いただきものとSS
たれ耳令嬢に沢山のイラストをいただきました(*´꒳`*)
とっても嬉しかったので、イラストにSSを付けたギャラリー集です♪
〈表紙イラスト〉
イラスト/倉河みおり様
【婚約者はお膝の上で……】
「ソフィー、仲のいい婚約者はお膝の上で過ごすんだよ」
「っ、えっと、そうなの……?」
「うん、そうだよ」
アレックス様の顔が近くて、恥ずかしくて、顔を隠そうと思ったら、手を繋がれてしまった。
「ソフィー、顔を隠したらだめだよ」
ぷるぷるたれ耳が震えて、顔に熱が集まった。
(おしまい)
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イラスト/倉河みおり様
【癒してくれる?】
「ソフィー、癒してもらえる?」
「うん、もちろん!」
「はあ、ソフィーのたれ耳は、気持ちいいね……」
アレックス様がたれ耳に頬擦りを繰り返す。
くすぐったくて、そわそわするけど、アレックス様の癒しになりたくて、動かないように気をつける。
「すぅ……はあ……すぅ、はあ……」
「っ、んっ、……ぁ、っ、やぁ……っ」
アレックス様の頬擦りと撫でる指先がたれ耳をくすぐる。
変な声が漏れるのが恥ずかしくて、アレックス様の洋服をぎゅっと掴んだ。
「ソフィー、こっち向いて」
甘い声に誘われて顔を上げると、アレックス様に見つめれていた。
「はあ、癒される」
わたしは、アレックス様から甘いキスのご褒美をもらった。
(おしまい)
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イラスト/倉河みおり様
【お父さま、教えて!】
「ガオー! ガオー!」
「わあ、イーサン格好いいね!」
僕はイーサン。
虎獣人だから強くて格好いいんだ。
格好いいガオーポーズをお母さまに見せていたら、頭をくしゃくしゃ撫でられた。
「お父さま! お帰りなさい」
「アレク、お帰りなさい」
「ただいま、ソフィー、イーサン」
お父さまが帰ってきた。嬉しくて尻尾をタシタシ振ってしまう。
「お父さま、魔術おしえて!」
「いいよ、イーサン」
「やったー! 今からおしえて!!」
お父さまが笑って、また頭をくしゃりと撫でてくれる。
「明日はお休みだから、朝早くに起きたらいっぱい教えてあげるよ」
「本当?!」
「うん、本当だよ」
「ぼく、もう寝る! お父さま、お母さま、お休みなさい」
お父さまとお母さまにお休みのキスをもらって部屋に戻った。
夜の7時だけど、眠れるよね?
(おしまい)
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イラスト/茂木 多弥様
【消毒】
「ソフィー、どうしたの?」
「目にゴミが入って……」
ソフィアが目を擦るのを慌てて止める。
「見せてごらん」
頬に手を添えて上を向かせる。そっとまぶたをひらいて、瞳を傷つけないように優しく取り除く。
「取れたよ」
「アレク様、ありがとう」
瞬きをする仕草が愛らしくて、目尻にキスを落とす。こぼしれた涙を舐めた。
「っ! あ、アレクさ、ま……?」
消毒だと伝えれば、素直なソフィアは赤くなりながら目をとじる。甘い涙を綺麗に吸い取り、濡れた頬は丁寧に舐めていく。
「アレク様、ありがとうございます」
「どういたしまして」
かわいい婚約者は、今日もとてもかわいい。
(おしまい)
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イラスト/一本梅のの様
【かわいいね】
ソフィア「(イーサンが)笑っててかわいいっ!」
アレックス「(ソフィアが)笑っていてかわいいね」
ソフィア「(イーサンが)目がにっこりしててかわいいっ!」
アレックス「(ソフィアが)目がにっこりしていてかわいいね」
ソフィア「(イーサンが)手を振っててすごいね」
アレックス「(ソフィアが)手を振っててかわいいね」
ソフィア「(イーサンの)歯が見えるよ! かわいい!」
アレックス「(ソフィアの)歯が見えるね。歯もかわいいね」
ソフィア「アレクが子どもが大好きで嬉しい」
アレックス「(ソフィアが大好きな)イーサンは大切だからね」
アレックスは、ソフィアのたれ耳に甘いキスを落とした。
(おしまい)
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イラスト/サカキショーゴ様
【うさぎのバニーちゃん】
「これが東の国で流行っているの……?」
プッサン商会から東の国では、うさ耳を付けて、編みタイツを履く格好が人気だと説明を受けた。
アレックス様がいない間にこっそり身につけてみる。
露出が多くて恥ずかしい……。
これはアレックス様に見せられないから、しまっておこうと思った瞬間、扉がひらいた。
「ソフィー……!」
「きゃっ、あっ、いや、見ちゃだめ……!」
慌てすぎて、ぺたんと床に座り込んでしまった。
どうしよう、どうしよう、はしたないと呆れられてしまっている。羞恥で真っ赤に染まる顔も、バニー姿も、隠したくて。
「あ、あれく、めっ……見ちゃ、めっ……」
「それは無理だよ、よく見せて」
にっこり笑ったアレックス様に、夫婦の寝室でたっぷり見せることになってしまった。
(おしまい)
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イラスト/サカキショーゴ様
【くノ一の合格証】※もしもソフィアがくノ一だったなら
「この城にいる当主アレックス様の枕元にある合格証を気付かれずに取って来れたら、くノ一になれるわ!」
「みんなで合格できるように頑張りましょうね!」
羊獣人のエミリーとりす獣人のクロエ、それに虎獣人のアンナとくノ一になる為に厳しい修行をしてきた。
きっとみんなで合格できるわ!
