8話 新川と噂
佳奈ちゃんと一緒に帰った翌週、学校へ向かった。
すると、クラスメイトの名取花俊が後ろからやって来た。彼とはよく漫画やアニメの話をするほどの仲である。
「杏ちゃんって新川のこと好きなの?」
私は本当のことを答えていいのか迷った。
だが、ここで変に誤魔化しても後でバレる。
「そうだよ?ちなみにそれって誰情報?」
「ホッシー(星沢)が館林がそう言ってたって。
新川⋯⋯w意外だな」
「なんでだよ?」
「いや⋯⋯新川だよ??w」
私は少しピリついたが我慢した。
むしろみんなに新川の良さを知られていないことを幸運に思った。
「新川って良い人だから!」
クラスメイトで私だけが知っている新川。
取られたくない。
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教室に入ると2組の笹井優と職場体験の時の久保さん廊下で話していた。
笹井は幼稚園が同じで小学校では親の転勤でアメリカに引っ越し、小6では日本に帰り同じ小学校で同じクラスだったFTMの子だ。中学生になり、この子がFTMということもあったのでいじめを心配してたが学年トップレベルの頭の良さ、コミュニケーション能力を持っているので悪い噂は聞いたことがない。寧ろ良い噂ばかりだ。
「杏ちゃんって新川のこと好きなん?」
この話題はもう他クラスにも広がっているらしい。
新川にバレるのは時間の問題だ。
「えぇ、違うよー」
この子は口が軽く、本人に直接言ってしまいそうなので嘘をついたが
「その反応は本当だな。へっへっへ」
「あーそうだよ。合ってるよ」
すると、隣にいた久保さんが
「ごめんね!職場体験の最後の日、変わってあげれば良かった」
「私がそのこと事前に言わなかったし大丈夫w」
これをきっかけに久保さんとよく話すようになったのだ。
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帰り、新川と赤木結衣(男の子だよ)が一緒に帰っているところを見た。2人は一緒の駅なので途中で別れてから私と新川が一緒に帰れるということはない。
私は大抵1人で帰っているが新川が他の人と帰っているのを見ると少し寂しいと思いながら1人で帰った。
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家に帰り、勉強をした。
もうすぐ中間テストだからだ。
ご飯を食べ、風呂に入り、上がってからスマホを見た。
すると、レアちゃんからラインが来ていた。
「明日の朝話したいことあるけどいい?」
何事かと思ったが、私は承諾した。
そして、また私は勉強をしなければいけないことを思い出した。




