幼女の女神
俺、清水明人は、高校から帰って自分の部屋に居た。が、『そいつ』は突然現れた。
「え? お前誰?」
俺の前に突然現れ、立っていた幼女。物凄い美貌の持ち主だった。整った顔立ち、長い金髪。背は低く、胸は殆ど無い。見た事もないような美しさだった。だが……
「ハ〜イ。私は女神よ。リサって呼んでね。」
どうやら痛い子だったらしい。
「いやお前何処から現れたし。でそもそも何の用だよ。」
俺は少し苛立ちながら言った。俺は楽しい楽しい放課後ライフを楽しんでいたんだ。いきなりそれを邪魔するだなんて。ていうか女神ってなんだ。そんな歳なのにもう痛い子なのか……。
「今、私のこと痛い子って思ったでしょ。残念、私は正真正銘の女神なのよ。」
まだ言うかこの自称女神め。今すぐ外に連れ出しに行きたいが、少し面白そうだから付き合ったやるか。
「じゃあそこの自称女神さん。お前が女神だって言う証拠はあるのかよ。」
「だから本物の女神だっつーのに。良いわ、見せてあげる。私が女神だって言う証拠。」
そう言うとリサは何やらよく分からない言葉で呪文の様な言葉を唱え始めた。リサの右手が淡い緑色の光に包まれる。そしてついに手首全体が謎の光に包まれた時、俺は自分の部屋で信じられない様な光景を目にする事になる。 最期にリサがこう言った。
「我が手に宿れ、灼熱よ。ファイアーボール。」
そう言うとリサの右手からテニスボールぐらいの大きさ火の玉が出てきた。え? どういうこと?俺が目の前の出来事に対して混乱の最中だという時にリサが勝ち誇った様な笑みを浮かべながら話しかけて来た。
「ねえどう。私の魔術。一応私回復魔法担当なんだけど、上手く出来てた?」
俺は未だに状況が理解できていない。
「ま、驚いちゃって何も言えないか。」
そう言うとリサはいきなり座り、俺に顔を近づけた。そして、
「私の任務はただ一つ。あなたに、ある『能力』を与える為よ。」
能力…だと?