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「ほら、早くいこーぜ!」
「いやです!」
必死で振りほどいたけど
周りを囲まれてしまった。
どうやって逃げよう・・・
3対1は不利だわ・・・
ボコッ!
「いてっ!」
突然、一人の背中に蹴りが入った。
「誰だよ!」
振り向いたら知らない人。
でも・・・ただの人じゃない?
派手な色のスーツ着て
スーツなのになんとなく着崩れてて
首にはネックレス。
おまけに、暗いのにサングラス。
サラリーマンじゃないのは分かった。
あたしにたかってたやつらも
同じことを思ったらしい。
でも、自分たちは3人。
向こうは一人。
「やっちまえ!」
げ?けんか?
まずいことに巻き込まれたくないんだけど・・・
でもなんとなく動けなくて
じっと見てたら
何回殴りに行っても
スーツの人にはかすりもしない。
そのうち、みんな
足引っ掛けられてこかされたり
自分から壁や木に激突したり。
「まだやんの?」
傷がつくどころか
指一本触れられることもなく
静かに言う男。
3人は、
「くそっ!」
って、口惜しそうに逃げていった。
「バカ。いつまで一人でうろついてんだよ。」
背中越しに聞いたその声は・・・・
あまりにもユーちゃんに似てて
まるでユーちゃんに言われてるみたいで
涙が出そうになった。
「ありがとうございました。」
一応お礼をいって
あたしはその場を去ろうとした。
「どこ行くんだよ。」
「え?」
振り向いたあたしに
その人は、サングラスを取った。
!!!
あたしはくるっと後ろを向いて
走り出した。
行き先なんか知らない。
ただそこから遠ざかりたくて。
「まてっ!」
待てますか。
必死で走ってたのに
あたしは後ろから腕をつかまれた。




