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「いいんだよ。こんなんすぐ治るし。」
ユーちゃんは笑って答えた。
「あんただって、俺との思い出は
消したくねーだろ?」
いたずらっぽく笑うユーちゃん。
あたしは真っ赤になった。
そのままユーちゃんは消えた。
ユーちゃんが消えて、
あたしは初めて
『一緒にいたい』
って思ったことにちょっと驚いた。
誰かと一緒にいたいなんて
今まで思ったことなかった。
むしろ、一人のほうが気楽でよかった。
なのに・・・・
なんで?
どうしてユーちゃんなの?
絶対にかないっこないのに・・・
久しぶりに優子とお昼ご飯を食べた。
「真希、雅人さん振ったんだってね。」
ご飯を食べながら
優子が言った。
「あんなに優しそうなのに・・・
何がいけなかったの?」
・・・・・・・・・・・・・・
雅人さんにいけないところなんてなかった。
たった一つあるとしたら
雅人さんはユーちゃんじゃないってことくらい。
「真希、誰か好きな人でもいるの?」
興味津々な顔して優子が言った。
「うん・・・・」
「どこの人?うまくいってんの?」
「うまくいってるのかな・・・
でも、絶対恋人には、なれないんだ・・・」
あたしの言葉に不思議そうな顔した優子。
「あんたがまさか、不倫?」
「そんなんじゃないわよ!」
「でしょうね・・・」
安心したようにうなずく優子。
仕事が済んで部屋に帰った。
誰もいない部屋を見回す。
ここ3ヶ月くらいで
あたしの部屋は変わった。
掃除をして、ごみがなくなった。
カーテンやシーツも洗濯してさっぱり。
掃除機もポイントになるからよくかける。
すっかりきれいになったあたしの部屋・・・
夕飯の準備をする。
お味噌汁は簡単に作れるようになった。
最近は揚げ物でも大丈夫。
ユーちゃんが出てきてくれるのが嬉しくて
おいしそうに食べてくれるのが嬉しくて
ほめてくれるのも嬉しくて
あたしは頑張った。
すべてユーちゃんのために・・・
ユーちゃんのニコッと笑う顔が見たくて。
「腹へったぁ!今日は何作ったの?」
ニコニコしてユーちゃんが現れた。
「エビフライ・・・
うまく出来たかわかんないけど。」
「すげー!いただきまーす!」
ユーちゃんのほおばるのを見てると
嬉しいのと悲しいのとで
胸が詰まった。
「どうしたんだ?」
ユーちゃんは、軽ーく聞く。
「ねぇ、ポイント何点たまった?」
あたしはずっと気になってたことを
何気なくたずねた。
「90点。」
あと10点か・・・
あと10点でユーちゃんは
あたしの前から消えてしまう・・・
でも、100点になって
天使の免許証を返してもらうのは
ユーちゃんの願い・・・
もう一回悪魔って言ったら
もう一回0点に戻って
またもうしばらく一緒にいられる?
でも、ユーちゃんは・・・
がっかりするんだろうな・・・
「あんたがそうしたいんなら
俺は・・・・それでもいいぞ。」
エビフライ食べながら
ユーちゃんはボソッと言った。
え?今なんて?
「0点に戻すのがあんたの願いなら
それでもいいって言ってんの。」
・・・・・・・・・・・・
そんなこと出来ないよ・・・
したいけど・・・




