終焉
光はフワフワと身体が浮かんでいた。それは何とも言えない心地いい気分だった。しかし光の身体は突然掃除機で吸い取られるように急に身体が上昇していった。地上が見えなくなるほど遠く、遠く上げられてゆく。そしてその勢いは弱まり、着いたところはどこかわからない場所だった。自分が死んだと認識するのは遅くなかった。光は身体をバタバタと動かした。足がない分身体が上手く前へ進まない。だが、ようやく少し前に行く事が出来た。コツを掴み、泳ぐように進んでゆく。そして光は見覚えのある後ろ姿を発見した。それは––––。
兄さん……。
光は呟いた。そして男は光と相対する。その姿は紛れもなく充そのものだった。
兄さん……。
光もここに来たのか。なら、俺たちは失敗したんだな。
充は笑いながら語りかける。
ごめん……兄さん……おいら、仇打てなかったよ。
ふふ、いいさ。お前と再会できればそれでな。
兄さん……。
充の笑顔を見て自然と光も微笑んだ。充の笑顔を見るのは何年振りだろうか? しかし、充の身体から青白い光が輝きだした。
どうやら、ここにはもういられないようだ。
え? いやだ……兄さん。いかないで。
審判が決まったようだな。俺は地獄行きか? 天国行きか……。どっちだっていいさ。最後にもう一度お前と会えたんだからな……。
兄さん……。
お前もすぐ審判が決まるよ。俺とお前は常に同じ所にいる。信じるんだ。
うん。おいら、兄さんと同じ所にいくよ!
そのイキだ。頑張れよ……。
と、充は呟くと下からゆっくりと身体が消えていった。それは太もも、腰、胸、首、そして頭に来た。消える間充は笑顔を光に見せていた。その口元が消え、鼻が消え、目が消え、全てが消えた。
兄さん……おいらも、すぐいくからね、そうしたら、また遊ぼうね。




