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「これ・・・」
言葉が出なくて何もいえない。
「あたし、ご飯作ってくるね。」
照れ隠しにあわてて立ち上がって
台所に・・・・
そしたらユーちゃんがついてきて、
「忘れもんだぞ。」
さっきの荷物の中のエプロンを
後ろからふわっとかけてくれた。
きゅっとひもを結んでくれて
「うん、かわいい!」
って、にっこり。
そんなこと言われたら照れます・・・
「俺、風呂に入ってきていい?」
ユーちゃんは言いながら半分脱ぎかけてる。
「ここで脱がないで!
早くお風呂行って来て!」
って、真っ赤になって言った。
ちらっと見えた体にどきどき・・・
材料を出して、料理にかかる。
ご飯だけは炊いてあった。
お汁とエビフライ、同時進行で作る。
「ずいぶん手際よくなったじゃん。
最初は何もできなかったのにな。
偉い偉い!」
からかうように、半分真面目に
ユーちゃんはお風呂から上がってきて
ビール片手に言った。
「誰かさんったら
作らなきゃ情けない顔するんだもん。」
あたしが言ったら
「いなくなっても作ってたくせに。」
って、後ろからぎゅってされた。
「エビフライ、焦がしちゃうかもよ。」
ユーちゃんの行動にどきどきしながら
顔真っ赤にして言ったら
「じゃ、おとなしく待ってる。」
って、リビングへ。
「出来たよ。
豪華な部屋には似合わないけど。」
あたしが声かけると
ユーちゃんは嬉しそうな顔して
イスに座った。
「いっただっきまーす!」
嬉しそうにエビフライをほおばって
「めっちゃうまいーーー!」
って、喜んでくれた。
「毎日おいしいもん食べてんでしょ?
いいよ、そんなに言わなくても。」
あたしが言ったら
「前も言っただろ。
俺のために作ってくれた
その気持ちが嬉しいんだよ。」
確かに聞いた。
そんなことあたしは信じなかったけど
今のあたしなら分かる。
一緒にいるってことが
相手を思いやるって事が
何よりも素敵な調味料になり
スパイスになり、
どんなご馳走より、
おいしく食べられるってこと。
そして・・・
決して立派な出来じゃなかったけど
ユーちゃんと一緒に食べたご飯は
今まで食べたどんなご馳走より
おいしかった。




