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会社で仕事しながら
昨日のユーちゃんの笑顔がふと
頭によぎった。
色気のないカレーかぁ・・・
あたしみたい?
そうかもしれないな・・・
ふふふ・・・
しかし、あんなもんでポイントになるのかねぇ。
スーパーのポイントカードじゃあるまいし。
そう思うと何かおかしくて
ちょっと一人で笑ってしまった。
「めずらしー、真希が笑ってるなんて。」
隣の席の優子が言う。
「え?そう?」
「うん。いっつもつまんなさそーに
仕事してるじゃん。
そりゃ仕事なんてつまんないけどね。」
「まぁ、そう言われたらそうかな。」
「ねぇ、何かいいことでもあったの?」
ワクワクした顔して優子が聞く。
「彼氏出来たとか?」
「まさか・・・んなわけないでしょ。
出会いの場もないし・・・」
「真希は飲み会嫌いだもんね・・・」
そう、あたし、酔っぱらいの集まり
大嫌いなの。
みんな何が楽しくって
あんなにバカ騒ぎしてんの?
しょうもない・・・
昨日の残りのカレーを食べながら
今頃飲み会で盛り上がってるであろう
優子の元気な笑顔を思う。
何であんなにニコニコできんの?
何が楽しいのかね・・・
「みんなでわいわいして
楽しくねーわけねーじゃん。」
うわぁ!!!
いきなり頬杖ついて
目の前に現れたユーちゃん。
顔が目の前にあってギョッとした。
「一緒にいきゃぁいいのに。
あ、でも、そんなに固い顔してたら
男も近寄れねーぞ。」
大きなお世話です!
「もしかして、飲めねーの?」
「いや、飲めるよ。でも、弱い。
それに好きじゃないし。」
「じゃ、ウーロン茶で
参加すりゃぁいいじゃん。」
「何が悲しくて
しらふで酔っぱらいと
騒がなきゃいけないの?
時間の無駄。」
あたしの言葉に
半分あきれてるユーちゃん。
「彼氏とか欲しいっておもわねーわけ?」
「べーつにぃ・・・」
本気であたし、コンパとか嫌い。
意味分かんない。
時間の無駄。
なのに・・・・
「ねー!一生のお願い!
真希も一緒に来て!一回だけだから。」
そう言って、優子に頼まれてしまった。
飲み会の幹事役を・・・・
・・・・・・・・・・・
「はぁ・・・・」
「何ため息ついてんの?」
だいぶん、こいつにも驚かなくなった。
「飲み会、明日行くことになった。」
「お!やったぁ。」
何であんたが喜ぶんだ?
「あ、また一ポイントゲットだから♪
やりたくないことやってくれたら
ポイントになんの♪」
頭叩いてやろうと思ったら
すっと消えた。
一メートルくらい離れたところに
ふっと出てきて
「天使叩くと罰あたんぞ。」
って、真面目に言われた。
う、ドキッ・・・・
ん?なんだろ?このドキッは・・・