そんな事あるか!?腹の中のカルマ
このデカいスーパーから家まで徒歩で約17分ってとこだ。
本当なら、サッと買い物を済ませてとっくに自宅で長芋を擦ってるはずなのに、その時はなかなか来ない。
キムチをカゴに入れてレジへ並ぼうとした時に
既に次の刺客は俺の背後に佇んでいた。
「よぉー。忘れたわけじゃねぇよなー??」
また俺の激しい妄想が襲いかかってくる。
(妄想ってわかってるのに...)
鮮やかなグリーン、人の好みが別れる産毛
そして切ったら星型の可愛いお野菜なーに?
「.....。」
「オクラじゃん。」
そう。俺の背後で「スルーはねぇよな?!??」
と囁きかけてるような気がしたのは紛れもないオクラだった。
もう買い物を終えて帰宅したいのに、次から次へと
敵が現れる。
ここまで来たら、いちいち構っておれん。
オクラもカゴの中へと誘った。
(どうせ使うだろ。)
やっとレジへ到着できた。
キムチといい、オクラといい、かなり禍々しいオーラをだしていた。
俺はただ、長芋を擦りたいだけなのに、こんなにも邪魔が入るとはな。
「星占いには困ったもんだよ。」
ちょっといつもより声が低くなって、曇りなき眼で
食材達を見定めていた。
某有名少年誌のNAR〇TOは腹に九尾を宿していたが、俺の腹の中には、とんでもない長芋のバケモノを宿してるんじゃなかろうか??
と、中2でも妄想しないような妄想をしていた。
奴は無尽蔵のチャクラを放出していたけど、俺には無尽蔵の食物繊維が溢れている(キリッ)
と、犬も食わない冗談を、ちょっと半笑いで妄想したところでお会計。
やっとの思いで買い物を済ませ早速、家に帰ろうとした時、周りがとてつもない光に包まれた...
「まさかと思うけど長芋で異世界転生しないよな?」
しない。絶対にしない。
後ろには、大人の男性くらいの長芋が立っていた(?)
「驚かせてしまったね。」
(長芋が喋ってる...)
「長芋が喋ってるって思ってる?」
「逆に聞きたいんだけど、そう思わない奴いるの?」
ものすごい間ができたけど、ダイナミックストリームなハートを持っている俺には関係ない。
(じゃないと、あの残業ムードの中、定時では帰れない)
少しして、また長芋が語りだした。
「君に話しておきたい事がある...」
約15分程、長芋の話しを適当に聞いていた俺だが、まぁ要約するとこうだ。
・水瓶座が最下位だったのはマジでたまたま
・長芋のバケモノが腹に宿ってる妄想はマジ
・腹の長芋に反応して食材が話しかけてくるのもマジ
めちゃくちゃ不運な人生じゃん。
これから先、長い人生でずっと野菜とお喋りしないといけないとかマジの友達いらずじゃん...。
でも思い返して見れば確かに俺は人生で1度も便秘になった事が無い。
チャ〇ラならず食物繊維が腹から無尽蔵に湧いてでていたのは、妄想ではなく本当たが、便秘とは全く関係ないらしい。
(なーんだ。)
ただ、長芋の話す内容がペラペラなわりに結構長いので、辺りを光で包まずに歩きながら聞いていたら、もう家に着いてたのにな...と思ったのは内緒の話し。




