1話 新川と職場体験
中学2年女子、黒川杏。
部活は何も入部していない。
それは私が生まれた時から先天性の指の疾患と側弯症を患っている影響で運動があまり出来ないということ少しは関係している。
小学校の時まで自分の障害が特に気にならなかった。
だが、中学になって自分がみんなよりも劣っている存在だと自覚した。
と語るほど堅苦しい物語ではない。
勉強はまあまあ出来る方だ。成績はいつも4か5しかない。体育はテストの点数良ければ運動できなくても4はつく。
そして、私は中学2年の5月、側弯症の手術で2週間ほど入院した。
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私は退院して学校へ行くと丁度この日は職場体験先のアンケートを行う日である。
それは職場先のジャンルを第3希望まで選び、希望があれば職場先の名前(表に書いてある)を書くというものだ。職場体験は2年生全員が行い、1つの職場先につき2人から6人だ。
私は絶対歌舞伎座が良いと前から思っていた。
なぜなら幼稚園や図書館より大物に会えるかもしれないし、裏側を知れて楽しそうだからだ。
そして、私は第1希望に
"歌舞伎座"
と書いた。
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1週間後、職場体験先が発表された。
担任の先生が1人ひとりに紙を配った。
意外と本格的すぎて笑ってしまった。
"黒川杏 あなたの職場体験先は"歌舞伎座サービス"です。3日間しっかりと働いてください。"
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この日の昼休み、クラスメイトの新川と担任の齋藤先生が話しているところを偶然見てしまう。
「なんで俺が歌舞伎座なんですかァァーー」
「いいじゃないの。中々行けないところなんだよ?」
「俺回転寿司屋で寿司の賄い食べたかったのにィィー」
げっ、まじか⋯。
こんな奴と同じ職場体験先かよ⋯。
と思ったけど口には出さなかった。
そもそも新川とは話したことないがな。
新川は陽キャの中の中の陽キャ。
授業中はうるさくとても目立っている。
私が 最初に彼を認識したのは4月の始め、ラジオ体操のテストの時だ。
彼は体育委員で前に立って体操するためみんなとは左右反対でやらなくてはいけない。それが染み付いたのかラジオ体操のテスト、本番では1人だけ背中を向けて体操していた。
きっとあの時からクラスの皆が彼の存在をより意識するようになっただろう。私もそのうちの1人だからである。
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2週間後、同じ職場体験先の人達との交流会があった。
同じクラスの新川と松田。松田は行事関係の日くらいしか来ない。1年の時も同じクラスだった。
2組の久保さんと田辺さん。この2人は幼稚園からの幼馴染らしい。
5組の森。
そして私の計6名。
⋯⋯交流会なのに話すことがない。
と私は思っていると、私が見てない間に松田と新川が追いかけっこをし始めた。
新川がわざと派手に転んだ。なんか柔道選手の転び方みたいで面白いなぁと思った。
そのこともあり、新川が場を少し盛り上げてくれた。
すると新川が皆に質問を振った。
「みんな何部なん?ちなみに俺は帰宅部!」
「私も帰宅部w同じだ」
「俺も帰宅部ww」
「僕もw」
新川、私、松田、森の4人が帰宅部ということに驚いた。
また、久保さんと田辺さんはというと
「帰宅部多すぎるだろwウチは家庭科部」
「私も美玲ちゃん⋯久保さんと同じ家庭科部です。」
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さらに2週間後、体育でダンスのグループ活動があった。
男子約5人女子約4人で先生が適当に決めたグループ。
メンバーは男子が新川、松田、上野、白戸、天宮。女子が私、舘林、三谷、橋本。
とりあえずメンバーの名前をワークシートに記入する。
無言の時間が続いたが新川が皆に向かって話し始めた。
「えっと、お前らの名前なんだっけ、、」
「はー??新川、、、、同じクラスじゃん。名前もわかんねえの?ウチは館林夏海」
「私は三谷胡桃」
「私は橋本佳苗」
「私は黒川杏」
「俺は上野悠真」
「僕は白戸誠」
「俺は言わなくてもわかるよね?ちなみに天宮早達」
「俺は松田薫。わかるだろ?」
「おけおけ。ありがと。天ちゃんは分かってたw」
私はメンバー的に少し楽しそうだなと思った。
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その日、駅で新川と会った。彼がクラスラインに入ってないことを思い出した。
「新川〜。新川ってラインやってる?」
「やってるよ」
「じゃあ繋ごー!職場体験もダンスのも同じだし。あと今私、ラインのQR持ってるから」
「あー、、俺スマホ1年くらい前におじいちゃんおばあちゃんの家行ったときから無くしたんだよ。だから繋げられない」
「そっかwわかったww」
ちなみに私はいつもQRを3枚ほど持ち歩いてる。学校はスマホNGなので。
こうして、私はクラスメイトである新川と出会ったのである。
更新はできれば毎日したいけど2日に1回できるかできないかくらいかもしれません。




