『なろう仙人』から『パリピ仙人』へ……。シサマよ、キサマはどうしてこうなった?
皆様今晩は! シサマという者です。
……いや、お久しぶりと言った方がいいのかも知れませんね。
何しろ私が前回エッセイを書いたのは1月7日で、実に1ヶ月半もエッセイジャンルと無縁な日々を送っておりました。
しかもその間、同じくらい精力的に作品を投稿していた詩のジャンルも1作品しか投稿せず、私は創作活動を小説の新連載1本に絞っていたのです。
現時点で既に41000文字を投稿している新作小説のタイトルは、『バンドー・ワールドワイドー 〜賞金稼ぎの鍛錬日記〜 』。
この作品は、ガチで知る人ぞのみ知る私の代表作、『バンドー』の番外編的位置づけであり、本編の最終回で省略されている、およそ4ヶ月に渡る主人公達の鍛錬期間のエピソードを綴った物語でした。
……しかしながら皆様、この紹介文を読んで、『バンドー・ワールドワイドー』を読んでみたくなりましたでしょうか?
なりませんよね(笑)。
まず、『バンドー』という作品自体に知名度や高い評価はありません(2023年4月に完結し、現時点でおよそ440ポイント、90ブックマーク)。
加えて本作は純粋な続編ではなく、単に作品の流れやコンセプトから描けなかったエピソードを数万文字で形にする、『金曜ロードショー・ルパン三世2時間スペシャル』的な存在意義。
更に、本作は『バンドー』本編を読了していないと100%楽しむ事は出来ない仕組みになっており、とどめに『バンドー』本編は1話あたり平均16000文字の圧倒的俺ジナルな読み応えで、合計1370000文字(笑)。
Web小説サイトでこれだけのハンデを背負いつつ、『バンドー』本編のオマケとして後ろに挿入するのではなく、完全に独立した新作としての発表。
これはもうシサマが、ポイントやランキングという『俗世』を捨て、ただただ自分の好きにやりたい、自分の代表作に後悔を残さず完全燃焼出来ればそれでいいという、『なろう仙人』になる事を意味しているのです!
さて、そんな『なろう仙人』の私ですので、一応この場をお借りして宣伝をさせていただきましたが、『バンドー・ワールドワイドー』はポイントやブックマーク、ランキング対策の努力はしていません。
いや、勿論数字がつけば嬉しいですし、1回くらいは相互ユーザー樣以外にも宣伝したいからしたのですが、代表作『バンドー』も200000文字書くまでは総合8ポイントでしたし(笑)、PVも1週間のうち5日はゼロでしたからね。
何だかんだと、『バンドー・ワールドワイドー』にはブックマークが2つ付き、総合4ポイントながら過疎化が深刻なアクションジャンルでは日間ランキングに2回入ってしまいます(笑)。やったぜ!
反応がない事で寂しくなったり、虚しい気持ちになる事がないとは言いません。
ただ、そんな気持ちになるのはせいぜい投稿当日と次の日までで、また執筆が始まると、100%自分好みの新しい物語を生み出す喜びで楽しくなるのでした。
ただ、ひとつ誤解してはいけない事があります。
それはポイントやランキングという『俗世』で頑張る人が沢山いるからこそ、私の様な作家が『仙人』になる事が許されるという真実です。
小説投稿サイトにアクセスがあるのは、多くの人が読みたいと思う作品があるから。
古いブルースマンの作品が発掘されてCDになるのは、マイケ○・ジャクソンとかメタ○カとかの莫大な収益があるから。
しかし私は、古いブルースマンの作品が好きです。
だからいつか発掘されるまで、埋もれている事を不満には感じません。
自分の「好き」に正直な作品を書いていれば喜びを感じる、そんなメンタルと人生観、そして生活環境を、50年近い人生をかけて自分の力で作ってきたのですからね。
ではここからが、本エッセイの本題となります。
なろうでは文芸活動しかアピール出来ていない私ですが、どちらかと言うとアマチュア作家より、アマチュアミュージシャンとしてのキャリアの方が長いです。
中学生の頃に吹奏楽部でドラムを始め、ドラムだけでは女の子にモテないと痛感するや否やエレキベース、エレキギター、シーケンサープログラミングで作詞作曲編曲に挑み、カラオケで鍛えたボーカルとブルースハープを加えてCDアルバムを作った事もありました。
……結局の所、音楽オタクまっしぐらで、バンド活動をしてもモテモテにはなりませんでしたが、いい曲を書いた時だけモテましたね(笑)←実力主義の世界へようこそ。
一方で私には、ドラムと同時に兄貴の影響で始めたアコースティックギターに挫折し、弦が押さえやすく、かつ歪んだ音でニュアンスをごまかせるエレキギターに逃げてしまった過去がありました。
そろそろアコギが弾ける、渋いオヤジになりたい……。
そう考えていた私は某サウンドハウスの広告で見た安いアコギに一目惚れし、職場で左足を捻挫してショボくれた反動からポチり買いしたのです。
幸いにもお値段以上に優れた個体に恵まれた私は、エレキギターでマスターしていた『Fコード』などの押さえ方も活用し、アコギ再挑戦に自信を持つ事に成功。
