5話 新川と職場体験2日目
2日目の朝、 また新川に会えることがとても嬉しかった。そして昨日より5分早く出た。新川が1 日目と同様名札を付け忘れ、私が付けてあげられたらいいのになぁ〜と思いながら歌舞伎座に向
っているといつの間にか着いた。もちろん1番だった。
数分後、新川が到着した。名札は付けていた。まだ時間はたっぷりあったので新川は昨日と同じよ うに帰ろうとして、私は止めた。色々茶番をしてからまたしりとりをすることになった。2人だけの 空間がいつまでも続けばいいのにと思っていた。
---
しりとり開始から8分ほど経った時、森が到着した。そして3人でしりとりをしていると続々とやっていき、どんどん盛り上がった。が、私は新川以外の5人は要らないと感じていた。だから他の5人のことに関しては特に興味はなかった。友達としても。
そして、山崎さんがやってきた。
「昨日撮った写真プリントアウトしてきたんでどうぞ〜!」
するとその写真を1人ひとりに配っていった。こうして見ると私の背の小ささが一目で分かることは置いといて、新川がかっこよく見える。この時は皆マスクを着用していたがやはり彼がカッコよく見える、、、、
別に私は面食いではない。それは本当に。ただコミュニケーションが高くて一緒にいると楽しくて自然体でガッシリとした体つきで背が高くて笑顔がカッコよく、可愛くて好き、、、♡
まだ知り合ってそんなに年月が経っていないのに。
そんなことはさておき、最初は昨日と同じ場所の食事処だが端っこの場所に着き、荷物を置いた。すると山崎さんが手作り満載の手を突っ込んでクジをひくものを持ってきた。
「本日は2人がお土産販売コーナーの木挽町、4人がここの食事処で働いてもらいます!各自の場所はこのクジで決めてもらいたいと思います!!」
「俺お土産販売コーナーがいいなー」
新川はそう言って、続いて松田も話にこの参戦した。
「俺も俺も〜〜」
とても楽しそうな様子だ。
お土産販売コーナーの木挽町は私もそこが良いと思っていた。なぜなら昨日見た時、魅力的な品揃えに心を惹かれていたからである。
そして、1人ずつ時計回りにクジを引いていった。久保さんと松田が木挽場、
私と新川、森、田辺さんが食事処となった。
新川と同じ場所ということに感謝。
食事処で働いている大人達が大勢いた。すると1人の男性、中野さんという方が大きな声で周りをまとめた。
「本日は中学2年生の方が職場体験できています。ここ(食事処)では今日だけですがやり方などを教えていってあげて下さい!!」
「ハイ!!!!」
周りにいる大人達が元気よく答えた。
「ではまず自己紹介からです。」
中野さんはそう言い、互いの自己紹介を済ませた。
私達、中学生の仕事内容は
・床掃除
・机のアルコール除菌
・箸、皿、料理を並べる
をお客さんが来店するまでにやり遂げるということだ。
そして特にトラブルなく私は皿並べの仕事を進めていると新川が私に話しかけてきた。
「黒川、皿の柄の向きお客さんに見えるようにしろ」
「そうだね!ありがとう!」
このとき、初めて新川が私のことを呼んでくれた。口調は多少強かったが来店したお客さんのこと、見栄えを気にする几帳面さに心を惹かれた。
私は皿を柄の向きに注意しながら並べることに手間取り、3人よりも終わるのが少し遅かった。そして全て並べ終えたとき新川が私の衛生キャップを無言でつまみ上げてとった。この様子を見た人は確か誰もいなかったはず。私の心臓の音がよく聞こえた。
特に意識せずにする急な行動に心臓がしにそうになった。
---
昼休憩の時間だ。
久保さんと松田に再開した。
2人の様子はとても疲れ切っている。
話を聞くと忙しく、戸惑いレジが大行列になり、クレームを入れてくる人が居たそうだ。
中学生の職場体験だというのに容赦がないな、大人。
しかし、幸いなことに木挽町で人形焼を3袋貰い"皆で食べてください"だそうだ。なんと普通に買うと2,000円ほどするらしい。これは食後のデザートだ。ワクワク
弁当を食べる時、特に印象的だったことは新川の弁当は手作りということ。料理ができる男子、かっこいい。
また、松田の弁当は親に頼むのを忘れてセブンイレブンで買ったということ。
そして1番印象的なこと、それは森の弁当が
「鰻重!?!?」
前日の久保さんの予想が当たっていたのである。もしくは久保さんに言われたから鰻重にしたのか、、どちらかはわからないが弁当に鰻重はお坊ちゃんすぎる。
---
皆がお弁当を食べ終わった後に貰った人形焼を食べた。甘さとほどよい粒感が絶妙で、口の中でとろける感じがたまらない!一口食べると止まらなくなってしまう。
6人均等な数を食べた。久保さんと松田は沢山働いたんだからもっと食べていいのにと少しだけ思いながら 美味しく頂いた。
---
休憩時間が終わると他の場所に移動することになった。1階の名前はよく思い出せないがお酒やジュースなどを売っている売店。そこに私と新川は連れてかれた。そこには大学生のアルバイトだという1人の男性もいた。この3人で販売することとなった。
お客さんは数分に1回来るかどうか、ここの店ではいつものことらしい。無言の時間が続くと思った時、新川が大学生の人に話しかけた。
「どうしてこのバイトをしようと思ったんですか?」
「大学生でお金がないから(半年くらい前に)バイトの募集で見つけて入ったんだよ〜」
「お金欲しいな〜笑俺たち職場体験なので金貰えないんですよ〜笑」
「最近他のバイトもやりたいなーって思ってるんだよね〜笑」
「そしたら清掃員はどうですか?他の仕事よりも若干給料良いから」
「よくそんなこと知ってるね笑」
「前調べた笑」
「確かに清掃員いいね、、いいね、、、、サボっててもバレないし笑」
私も時々相槌を打ちながら会話に入った。
こういう何気ない会話をしているとお客さんがやって来て飲み物を注文する。お酒、会計は大学生の方が全て行うがそれ以外のものは私と新川が行う。
私が紙コップをとる▶︎新川に渡して彼が飲み物を注ぎ、お客さんに渡す
一見新川1人でも良さそうな作業だ。きっと大学生のアルバイト1人と職場体験の中学生1人だと作業が心配なのか、、それとも私の新川への感情がバレていたのか、、、?いやそれはないか。
私が自分から"話す話題考えなきゃ"と考え、気まづい沈黙が流れる前に新川は話の話題を振る。私もこういう才能があったらいいのにな、、、憧れという感情と好きという感情のようなものが私の心にある。
---
職場体験2日目が終わり、私は久保さんと田辺さんと共に木挽町広場の飴細工や大福を買った。森と松田はどこで何を買ったのかは知らない。
---
家に帰り、私は山崎さんから頂いた写真を勉強机に立てかけた。
次回 職場体験最終日




