第壱話 天下の律義者 『前田利家』
壱話はプロローグと同時投稿!
日本、島根県。
俺の名前は前村利一。前村道場の跡取り(仮)だ。
世間では戦さがどーの『時の依り代』がどーのと言っているが俺には全く関係ないと思っていた。
しかし、俺は「憑依」を受けてしまった。高一の秋だった。
それは体育の授業の時だった……。
「今日の授業は持久走だ!戦さに巻き込まれた時、大変なことになるからな!しっかり走れよ!」
戦さなんて巻き込まれはしないからな……この島根には有力な武将がいるなんて聞いてねえし……
「では、はじめ!」
ま、適当に流しとけばいいだろ。
そしてそれから15分程がたったころだった。
『目……よ//』
「ん?なんか声がする?……気のせいだろ」
……あれ?クラクラする?
あっ……これはもう……
気絶するわ
そして僕が目覚めたのはそれから1時間後だった。
すると僕の幼馴染の千佳がこちらを見てい……後ろになんかいる気がする。気のせいであって欲しいがな。
「利一君!!」
『起きたか!』
「ん……」
変な声がする……俺の後ろから。
「…………へ?」
『おう!起きたか!』
「……誰?」
『ん?俺か?俺は前田利家と言う。てめぇに憑依することなっちまった。』
ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってちょっry
「これって、俺が、時の、依り代に、なった、って、こと?」
「……うん」
「ちょっと待ってね、お前の後ろにもなんかいるのも、お前が時の依り代だから?」
「……うん」
「……」
「どうしたの?」
「フワァァァァァァァイ!?」
「落ち着いて!落ち着いてよ!!」
「落ち着けるか!!」
「ですよねー」
◇ ◇ ◇
数分後、落ち着いた俺は状況把握に入った。
まず、俺は前村利一。そして、憑依してきたのは前田利家。織田家に仕え、槍の又左と呼ばれた槍の名手。らしい。そして千佳に憑いているのは、よく知らない。だって答えないんだもん。
依り代になると、他の依り代も見えるというが、それは本当らしい。俺も、千佳が依り代だということを初めて知った。前田利家曰く、自身の生前のことは覚えてねぇ。だそうで。そうか、使えねぇ。
武将辞典 壱
前田利家:槍の又左衛門。
織田信長の家臣で豊臣秀吉時代は五大老になっていた。
加賀百万石の祖。
次回の投稿はいつかわかりません。
正直。