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ユーちゃんが立ち止まったところは
防波堤側にある公園。
芝生の上で
今まで繋いでた手を離して
ぺたっとその場に座り込んだ。
「俺って、迷惑なことしてんのかなぁ。」
遠い海を見ながら
ユーちゃんはポツンとつぶやいた。
なぜか胸が痛くなる。
あたしがそんな思いをさせている・・・
帰りたいと願ったから・・・
あたしにデートなんて向いてないんだ。
大嫌いだもん。
めんどくさいし
緊張するし
ご飯だってろくに食べられそうにないし
それに・・・
うっかり好きになった人に
ばっさり切り捨てられるのが怖い・・・
あたしも遠い海を見ていた。
ひざ抱えて。
重い心抱えて。
ゴメン。あたしには無理。
練習でもこんななのに
デートなんて絶対無理。
ユーちゃんだって落ち込ませちゃったし・・・
ひざにおでこくっつけて
こぼれそうな涙を押さえつけてた。
そしたら・・・・
ポンポンって頭に手を置いて
「あんた、優しいんだな・・・」
って。
「優しいんじゃなくて
あたし、弱虫なんだよきっと。」
そう言って、ギュッとひざを抱えた。
「まわり見てみな。」
ユーちゃんの声に顔をあげる。
うわっ!!!
あっという間にあたしの顔は真っ赤っか。
周りはカップルばかり。
みんな自分たちの世界に浸ってる。
顔がくっつきそうなほど近くで話してたり
肩を抱かれてうっとりしてる子がいたり
ピンクのオーラがあちこちに。
「無理に何かをしようなんて
誰も思っちゃいないだろ?
デートだからって
こうじゃなきゃダメってのはねーから。
今日はたのしもーぜ。」
そうだね・・・
ユーちゃんとなら
気を遣わなくていいかも♪
「どういう意味だよ・・・」
「気にしないで♪」
そう言ってあたしが笑ったら
「そうそう、それでいいんだよ。
さ、飯食いにいこっか。」
「食べられるの?」
「食べられるよ。何で?」
「天使もトイレに行くの?」
「ボケッ!」
だって気になったんだもん・・・
それに
天使のくせに口、悪いなぁ・・・
「いらっしゃいませー。
お二人様ですね。こちらへどうぞ。」
レストランに行くと
お店の人が案内してくれた。
「ユーちゃんって
他の人にも見えてんのね。」
「今はな。」
「っていうことは
見えなくなることも出来るの?」
「まあな。」
「じゃ、食べた後消えたら
お金払わなくてもいいんだ・・・」
あたしが面白そうに言うと
「あのなぁ、俺はそんなことしねーよ。
だって・・・」
「天使だもんね♪」
って、あたしは笑う。
「あー、からかってんだろ!」
ユーちゃんがデコピンの真似をする。
きゃはははは・・・
きっとこの時
あたし達はどっから見ても
仲良しのカップルに見えたんだろうね。




