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9話 大切な友達

朝、学校に着くとレアちゃんがモデルのように堂々と机に座っていた。

そして、そのままトイレに連れてかれた。

トイレまでの道のりはかなり短く、すぐに着いた。

彼女の表情はワクワクしているような緊張しているようなどっちかずな態度だった。

すると、レアちゃんが口を開いた。


「あのね、私好きな人できたんだよね。杏ちゃんとは仲良いから1番最初に言おうと思ってたんだよね。あと杏ちゃんも最初の方に私に好きな人教えてくれたし。

⋯⋯同じクラスの清水が好きなんだよね、」


「え、?清水」


清水涼太。

騒ぎ立てる無能な中学生。

と言うほど嫌ってはいないが良いイメージは無い。

意外だ。


「次の席替えで同じ班にしてほしいことを頼んだら?真央ちゃんに」


ゆっくり過ぎるレアちゃんとの会話。

朝学活まであと何分かは特に気にしていない。


「そうだよね!真央にお願いしたら同じ班になれるよね、」


少し心許ないレアちゃんの声。


「お願いして同じ班になって、清水に好きバレをされ、振られる。それほど嫌なことはないな⋯

杏ちゃんって新川にいつ告るの?」


「⋯⋯⋯告白かぁ、」


私は戸惑った。今まで告白のことは考えていない。

いつかはしないといけない。

新川の良さに気づく人がさらに増える前に⋯⋯


「レアちゃんが清水と付き合ったら告ろうかな笑」


「じゃあ一生無理じゃんか笑」


私達は微笑しながら人生のような長い廊下を歩き、教室に入っていった。



---



昼休みになり、館林にとあることをきいた。

それは、ダンスの時どういう私を見て新川のことが好きかわかったのか。


「ククク、ワッハッハ!だって杏ちゃん、前まで新川にベタベタしてなかったのに職場体験挟んでからめっちゃベタベタし始めたから、可笑しいなって思ったんだよ。しかもさぁ、その時めっちゃ笑顔だったし」


館林は頬を釣り上げて笑い、教室の小さな角にポツンと立っている胡桃の方へ去っていった。

私も職場体験前はダンスの時あんま話なかったと改めて感じた。


そして、私は反対側の角で楽しそうに話しているレアちゃんと清水を見てニヤけてしまった。


私の日常が変わったあの職場体験から、世界はいつもと変わらず動き続けているように感じた。

が、少しの変化はあることを確信し、窓から見える深い蒼色の空を見つめた。

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