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三日前に戻る、但し悪人全員塩の柱

 ユートピア


 下級天使や御使いの一行は、次の要請場所、大国と小国との戦争で、防衛の兵を雑多な者で数千人しか用意できなかった砦を、三万の大軍で蹂躙しようとした案件。


 モンゴル軍が西夏の砦を襲った後のように、男の格好をしていた女の子が、悪霊シュトヘルになってモンゴル兵を殺しまくるような状況になったかも知れない。


 これから解決するので、ジプシーの女性に薬草の作り方を教わっていたシスターが、ジプシーの集落ごと皆殺しにされた仕返しに、東方にいるとされるプリビュテルヨハネスである、チンギスハーンの軍団を数十年かけて導いて、ドイツポーランド騎士団が撃破された後の死体の山に「見たかーーー!」と叫んだりしない。(課題図書)


 ペガサスが転移門を開いて天使も展開し、状況を説明する。


「次はこちらになります、もう三日ほど経過しておりますので大勢は決着が付いているでしょう」


 先程、ユートピアを見せられ「ここに住む」と言っていた元王妃や第五王女、聖女騎士団も魔女の護衛も、次の神の国を見るため付いて来た。


 天使が一人空間転移して行き、救済の申請をした使節の者も連行。


「ここは、国境の砦?」


「これより申請があった案件に対し、御使い様が奇跡を行使する、よく見ておけ」


「は?」


 砦からは煙が上がっていて、もう大国の軍はいない。


 守備側は全滅しているのか、誰も動く者はおらず、内通者が門を開けてしまったようで砦は陥落。


 カラスや魔物魔獣が集っている死体や、略奪された後なのか、戦場跡の盗っ人が来たようで、鎧も剣も金属類も無くなっていて、血塗れの下着だけの死体が転がっている。


「もう手遅れだ」


 使節の者も膝を着いて泣き出し、砦は落ちて全員死んでいて、次の都市も多分略奪されて滅びている。


「ああ、なんて酷い……」


 聖女騎士団や修道院長も目を覆ってしまい、余りに酷い戦場跡から目を逸らす一同。


 魔女だけはいつもの事なので、異常耐性もあって平然と死体の数々を正視。



 大国の軍は既に数キロ先の地方都市に入城、農民の兵士を満足させるのに略奪や殺人を許可。


 若い娘は全員犯され連れて行かれ、逆らった男は全員皆殺し、年寄りも殺されて、若い男や子供で腰抜かして降伏し、震えているのだけは奴隷として大国に連行。


 どこかの乙女戦争みたいに、股間が血まみれになっても生きているのとか、上長に献上できるほどの美人は生き残り、逃げ遅れた貴族の娘や大店の娘とかも、指揮官辺りが占有して次の戦場まで帯同。


「さて、このような結果ですが、御使い様なら時間を巻き戻して、戦いが始まる前に戻せます」


「は?」


 ペガサスが何か言ったが、情報量は大したことは無かったのに、やっぱり全員イミワカンナイ。


 平面世界の科学力なので時間移動が可能。ほんの少々区域を限定すれば元にも戻せる。


「では、この砦や略奪されている真っ最中の近隣の都市に限定し、時間を巻き戻せるよう願って魔法を行使してください」


「はあ……」


 その都市を連想しようとすると、衛星高度の監視カメラから見たリアルタイムの映像が見え、さらに焦点を合わせようとすると、上からの視点ではあるが農民兵の大軍に略奪され燃え上っている都市の全景が認識できた。


「何で?」


 上空から「見える、僕にも敵が見えるよ」が出来てしまい、女の子をレイプしている奴をどけようとすると、横方向上空からレーザー射撃の支援があり、下種な農民兵の腹が吹き飛んだ。


「略奪の停止を」


 またキリオドラッグの薬草作成バンクみたいになり、きゃる~んと回転すると、数キロ先の都市と砦の時間が高速で逆回しになった。


 ここを通過して行った大国の軍が後ろ歩きのまま一瞬で戻って来て、戦闘状態も逆回しで再生。


 籠城して震えている小国の砦の兵達の前で、大国の軍が布陣して整列、使者が砦を開放して降伏するよう勧告している場面まで戻った。


「な、何が起った?」


「そんな馬鹿な、三日前まで戻った」


 断末魔の悲鳴を上げて死んだ者も、助命と金に転んで砦の門を解放したのに殺された兵も、次の都市で略奪している真っ最中だった農民兵も、真っ青になって周囲を見た。


「天使がいる……」


 砦との間に50人ほどの天使が飛行していて、イコール神の怒りに触れて、これから全員塩の柱。


「終わりだ……」


 略奪の最中に、何か天罰を受けるようなことをしたマヌケがいたようで、略奪レイプはいつもの事だが、神殿や教会でも破壊して神像や天使像をひっくり返して、クソや小便でも振り撒いて穢してから放火したバカがいたのだと納得し、これから全員死刑宣告を受けて、三万人ほど地獄に叩き落とされて敵方は生き残る。