「やったわ!」
最初に行ったアンナが合格証を手に戻ってきた。
「やったわ!」
二番手のエミリーも笑顔で合格証を持ってきた。
「やったわ!」
三番手のクロエも合格証を手にしている。
いよいよ、私の番ね! たれ耳がぷるぷるするのを気合いで抑える。
「わたしも絶対合格するわ!」
「ソフィア、私たちはどんなことがあっても友達よ」
「ソフィア、これ辛くなったら飲むのよ」
「ソフィア、私たちの友情は永遠よ」
高麗人参ドリンクを懐にしまい、三人と挨拶を交わす。
アレックス様の寝室に潜入成功するものの、合格証が枕元に見つからない。
「ソフィア、ごめんね。くノ一は、もう定員になってしまったんだ」
「えっ、じゃあ、わたしだけ不合格……」
たれ耳がぷるぷる震えて、涙が込み上げる。当主のアレックス様が優しくたれ耳を撫でてくれて、慰めてくれる。
「ぐす、くすん……せっかく修行したのに、っ、くすん」
「ひとつだけ空いている仕事があるんだけど……」
「本当ですか?! わたし、それをしたいです!」
「うん、お願いするよ。じゃあ、まずこれを飲んで?」
いつの間にか落としていた高麗人参ドリンクを手渡される。
「はいっ!」
「はあ、本当にかわいい……」
その夜、じっくりお仕事の内容を手取り足取り教わり、翌朝になると当主様の奥方になっていた。
(おしまい)
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イラスト/汐の音さま
【アラビアンカフェ】※虎のなわばりの後のおはなし
「うさぎの妖精ソフィアぴょん! お帰りなさいぴょん」
伝令魔術を飛ばしておいたら、アラビアンなソフィアが迎えてくれた。はあ、癒される。抱きしめて、たれ耳に頬ずりをする。はあ、癒される。
「く、くすぐったいぴょん」
「うん、ごめんね。妖精さん、癒して」
「わかったぴょん。えっと、あの……」
もじもじするソフィアが愛おしくて癒される。
「ほら、なんて言うの?」
「ご、ご主人さま、今日のおすすめは、妖精のうさぎ吸いぴょん……」
「うん、いいね。おすすめを朝までお願い」
「えっ、あの、アレク、ご飯は? えっ、あっ、あれ?」
慌てる妖精さんをお姫様抱っこで捕まえる。首にしがみつく妖精うさぎにキスを与えれば、くたりと身体の力が抜けていく。
うさぎ吸いをたっぷりするために、寝室の扉をあけた。
(おしまい)
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イラスト/遥彼方さま
【卒業パーティーのあとは】※卒業パーティーの求婚のあと
「ソフィア・コリーニョ伯爵令嬢、私と結婚していただけませんか?」
「はい――…」
ひざまずいたアレックス様に恭しく手を差し伸べられる。
とろけるような甘いまなざしにたれ耳がぷるぷる震える。わたしの嬉しくて震えている手をアレックス様の大きな手に重ねると拍手が沸き起こった。
射貫くような瞳は、拍手の中でも変わらないまま。
「ソフィー、愛してる」
みんなには聞こえていない。
だけど、わたしの耳には甘い言葉は届いて、手の甲に優しい口付けを落とされた。
アレックス様は立ち上がると、私の膝裏に手を入れて抱き上げる。
びっくりして瞬きをしている内に、目の前の景色が変わった。
「アレク様、ここは?」
「ポミエス学園の屋上だよ。ソフィーに最後に見せたかったんだ」
満点の星空が見守る中、わたしとアレックス様は仲直りのキスを交わした。
(おしまい)
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イラスト/夏まつり様
【大好きの音】
「アレックスさま、この問題できたよ!」
「どれどれ、本当だね。ソフィアががんばったからだね」
「うんっ!」
アレックス様は、いつもいっぱい褒めてくれて、頭をやさしく撫でてくれる。たれ耳をいっぱい撫でられると、胸がほかほかしてきて、胸の奥がきゅーんっていっぱい鳴いちゃう。
お腹の音だと思われたら恥ずかしくて、両手で胸をぎゅっと押さえた。
「どうしたの?」
「あのね、撫でてもらうと、胸がきゅーんって鳴ってて、お腹の音だと思われたら恥ずかしくて、聞こえないように押さえてるよ」
「変じゃないよ、聞きたいな」
「本当? 変じゃないの?」
アレックス様がやさしく笑ってくれたから、また胸がきゅーんって鳴いた。
「アレックス様、胸の音聞こえた……?」
「うん。ソフィアは、すっごくかわいいね」
アレックス様の言葉に、たれ耳も胸の奥もまた震えた。
(おしまい)