既視感
ジリリリリリリリリリリリリリリ、と。
聞き慣れた音が耳元、正確には斜め前くらいから聞こえる。
うるせえ。
いつものように、それを止めた。
変な夢みた…。
こういう時はやはり忘れるのが一番だろう。
まあ人間忘れたいことほど忘れられなかったり忘れたくないことほど忘れたりするんだよな。
これコントロールできるようになったらすごく楽だろうに……。
けれど夢ならすぐ忘れられるだろう。
たとえなぜか初めから最後まで思い出せる夢だとしても。
「、と。とりあえず朝食でも…」
時計。
午前7:48。
…ん?
……うん、えッ⁉︎
何してたんだよてか何してんだよ昨晩の俺設定ミスとかじゃ済まされねえぞ馬鹿じゃねえの馬鹿じゃねえのなんでこんな時間に目覚ましなるかなあ何か僕悪いことしましたっけ神様⁉︎
これはやばい。
今すぐ着替えて出なければ。
親がいれば起こしてくれたかもしれないがタイミングの悪いことに二人揃ってというか二人で旅行中だふざけんな死ね。
急いで着替え、(このスピード普段出せたらもっとゆっくり寝てられる気がする)出発した。
違和感。
というより、既視感を覚えたのを気のせいで済ませてしまったのが失敗だったのだろう。
予知夢、というやつか。
とにかく、俺は夢の二の舞を踏むことになった。
夢と同じく、痛みとかはなくて、それが尚更嘘っぽかった。
ジリリリリリリリリリリリリリリ、と。
聞き慣れた音が耳元、正確には斜め前くらいから聞こえる。
うるせえ。
いつものように、それを止めた。
…おかしい。
最初のはさておき今回のは流石に考えるべきだろう。
まさか、夢の中の夢の中で寝坊して急いで学校に向かったところ夢でまた寝坊して急いで学校に向かったところ夢また夢だったみたいな文章にすると分かりにくい滑稽なことになったわけでもあるまい。
となると。
「…あれかよ」
友人の言っていた、REVIVE。
こっとーむけー?だが、それに巻き込まれたとしか考えられなかった。