 天使の集団の中に人間が少々と、ペガサスの隣にも天使?がいた。


「天空の騎士……」


 神話戦争の騎士がいて、攻撃前にギルドや教会や両替屋にも通達があり、進軍停止も囁かれたが、そんな噂は敵からの欺瞞工作だと撥ねられて攻城戦に入った。


「我が心は天と共にありっ、神を恐れ敬う者なりっ、この身は神の遣いに従いっ、精霊を敬い御心に従順なるしもべたらんっ(ループ)」


 大国の軍の先頭から、ウェーブでも起こるように土下座スタイルに移行していき、塩の柱の刑で魂まで失われたり、生きたまま地獄に直行の刑だけは勘弁して貰おうと、念仏を唱えるのを開始。



「あれは? 御使い様に天使の軍団」


 砦の方でも天使を観測、祈りが届いて自分達を救いに来てくれたのかと思ったが、全員殺されて死んだ記憶があって混乱した。


「おい、俺達殺されたはずだよな?」


「ああ、門番の奴らが夜に扉開けやがって、敵兵がなだれ込んできて皆殺しに……」


 どうにか抵抗したが装備が違い過ぎて、鎖帷子や鉄の槍で武装している相手に、李氏朝鮮みたいな白い布の鎧と竹槍で対抗しても敵は無傷。


 鉄の槍や木の盾持たせて貰えるのは、貴族か偉いさんだけ。


 まるでスターリングラードに放り込まれたソビエト兵みたいに、銃持たせて貰えるのは数人に一人程度の編成。


 映画のヴァシリ・ザイツェフでも、大勢死んだ後で味方の銃を取った、共産党員の兵士同志から譲って貰って、やっとスナイパーとして射撃できるような貧相過ぎる装備の部隊。



 戦争停止の請願に来ていた使者も、何が起っているのか理解の範疇を超え、泣きながら震えて様子を見ていた。


「愚民どもよ、これより刑を執行する、略奪を行い、人として信徒として有り得ぬ行為をしたモノを破門とする。地獄へ落ちよ」


 天使の隊長が発言すると、また太陽光がおかしくなり、周囲は暗くなって行って、この場だけが異常なほどの光量に包まれ始めた。


「ここに居ちゃ駄目だっ、これは憎しみの光だっ」


 ソーラレイ?に気付いた兵士が逃げ出そうとしたが時既にお寿司。


 砦で殺しを楽しんだ者、家から年寄りや男を引き摺り出して、ゲラゲラ笑いながら殺して楽しんだ者、盗み程度ならまだしも、泣き叫んでいる娘をレイプして笑っていた者、全員足から塩になっていて、無理に一歩踏み出すと崩れて地面に倒れた。


「我が心は天と共にありっ、神を恐れ敬う者なりっ、この身は神の遣いに従いっ、精霊を敬い御心に従順なるしもべたらんっ(ループ)」


 本当にその言葉通り実行し、現地での盗み程度は許されたが、大半の悪人でサディストは塩の柱の刑。


 逆に殺人さえ忌避して、砦でも逆に討ち取られたような善人は病気も何もかも治り、腹の中の寄生虫すら消えた。


 それは砦側と都市にも適用され、強盗殺人や武装強盗、レイプ魔に詐欺師に盗みやスリの常習犯も塩の柱。


 冒険者ギルドで新人殺しをやったり、誰かをエサとして逃げるため後ろから切りつけ、魔獣から逃げおおせた卑怯者達も、自分の罪を数えさせられて告白し懺悔してから地獄に落ちた。


 今回も魔女は異常耐性が強かったので、低レベルの範囲攻撃を、長老から与えられた絶対防御呪文でレジストした。



「これは…… 神話戦争にも出て来る、悪しき者を滅ぼす神罰」


 先日エトワールが行った、月の光を集める大聖女の呪文を見ていなかった修道院長が、余りの光景に息を飲んだ。


 実は修道院長も同じ呪文が使えるが、自分の実力を知らないだけ。


 今も「巡礼の旅」に出ている聖騎士や聖女が、マーズの最終回みたいな感じで「醜い…… ニンゲンとは何と醜い生き物なのだ」と思うと、この呪文を発動して城砦の大半の者が塩の柱にされる。


