie ist Schülerin.Sie sind Schülerinnnen.ほかにわからないことはあるか?」

「冠詞がなんで変化するのかわからないんだけど?」

「ああ、そういうことか。これも口でそらんじて覚えるといい。冠詞には不定冠詞と定冠詞がある。定冠詞はder,des,dem,denと変化する。この変化は1格der 2格des 3格dem 4格den まあ、少しずつ慣れて行けばいいさ。ちなみに1格は主格、2格は属格、3格は与格、4格は対格にそれぞれ対応する。

der Schüler,des Schülers,dem Schüler,den Schülerと覚えよう」

「何でそんなにドイツ語って難しいの?」

「まあ、それこそその言葉を学ぶエッセンスだと思うけど。Deutsch ist schwierig.まあ、少しずつ覚えていけばいいさ。一気に頭に入れようとするな。覚えることは多いが、実りも大きい。ちなみに定冠詞はder,die,das,dieとあって、それぞれ四通りの変化をする。これを「格変化」という。月州語では旧日本語からの影響で1格とか2格とか呼んでいる。まあ、今日はここまでにしよう。Gute Nacht!」

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