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「暮らし」など

踊り子

作者: 維酉

交差点

惑星

黒猫

いもうと

営み

セダン

蓑虫

警官

こども

吐息

踊り子

明日

大通り

セーター

記憶

女子高生

夏目

闇夜

書店員

世界

柴犬

イタリアン

ギター

教師

指環

わたし


昨日のにおいが立ち込める街

北斗七星の見える交差点

革命が起きた惑星

鉄風に茫然とする黒猫

布切れを纏ったいもうと

幸福を理論づける営み

キスをねだるセダン

からすになりたい蓑虫

死のうとしている警官

かえるを追いかけるこども

耳元に感じるだけの吐息

街灯の下の踊り子

泥に塗れた靴

忘れられた神

紐で縛られた本

だれかを救うための詩

ずっと開いたままの瞼

歴史の中で消失した恋

とりとめのない明日

熱を失いはじめた大通り

祈るように紡いだセーター

やがて掌からこぼれおちる記憶

自販機でコーヒーを買う女子高生

かたつむりが好きな夏目

死体を蹴るような闇夜

『夜と霧』を並べる書店員

狭くて窮屈でうつくしい世界

哀しそうな目をした柴犬

しらないひとと食べるイタリアン

愛を嘯くギター

やましい嘘に苦しんでいる教師

空中分解した夢

言葉を忘れた服

ゆきばをなくした指環

……わたし


街――それは昨日に戻ろうとしている

交差点――彼女はこの交差点が一番好きだった

惑星――軌道からはひとつも逸脱しない

黒猫――首輪はしていない

いもうと――この世でもっとも清潔なひと

営み――雑然とした物音

セダン――助手席に彼女を乗せた

蓑虫――どこにいるのかしらない

警官――道案内をしている

こども――無垢で無辜で無邪気

吐息――冬になると白い

踊り子――わたしの好きなひと

靴――彼女はどこへだっていく

神――たぶんどこにも

本――拾ってはいけない

詩――描いてはいけない

瞼――開いてはいけない

恋――落ちてはいけない

明日――おおかたは等速運動

大通り――彼女のとなりを歩く

セーター――わたしはにがて

記憶――はじめての旅行は尾道

女子高生――とてもむかしのようにおもう

夏目――となりの席だった

闇夜――ちょうど、いま

書店員――めがねがよくにあう

世界――彼女がそれだった

柴犬――いつか飼おうとおもう

イタリアン――あまりおいしくない

ギター――「へたくそなんだ、ごめんね」

教師――わたしはすきだった

夢――彼女の夢は古本屋さん

服――花柄

指環――箪笥の二段目にある

わたし――わたしは……


交差点

惑星

黒猫

いもうと

営み

セダン

蓑虫

警官

こども

吐息

踊り子

明日

大通り

セーター

記憶

女子高生

夏目

闇夜

書店員

世界

柴犬

イタリアン

ギター

教師

指環

……

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