 若い頃にエトワールと一緒に従軍して、後方の野戦病院に聖女として勤務した時にも使われ、隣国の兵士大半が塩の柱にされて、善人は逃げ帰って決着したのは覚えている。



 先程復旧した都市と同じく、神聖騎士が祝福を与えて改心させてやると、神の国でユートピアが出現したのだが、まず神罰が必要と判断した天使が強行した。


「戦争状況解除、砦で虐殺を楽しんだ者、都市で略奪し女性を犯し神殿を荒らした者、元から強盗や殺人を生業としていた者などを除去しました」


「はあ……」


 大国の兵士達で生き残ったのは、訓示するまでもなく善人で馬鹿なだけなので、逃げ帰るのに任せて放置した。


 まるでゴールド免許を連発している善人かペーパードライバーのように、安全講習さえなく、掲示されている新制度や事故事例などを見て、通過するだけで免許が交付されるように帰った。



 迎賓館


「注目っ、注~目っ、御使い様の奇跡により、遠方の国の洪水災害があった城砦において、王道楽土ユートピアが出現した模様。天使数千体と上級天使も現れ、空への制限が取り払われ、神への道が開いたと宣言っ、その都市は浄土であり、神の国でユートピアであると告知されましたっ」


 祝賀外交とか条約の交渉をしている茶会で、ちょっとイミワカンナイ話を広報官が始め、情報量はそんなでもないが、それでも全員の理解の範疇を超えた。


 請願に来た使節団も天使が現場に連行、陶然とした様子で両脇を抱えられて帰って来た。


「ああ…… 我が故郷は神の国となりき、御使い様によって浄化された浄土」


王道楽土ユートピア出現、王族や下々の者まで悔い改め改心させられ、高利貸しや奴隷商人までが教会に押し寄せ、懺悔の部屋で告解する列や、修道士として身を捧げようとする者が絶えないと言う……」


 どっかのキトラ古墳を見た学者と、当時の万葉の文化を小説として描いている学者も、中で陶然とし過ぎて卒倒して倒れ、古墳から担ぎ出されたみたいな感じで帰着した。


 それらのセリフが一番刺さる人物も、目の色を変えて猫まっしぐら。


「使者殿、それは真か? 王道楽土ユートピア出現などっ」


 ヘタれてピヨっている使者たちに、掴みかかるようにして聞いた新王で王太子。


「はい…… 既に町では空を飛ぶ高さの制限が消えており、飛竜達もあり得ない高さを飛び、簡単な生活魔法で人々は天へと至り、神への道が開いたとしか思えませぬ」


 その使者も、既に瞳孔開いちゃってる系統の、アッチの世界を見て来たような目で語るので、新王も是非神の国を目に焼きつけようと思った。


「我も一目神の国をっ、天使様、我らを浄土へとお導き下さいっ」


「陛下、軽挙妄動は御控え下さい、主催国の王が王座を開けるなどっ」


「構わぬ、我が開いた転移門に続け、その目でしかと確認せよ」


 天使の一人に導かれて、他の使節団の者も茶会を中座して現地に向かった。



 王道楽土


 今も天使の羽根が舞い落ち、黄金の風が吹いていて、今ここに来た者まであらゆる病が消え、悪しき心や狂った野望を持っていた者は改心させられた。


 空には虹が掛かっていて、天の彼方から鐘の音が鳴り響き、聖歌の合唱が聞こえ、高い空にまで飛竜が飛び上がり、航空管制の空が狭すぎる問題も解消。


 生活魔法の浮遊程度でも空を飛べて、怖いもの知らずは高い所まで登っている。


 フライやエクスフライの魔法が使える貴族は、混雑し始めた空で他人と衝突しないように高い所へ。


 市民も死んだ者が復活したのを泣いて喜んでいたり、配給所でも誰も列を乱さず、商品が平面世界から転送されて来て、再会した商店でも割り込みする者も無く、店主や夫人も無料で貰った物の値段や釣銭も誤魔化さずに正直な商売をしていた。


「おお、これが王道楽土で神の国……」


 新王も上級天使が舞い降りて訓示を残して行った所を見れば、声を出して泣いたり、更に改心させられて善人になったり、修道院長とか第五王女みたいに「巡礼の旅」を魔女にオネダリする羽目になったが、感動して泣く程度で済んだ。


