終章
『続いて、次のニュースです。昨日、鳳林企業会長の鳳林剛氏とその息子の鳳林勉氏が来月オープン予定であるホテル鳳林で転落死していると警察から発表がありました。なお、警察の発表によりますとその後の調査の結果電気室で男性十五名の射殺体が発見され、エレベーターでも一人の男性の遺体が発見されました。あっ、たった今入った情報です。さらなる捜査の結果、三十階のレストラン街で男性三名、計十九名の遺体があったと発表されました。えー、また、三十階では男性一人と女性一人が手の骨を折るなどの重症でしたが、命には別状はないとの事です。警察はこの二人が事件に関与しているとみて、回復をメドに事情聴取を行う予定との事です。それでは、次のニュースです……』
昨日の惨劇から十六時間が過ぎた。今も警察は捜査をしている。俺は剛と長男を殺し、今は逃亡生活だ。ハハハ。これじゃあ仕事も何もできねぇよ。俺が止めたから、二人は殺された。今でもあの感触が肌に残っている。俺は過去に何をされたかは知らない。けど、殺そうと決意した程の事をされたんだという事は何となく想像がついた。だから、俺が代わりに殺した。あの二人が失敗した事を、俺はした。おかげで今はひどい有様さ。
「キミ、ちょっとキミ」
フラフラと歩いていると、警官が俺を止めて職質した。住所や職業や名前など詳しく聞いてくる。面倒になり、隙をみて警官が掴んでいる手を振り払い走った。少し追いかけたが、距離を離し警官は俺の事を見失った。
これで、良かったんだよな? 充、光––––。
完––––。




