表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あたしの天使  作者: みほ
42/48

42

会社では何とか普通の生活を送っていたけど


あの日からあたしは


もともと少なかった笑顔が消えた。


定時で帰り


ご飯を作る。


お皿もお箸もお茶碗も2つずつ


テーブルの上に用意する。





でも・・・


減ることのないご飯を見ると


胸が一杯になってお箸をおく。





ユーちゃんがあと3日って言ったから


もしかしたら・・・


と思い続けてはや一ヶ月。


最後の日、20ポイントついちゃったんだね・・・


それが分かったから


ユーちゃんは涙ながらにさよならを言った・・・


頭では分かっていたけど


あたしはそれを受け入れられなかった。





せっかく作った晩ご飯


捨てるのがもったいなくて


今日も近所のネコに食べさせた。


おいしそうに食べるね・・・・


そんなにあわてなくてもたくさんあるから。


必死に食べるネコの向こうに


ユーちゃんを重ねて見てしまう。


会いたい・・・





部屋に帰って


ベッドに転がる。


枕をぎゅーーっと抱きしめる。


あたし、もう幸せになんてなれない・・・


ユーちゃんのところに行きたい・・・


死んだらユーちゃんの所に行けるのかな・・・





「幸せになるんだぞ・・・」


あの時言ったユーちゃんの声が


何度も耳の奥で聞こえる。


無理・・・絶対無理・・・


泣き疲れて眠りに落ちる毎日。





優子が心配そうにあたしに言った。


「すごく辛そうだよ・・・


話聞くから今日、晩ご飯一緒にいこ。」





夕方、優子とレストランで晩ご飯。


優子が気を利かせたのか


話がほかに聞こえない個室だった。


「何があったの?」


優子の問いに、


「好きになった人が消えちゃったの・・・」


とだけ答えた。


「え?逃げたの?」


「ううん。そうじゃない。」


「今どこにいるか真希は知ってんの?」


「うん・・・たぶん。」


「じゃ、会いに行けば?どこなの?遠く?」


「・・・・たぶん天国。」


優子は絶句した。





話の流れからすると


あたしは嘘は言っていないけど


きっと、死んじゃったと思ってるだろう。


ま、それはそれでいい。


天使に恋したなんて


誰も信じちゃくれないだろうし。





「元気だしなよ。いつでも付き合うからさ。」


そう言って優子は優しく微笑んだ。





あんなふうに笑えたらいいな・・・


ユーちゃん、あたしの笑顔


見たかったって・・・


もっと一杯見せられたらよかったな・・・


一人になると我慢できず


涙が止められなくなった。


たった独りぼっちになった気がして


消えてしまいたくなった・・・





翌日、あたしは上司に呼ばれた。


「急な話だが、今日から


部署を変わって貰うことになった。


すぐに5階に行って、詳しい話を聞いてくれ。


廊下の一番奥の部屋だそうだ。」


気の毒そうな顔してあたしに告げる。


「急には困るって言ったんだけど・・・


聞いてもらえなくてなぁ。すまん。」





5階・・・・


そんなところ行った事ない・・・


何があるとこだっけ?


そんなみんなが行かないような部署に


行かされるなんて・・・


あたし、何かミスでもしたっけ・・・





とりあえず行ってみた。


あたしがいた2階では


廊下も忙しく人が歩いていたが


5階は誰も歩いていない。


こんなとこで働くのは嫌だな・・・


誰も知り合いなんかいないし・・・


何であたしばかり


つらい目にあうのかな・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