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あたし、真希。
普通のOL。
毎日毎日退屈で、代わり映えがしなくって
何やってんだろって毎日。
「あーあ。やっと今日も終わったぁ。」
誰から誘われるでもなく
今日も残業があるわけでもなく
たらたらと後片づけをして
「お先に失礼しまーす。」
コンビニでお弁当買って
部屋に戻る。
誰もいない部屋。
当たり前だけど。
一人暮らしだもん。
「また、コンビニ弁当かよ。
ちったぁ、自分で料理しようって気は
あんたにねーのか?」
いきなり聞こえた声。
誰?
誰かいるの?
「あ、わりー。びっくりした?」
当たり前でしょ。
「あのさぁ、コンビニ弁当って
毎日食ってるとあきねー?」
「ほっといてくれる?
それに、どこにいんのよ。
声しか聞こえないけど。」
そしたらいきなり目の前に
妙なかっこうしたヤツが現れた。
全身真っ白のひらひらした服。
そのくせ頭は茶髪。
「どこから入ってきたのよ。
不法侵入で訴えるよ!」
「ばーか。俺がつかまるわけねーだろ。」
「なんでよ。」
「俺、天使だから。」
ふざけるにもほどがある。
「バカじゃないの?」
「そ、俺、バカヤローなの。
で、誰か助けないと
天使失格になんの。
気にくわねーけどお前助けてやる。」
何なの?この上から目線。
「大きなお世話です!」