次は練習のサポートに使うリズムマシンを購入しようと考えました。
とは言うものの、ただカチカチ音がするだけのメトロノームでは味気ない。
折角ドラムとシーケンサープログラミングの経験があるのだから、安価で幅広く使えるドラムマシンを1台購入しよう……。
今思えば、この選択がいけなかったのでしょうね。
やって来たドラムマシンは、ドイツ・ベリンガー社の『RD−6』。
ベリンガー社は中国に工場を持ち、往年の名機のコピー商品をはじめ、人件費や材質的なコストダウンで機材の低価格を実現しているメーカーです。
『RD−6』は、1981年に発売された日本の楽器メーカー、ローランド社のドラムマシン『TR−606』のコピー商品。
『TR−606』は発売当初にパンク〜ニューウェーブ系のアーティストに使用されましたが、世界的には余り評価されず、後にテクノやヒップホップのジャンルでブレイクし、製造中止になってから高価で取引される様になっていました。
安価なコピー商品の多いベリンガー社の姿勢には賛否両論あるものの、80年代の音楽が好きで、今更プロを目指すつもりもない私にとって、この何処かチープな味があって懐かしい音をハードで所有出来る事は魅力的。
現在はローランド社が往年の名機をリニューアルしたため、『RD−6』は生産を終了、僅かな在庫のバーゲン品を私がゲットしたのです。
『RD−6』は最新型のデジタル機器との接続が可能ですが、元々は1981年発売のアナログドラムマシンのコピー商品。
アナログ機器であるが故に暑さや寒さに弱く、冬の北海道の朝イチだと、起動させて15分くらいしてから本気を出してくれます(笑)。
お前、本当にマシンなのかよ?
中にオヤジが入っているんじゃないのか?
また、回路や手順が40年前のままであるため、1曲の全パターンを作るのはひと苦労。
しかしながら、4小節の基本パターンは音を聴きながら簡単にプログラミング出来るので、アコギの奏法に合わせたリズムパターンがすぐに完成しました。
いや〜これは楽しいわ!
ピコピコポクポクするサウンドを聴いているだけでも想像力が刺激され、物語で悪党が暗躍する場面などが浮かんできますね。
更にテンポを上げると、バトルシーンや追跡シーンが次々に浮かび、ドラム音が音楽以外の創作活動にも役立ちますよ。
小説投稿のペースも『仙人』級になりましたから、これからはアコギの練習を我慢してまで更新を優先させなくてもいい……。
そう考えると、私の趣味生活は順風満帆に思えました。
ネットで、ドラムマシン『RD−6』の使い方を詳しく調べるまでは……。
ネットで『RD−6』を検索していると、どうやらローランド社が『TR−606』を発売した同時期に、ドラムマシンの相方となるベースシンセを発売していた事が明らかになりました。
そしてその相方であるベースシンセ『TB−303』のコピー商品が、またしてもベリンガー社から発売されていたのです(笑)!
更に話がややこしくなりますが、『TB−303』のコピー商品であるベリンガー社の『TD−3』も近頃生産が終了し、在庫のみのバーゲン価格で存在していました。
私はドラマーであり、ベーシストでもあり、プログラミングも出来ます。
しかしながら今、私が練習しようとしている楽器はあくまでもアコギ……。
ドラムマシンがあるなら、相方のベースシンセも手に入れて、よりゴージャスな練習環境を整えるべきではないか?
いやしかし、ベースシンセは今の私に必要不可欠なものではないし、ここまでアコギとドラムマシンで26800円も散財しているのだぞ?
くっ……オラ、どうすればいいだ……!?
悩みに悩んだある日、私は某Amazon通販サイトにて、衝撃のページを見つけてしまいます。
★ベリンガーベースシンセ『TD−3』、価格13000円→8340円
残り1点 ご注文はお早めに
あああぁぁっ……!!
夜空に轟くポチり音。
千載一遇のチャンスとはいえ、私は年度末を控えて痛い出費を重ねてしまいました……。
ところでポチり音→ポチリオンって語感がいいですね。
エルフの仲間とかに命名したい(笑)。
そんなこんなで、自宅にはアコギとドラムマシン、更にベースシンセがやって来ました。
アコギとドラムマシンだけなら、ごく普通にリズムトレーニングが出来るのですが、ベースシンセはまだプログラミングをマスターしておりません。
従って、プリセットされたパターンをドラムマシンと同期させて流すのが手軽な楽しみ方なのですが、そのサウンドは素晴らしく強烈。
ひと言で表現すれば、最近の『イエローハット』のCMの様なサウンドですね(笑)。
アナログ機器ですから、デジタル機器にある音域制限がなく、ツマミをぐりぐり弄るだけでめっちゃエグい効き目です! ベースがミョンミョンします!
この音、もうアコギどころちゃいますやん!
……渋いオヤジになるためにアコギ再挑戦を誓った私の部屋は、けたたましいグルーヴスタジオに豹変。
これからは年甲斐もなく、黒いぴちTとベースボールキャップでキメて、奇声で観客を煽りながらステージでツマミをぐりぐり弄る『パリピ仙人』になろうと思います!