『馬頭観音と速記の立て札のようなもの』
掲載日:2026/10/17
あるお寺に、石碑が建っていました。馬頭観世音と書かれていて、何とかいう高名なお坊さんが筆をとってくれたもので、大変立派な字でした。その隣に、旅の速記者が、墓場に捨ててあった卒塔婆の古い板に、速記で馬頭観世音と書いたやつを勝手に立てました。村の人たちは、馬頭観世音がどういう仏様だかよくわからず、漢字も読めず、まして速記文字が読めるわけもないので、何だかありがたいねえ、などと言いながら、とりあえず手を合わせて拝むのでした。馬頭観音様のほうも、誰と誰が村人だかよくわからないまま、何となく御利益を授けるのでした。
教訓:高名なお坊さんの名前を忘れてしまう時点で、村の体質がわかる。




