ハロウィンの夜
掲載日:2010/10/31
これで準備は整った。
書類を机に置き、俺は立ちあがる。
するといきなり目の前に、妙ちくりんな格好をしたガキが現れた。
なんだお前は。 一体何処から湧いて出た?
「TRICK OR TREAT!」
「はぁ?」
「いたずらかお菓子か!」
「何言ってんだお前、・・・ってか、お前誰? どっから入って来たんだよ」
「おじさん、知らないの? 今日はハロウィンだよ?」
「知らねえよ、俺はな、そんな西洋かぶれのお遊びなんて興味無いんだよ。 とっとと帰れ」
「お菓子をくれなきゃいたずらするよ!」
「菓子なんかねぇよ、悪戯したけりゃするがいいさ、お前なんかに何されたって痛くも痒くも何ともない」
「お菓子、ホントに無いの?」
「ねぇって言ってんだろう! ったく勝手にひとんチに入って来やがって不法侵入で訴えるぞ!」
「そっか・・・ 無いんじゃ仕方ないね。 じゃあ、バイバイ」
「ああ、帰れ帰れ!」
踏み台代わりの椅子を蹴った次の瞬間、俺は床に転がり落ちていた。
梁から下がったロープは、ほんの僅かの繊維を残し、ものの見事に切られていたのだ。
あのガキ、ほんとに悪戯していきやがった。
なんだか馬鹿馬鹿しくなって、俺は机に置いた遺書を破き、ゴミ箱に放り投げた。