「ここが浄土、素晴らしい」


 以後も農産物に困ることはなく、連作障害、塩害、バッタによる蝗害こうがい、害虫からの被害、作物の病気? ナニソレ美味しいの状態。


 年に一度の収穫だったのが、亜熱帯でスコール降りまくりの所と同じで、二毛作三毛作当たり前。


 もう飢饉が起こらないよう、二度と洪水が起こらないよう配慮され、各種流行病も起こらない。


「御使い様は今何処?」


「今は大国が小国を数日前に打ち破って、都市を略奪しているのを元に戻されておる」


「は?」


「御使い様は時間を巻き戻して、戦争自体を無かった事に出来るのだ」


 その代償のように、悪しき行いをした者は塩の柱にされた。


「見たい者は着いて来ると良い」


 また空間転移門が開き、戦場跡の砦付近に行く一同。


 この城砦を見て「自分の国にも浄土を」などと考えていた者は、甘い認識を破壊される。


 神の教えに反する行いをした者は全員塩の柱。



 竜騎士団射爆場


 こちらは貴族からの竜騎士採用枠で、竜から信頼されて、背中を許されれば合格。


 貴族なので元から多少魔法が使えて、今は火竜が竜魔術を使えるので必須ではない。


「え~、貴族の皆様、お疲れ様でごぜえます、ようこそお出でなすった、試験官やらせて頂くストナと申します」


 本人も既に子爵で、ここは自分の領地なのだが、領地も無いような下級男爵家の三男四男にも丁寧な話し方。


 こちらは腕力や剣の腕前が低くても、合格すればレベル上げして竜騎士にする。


 信仰心とか敬虔度が馬鹿みたいに高い、アッチの世界の住人じゃないので、神聖騎士になったりはしない。


「それでは、竜に話し掛けて言葉が通じれば、背中に乗せて欲しいと伝え、椅子に座れた方を合格とさせて頂きますだ」


「な、なんだってーーっ(AA略)」


 人間語が通じない竜に話し掛けて、コミニュケーション取ってから、背中に乗る許可を貰って着座。


 普通なら噛み殺されるか、火を吹かれて全焼。オマケにパンチとキックまで頂戴して、止めに尻尾で吹き飛ばされてご臨終コース。


 こちらにもストナの息子と娘の火竜が仕込んであるので言葉は通じる。


 人間語でお返事してくれないので、了解を得られたかどうかはボディランゲージが分からなければ不可。


「検定開始、1番の方からどうぞ」


「竜よ、我に傅け、背中に乗ってやるゆえ跪くのだ」


 何とか貴族語の意味は分かるが、その後は好き嫌いの問題なので、クソ偉そうな感じが鼻に着くクソ貴族、相性悪そうな奴にはやっぱりアイアンクロー。


『それ以上近寄るんじゃねえ、クソ貴族がっ』


 税金だのなんだの請求し、家にいる竜の数だけでも贅沢だと言って、頭数だけ自動車税みたいな飛竜税を課税し、乗って飛べもしない子竜に向かって「担税力がある」などとホザいた奴が嫌いなストナ家の娘竜は、貴族の三男の胸倉掴んで往復ビンタ。


「ぎゃああああ」


 即検定中止で、親父が娘の手を離させて解放。


「これは責任問題だぞっ、絶対に許さぬっ、その竜もお前もだっ、命であがなって貰うぞ、平民がっ」


「おお? このオッサンはな、既に子爵になっておる。お主如きの男爵家より上級なんで無礼討ちでもできる。家督も継げぬ三男坊や、それでも喧嘩すると言うなら、竜騎士団全員でお主の家と領地を十階梯魔法で爆撃し続けてやる、本気で喧嘩するか?」


