表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
遺産相続   作者: たか
復讐編
14/24

正体

次男と三男は剛に指示された通路にたどり着いた。幸い、まだそこには敵は来ていなかった。しかし、光が動いており、そこに敵がいるということを物語っている。

「俺がやる。大は光を見ていてくれ」

次男は拳銃を持つと、右手を上に上げ引き金を引いた。拳銃の乾いた音がし、銃口からは煙が立ち上っていた。

「兄さん! 光がこっちにきた!」

と、三男は次男に告げる。

「よし、逃げよう」


遠くから銃声が聞こえ、作戦が開始されたのだと直感した。しかし、西本はまだ剛の言葉に引っかかりを感じていた。ここまで出かかっているが出てこない。先ほどの剛の発言を思い出してみることにした。

––––奴。

剛は敵のことをそう呼んでいた。妙に知り合いのようなニュアンスを感じた。剛がよく知る人物のような。

「始まったね」

と、恵梨香。

「ああ––––」

このまま作戦がうまくいき、敵を倒せればそれでいい。しかし、何か嫌な予感がする。

「離れよう」

と、西本は不意に立つ。

「え?」

「なんか嫌な予感がする。爺さんはさっき敵のことを奴って言ってただろ? 俺はなんかあいつのことを知ってるのかなって思った。それに、爺さんの言う通り本当に刺客ならあんなメッセージは書かない。少し離れたところで様子を見る」


次男と三男は咄嗟に近くのダンボール箱の裏に隠れた。光は遠ざかり、右へと横切る。ほ……と息を吐いた。西本と宮沢が隠れている場所に戻る。

「どこに行こうとするんだい?」

と、背後から男の声がした。次男は慌てて振り返ると、そこには武器を持った男が立っていた。そしてショットガンを構えている。

「がっ––––」

「これはこれは。お久しぶりです。兄上」

男はなぜか次男に深々と頭を下げた。

お久しぶり? 兄上? まさかこいつは!

次男は男の正体に気づき、気負いするが男と目を合わせる。その目は次男のよく知る人物の目だった。


「やはり充だったか」

剛は笑いながら言う。

「親父、知ってたのか?」

「ああ。なんとなくじゃがな。ワシらが向かうのは食料の倉庫じゃ。そこにはなにがある?」

剛に聞かれ、長男は一瞬考える。

「食料供給用のエレベーターか!」

「ククク。そういうことじゃ」

「でも、それだと二人を見捨てることに––––」

「それがどうした? 今日の戦いでワシは会長の座を継ぐのはお前じゃと確信した。あいつらはもういらん」

剛からは狂気のオーラが発してある。実の息子を見限り、敵に売るという行為に長男はゾッとした。


「お……親父……」

剛や長男、西本、宮沢が隠れているはずの店へと行ったが、反応はなかった。もう一度言うが、やはり反応はない。それを見ると充は「ククク」と喉から笑った。

「そういうことか」

「え?」

充の言葉に、次男は聞き返した。

「つまり、お前らは見捨てられたんだよ」

「い……いや……そんなことは」

両手を振り、違うという仕草をする。

「では、なぜ今ここに現れない? 現実はこうなんだよ。チッ面倒だな」

充は満面の笑みを浮かべたが、舌打ちして愚痴をこぼす。そして携帯の妨害電波を解除し、某所へ電話をかけた。

「ああ。俺だ。少々厄介な事になってな。少し手間取りそうだ」

『手伝おうか?』

「いや、お前はそのまま見張っててくれ。心配するな。もう奴らも袋の鼠。逃げ場なんてな……い……」

充はエレベーターの事に気づき、最悪の出来事が頭をよぎった。

「おい! 右側のシャッターだ! シャッターを下ろせ!」

『え?』

「逃げ場があった! 倉庫のエレベーターだ! そこは電気室での操作も通用しない!」

『わ、わかった』

充は電話を切ると、慌てて二人を連れて倉庫へと向かった。しかし、遠くからシャッターの閉まる音が聞こえ、剛の断末魔が聞こえてきた。それを聞き、ニヤニヤと不気味な笑みをこぼす。

さぁて、料理はこれからだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