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あたしの天使  作者: みほ
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翌日、


雅人さんが帰りに会社の前にいた。


無視すんのも変だから


軽く頭だけ下げて通り過ぎた。


たぶんあたしを待ってたんだろうけど。





「ちょっと待って!」


雅人さんが呼び止める。


「昨日はごめん。俺・・・謝るわ。」


そう言って頭を下げる。


「いや、あたしも悪かったみたいだし・・


誤解されるようなことするなって、


怒られちゃいましたから。」


「え?誰に?」


う、しまった・・・


「あの・・・友達に・・・」





「あんなことしないから


飯、一緒に行かない?」


雅人さんはにっこりして言った。


・・・どうしよう・・・


「あたしなんかでいいんですか?」


「真紀ちゃんとがいいんだよ。」





雅人さんはいい人だ。


あたしでもそう思う。


「友達からでいいから


こうして、一緒にいたいんだ。」


そんな風に言ってくれた。


こんなこという人、初めて会った。





雅人さんはほんとに


ご飯だけ食べて駅まで送ってくれた。


話は楽しかったし


ご飯もおいしかった。


でも、これって、デートじゃない・・・よね。


普通はこれは、ただの、晩ご飯。





部屋に帰ってふと思った。


あたしがこうやって毎日ご飯を食べて帰ったら


ユーちゃんはどうすんのかな・・・


ご飯作らなかったら出てこない?


話したかったな・・・





それから3日続けて


雅人さんは晩ご飯を誘いに来た。


そして、3日続けて


ご飯だけ食べて


あたしたちは駅で別れた。


そして、当然のように


3日続けて


ユーちゃんには会えなかった。





4日目・・・


雅人さんは会社の前にいたけど


あたしはそっと裏から出た。


そして、


スーパーに買い物に行って


中学校の調理実習以来初めて作る


ハンバーグの材料を買って帰った。





「たまねぎをみじん切りすんの?」


切ってると、涙がぽろぽろ。


「うわぁーー、目が痛い・・・」


目を押さえてうずくまる。


「そういう時はちょっと水を振るんだよ。


それからみじん切りはまず横に切ってから


縦に切ると勝手にみじん切りになるの。


覚えとくんだぞ。」


懐かしいユーちゃんの声。


真っ白い服のユーちゃんが


心なしか寂しそうに見えた。


なぜ?





どうにかみじん切りして炒めた。


混ぜ合わせて焼くと出来上がり。


お味噌汁とキャベツの千切りで、


あたしにしては立派な晩ご飯が出来た。


「ユーちゃんも食べる・・・よね?」


やっぱり元気が無い。


「え?出来たの?すげーじゃん。」


「でしょ?


これはまだ作ってなかったから


ポイントゲットできるでしょ?」


「うん。」





「ねぇ、どうしたの?


元気ないね・・・」


「そんなことねーよ。」


いや、やっぱりおかしい・・・


ん?


ユーちゃんの手・・・


お箸を持つ左手の甲に真っ赤な線。


何かが当たった跡?


あたしの視線に気付いたユーちゃんは


白い服の袖をさりげなく引っ張って


その跡を隠した。






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