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朝の星占いのルーティンで終身

何やら近所にデカいスーパーが出来たらしい。


「仕事終わりにでも寄ってみるか。」と

珈琲を飲み干し朝の7時から見ている

テレビ番組を眺めながら、夜の献立を考えていた。


朝のテレビ番組では最早定番であろう。

「星占い」と「天気予報」の2大巨頭である

人気コーナーを見ない奴はこの世界に

存在するのだろうか...?と

考えながらテレビの方に熱い眼差しを送る。


俺は水瓶座だ。どんな結果も受け入れる。

さぁ教えてくれ担当のお姉さんよ。



「なんと、本日の最下位は水瓶座のあなた...」



ぎぃいぃぃぃいいぃいやあああああああぁぁぁああぁん



賃貸なので大声は出せない。


しかし俺の心の中は何かを考える余裕も無いほど

絶叫に満ち溢れていた。


心の中で絶叫しているだけなのに

何故かお腹がいっぱいになってきた。


なんで?


謎に膨れたお腹を摩りつつ、俺はとある事を思い出す。


まぁ、ランキング最下位は初めてじゃない。それにラッキーアイテムという、その場しのぎの救済処置だってある。どうせ今日一日凌げば明日には4〜5位くらいまでには浮上するだろ。


星占いが2日連続で最下位を出した事は無いし、連続最下位の記録を打ち立てた過去も無い。なので、所詮はテレビの1コーナーに過ぎないフェイク。


頭では分かっていてもショックが隠しきれない俺は、ラッキーアイテムが気になり過ぎて淹れたてのコーヒーが冷めつつある事にすら気付かない。


最早、右手に持っているのがコーヒーカップである事すら頭から抜け落ちていた。


それくらいラッキーアイテムに関心があるのだ。


どれだけ星占いの結果が悪かろうが、連日連夜ランキング下位の成績を叩き出そうが俺は幾度もこのラッキーアイテムに助けられてきた。と思うようにしている。


ラッキーアイテムが無ければ、今まで何回死んでるか

考えただけでも鳥肌もん…くらいには気合いをいれてラッキーアイテムをチェックしている。


そして俺の顔は、どちらかと言うと童顔なのだが、この時だけは、めちゃくちゃに渋い「ダンディーフェイス」になっていると思っている。


そう。ダンディーフェイスにな。


「病は気から」なんて聞いた事あるだろ?

ダンディーフェイスも気からだと気付いた。

そうなってると思ったらそうなっていく。

大切なのは志だ。


分かったか?童顔諸君。


話題が逸れたが今1番大切なのは、ラッキーアイテムの確認。


まだ、ダンディーフェイスは解かない。まだだ。

ラッキーアイテムを聞く時は聞く姿勢も大切。


俺は志にうるさいんでな。


水瓶座の最下位のランキングを、残酷なまでに画面に残しつつ、テレビのお姉さんの口から本日のラッキーアイテムが発表された。


「最下位のあなた、ラッキーアイテムは長芋です!」


ほぉ、長芋と来たか。

近所にデカいスーパーができたもんで仕事終わりにでも寄ってみるか。と、つい20分前にも考えてたとこだ。ちょうど良い。


本当に最下位なのか?と疑うくらい自分のスケジュールとラッキーアイテムがマッチしすぎているような気もするが、いかんせん最下位なのでそのくらい良いことがあってもバチは当たらない。


こうして俺は水瓶座の星占いが最下位だった事。

ラッキーアイテムは長芋だって事。

近所にデカいスーパーができたって事。

今日のお天気は曇りだって事。


全てを右から左へ受け流し、会社へと出勤する。


この後に長芋がきっかけで長い長い旅に

出る事になるとも知らずにね?

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