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翌朝目覚めたあたしは
すっかり元気になっていた。
口惜しいけどユーちゃんのおかげ。
さっさと仕事を終えて
これまたさっさと買い物を済ませて
あたしが作ったことのないレシピを参考に
晩ご飯を作る。
ユーちゃんの傷が気になって仕方ない。
教えてくれないかもしれないけど
聞いてみたい。
ポイントがたまらなくて出来たんじゃないよね。
そうなのかな・・・
そうだとしたら
天使の世界って意地悪です。
いいにおいが立ち込めたころ
ユーちゃんが
「今日はやけに気合い入ってんなぁ♪」
って、現れた。
「うわぁ、エプロンなんかしてる!」
えらく正直に驚くユーちゃんの声に
「悪かったわね。どうせ似合わないし。」
なんてかわいくないことを言ってしまう。
「いや、かわいいよ。」
・・・・・・・・・・・・・
どんなつもりでそんなこと言えるの?
あたしはちょっぴり赤くなりながら
ご飯の用意。
「なんだよ・・・なんか
初々しい奥さんみたいじゃん・・・。」
ニコニコしながらユーちゃんが言う。
「そうだったらいいんだけどね・・・」
あたしが何気なく答えた言葉に
「どっちの意味?」
って、ユーちゃんが聞いた。
え?深い意味はないけど・・・
「ま、いいけど・・・」
?あたしには理解不能・・・
この前みたいに食べてるときには
聞かないでおくことにした。
せっかく作ったハンバーグ
捨てるのは、悲しかったから・・・
「ごちそうさん。
あーうまかった!
最近、料理うまくなったなぁ。」
「そうかなぁ。」
照れながらも嬉しかった。
「あ、そうだ・・・消えないで聞いてくれる?」
思い出したようにあたしが言うと
ユーちゃんは、ギクッとしたように
動きをとめてこっちを見た。
「何だよ・・・」
あたしは黙ってユーちゃんの手をとった。
薄くなってるけど
まだ残ってる傷。
「これ、あたしと関係あるの?
それとも本当に関係ないの?
どうか、本当のこと教えてください!
お願い・・・」
あたしはそう言ってユーちゃんの顔をじっと見た。
しばらくの沈黙の後
「越権行為の代償。」
ユーちゃんがぽつりと言った。
・・・・・・・
何のこと?