「ヒッ」


 竜騎士団のジジイが助け舟を出してやり、もしストナに喧嘩売るとどうなるのか、親切に他の貴族子弟にも周知徹底してやった。


「竜騎士団では貴族階級より実績じゃ、気に食わん奴は今すぐ帰れっ」


 子爵の記章を付けているジジイに一喝され、男爵家の三男と、物見遊山に来たようなのは、竜に近付くのが怖くて帰った。


「次の者、来い」


「はい、ハワイユー、アイファインサンキュー」


『?』


 普通に喋ればいいのに、カタコト過ぎるカタカナ英語でしゃべったので、人間語が分かる火竜でもイミワカンナイ。


「背中、乗る、イイデスカー? お願い、プリーズ」


『はへ?』


 まあ誠意は通じたので騎乗許可、背中の上に縛り付けられている座席に座れたので合格。


「うむ、良かろう、次」


 次には夜会でベルに振られた騎士学生がやって来た。


「ああ、美しき竜よ、我が心は寝ても覚めても其方たちの事ばかり考えてしまう、どうかその背を許して欲しい、そして空へと我を誘って欲しい」


『あ、結構ええ男やん? オトコマエやし金持ってそうやし、ちょっと飛ばしたろか~?』


 ストナの娘なので人間の顔が分かり、美形なのと服装とか身綺麗さとか「清潔感」で選んだ。


「5番、合格」


 着座して合格したのだが、竜と一体化する魔法を掛けられて、ベルト無しで飛行開始。


『兄ちゃん、空飛ぶで~』


「ああ、素晴らしい、これが空の旅、美しき竜よ、我が伴侶となって欲しい」


『いややん、このオトコマエ、あたしに求婚しよった、おっ父う、あたし嫁に行くわ』


 他の兄竜とか竜舎のオスには「清潔感」が無かったので、番になるのを拒否してきたが、貴族の子息には即落ち。


 逆スーパーマン状態で、メスの方から空の旅に招待し、一通り楽しんだ後、降下して着陸すると、父親に邪魔されないうちにチューしてパクティオー?して番契約。


「お前、勝手に番契約すんなっ、相手の許可取ったのか?」


『え~~? んでもこの人から求婚されてん、しゃ~ないやんお父』


 親父にはぶん殴られなかったが、勝手に番契約したので怒られた。


 関白宣言とか君を殴らせろと言わなかったが、娘を連れて行かれるのには心が痛んだ親父。


「貴族様、今のは番の契約でして、うちの娘、貴方様と結婚して、子ども作る気でおります」


「ああ、今日は善き日だ、竜と誼を結んで空へと誘われ、我が永遠の伴侶までも得られるとは。父上とお呼びしても宜しいか? 子爵殿」


 一応階級も理解していて、ストナが火竜の父親なのも分かっていて、娘から一方的に押しかけ女房したが、竜の番契約がどういう物なのかも知っている模様。


 義理の娘の番で義理の息子、貴族家に嫁げるとは光栄なので、どこかのシグルイに出て来る「娘の一部が男性化したが、殿には問題なかった」の父親みたいに「勿体のうございます」状態のクソ親父。


 自分も給料とか税金とか結構貰っているが、支度金が入るので「娘がまた高く売れた」ぐらいの表情でニヤニヤ笑うドクズでもあった。


 少し問題があるとすれば、ベルみたいに村一番の美人の娘を食って、姿形を奪ったような美形ではなく、カーチャぐらいの舞祭組ブサイクなのが問題になる。


 どこかのユミルさんみたいに顎の巨人を食うだけでなく、ヒストリアに齧りついて口に含み、そのまま飲み込むと美形になれる。



「次、検定開始」


 ジジイ竜騎士に促され、竜に話し掛ける貴族子弟。


「済まぬが背に乗せて貰えないだろうか? できれば竜騎士団に入隊して、家の者を見返してやりたいのだ。兄や姉や弟は才能に恵まれ、騎士学校から魔法師団や騎士団に入隊し、成績優秀で口も上手く世渡りも上手いので出世もしている。私だけが家でのお荷物なのだ」


 何か切実な不遇系とか追放系の奴が来たので、アイアンクローかます訳にも行かず、気の毒なので背中に乗せてやった火竜。


「8番、合格」


 竜騎士の採用試験は地獄ではなく、礼儀正しければ乗れるヌルい検定結果になり、結構な人数が採用された。


 この世界は残酷なので、進撃の巨人みたいに男女の筋力が同じで、女性が軍隊に入隊して立体起動できる場所ではないので、座席まで登る筋力も無い女子の合格者はゼロ。


 雌の竜から「生理的にムリ」と言う汚い男は排除され、兄や弟の竜にも「ソイツだけは乗せんな」という強い要望から排除されたのもいる。


 チビでデブでハゲでブサイクで、身長が低いとかBカップ?以下は人権が無いとか「ギャオオオオン」と言うメス独特の理論で排除された弱者男性。


 採用者は「但しイケメンに限る」という縛りの元、受験者の顔とスタイルがよくて「清潔感」さえあれば、男社会では一切通用しないゴミクズ、女を産む道具としか思っていないドクズでも「ソイツは落とすな」と姉妹から天の声?が響いて全員採用。


 中学生を誘拐監禁?した犯人の記事にも「私にすればよかったのに」「顔が好み過ぎる」というリツイートが付いたり、多分その中学生本人も被害者なんかじゃなく、自分から犯人の家に泊まり込んでいたと思われるような事象が連発した。


 ヒナまつりの連載中、ヤクザの家に中学生が住んでるのが問題になって、急遽全員3年経過して高校生にされた時の事件みたいに、3LDK住まいでは平気で監禁?されてたのが、就職して1LDKに引っ越した途端手狭になって出て行って、実家に電話した中学生的に「但しイケメンに限る」場合は結婚でも同居でもオールオッケーな特殊空間が発生した。

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