新入社員の馬鹿がまたやらかしやがった~~
魔王が来てしまい、色々とやらかしてきた流石の王太子で新王も扱いに困り、先王も元大公も集まって来て「新入社員の馬鹿がまたやらかしやがった~~、今から緊急会議」になった。
緊急会議に部外者はいて欲しくない所だが、神聖騎士で聖女頭とペガサスも参加、修道院長と王の顧問である魔女も呼ばれた。
「ターニャさん、修道女が無断で教会を離れ、なおかつ第一等の大聖女が無断外泊など、許されるものではありませんよ」
まず会議室への道中で修道院長に一喝された魔女、隣には聖女頭のつもりの神の御使いまでプンプン顔でいる。
「は、昨日は王都を離れられない兄…… 暗黒竜からの密命を受け、人間の国とは戦争状態になっていた竜の巣に行って、不戦の道を探りに行ったのでございます」
兄に抱っこちゃん状態でぶら下がって行っただけだが、物は言いようと言うか、今回も口から出まかせで言い訳した。
普通の人間は竜国と言うが、カーチャや魔女は必ず自分達の国を「竜の巣」と呼ぶ。
「まあ、それで和平条約になったのですね?」
「はい、聖女頭様」
密命でも何でもなく、次男が長男とベルに代わって仇討ちしたのを「報告して来い」と言ったのに無理やり自分も入れて、野生の勘で何かありそうだったので同行した。
「長老様と神竜様は不戦派でしたので、ゲームのような机上戦闘によって決着を付ける事となり、竜騎士団に復帰された老兵の皆様が勝利されました」
「そうでしたか」
もちろん「麻雀で勝負だ~~っ」となったのを机上戦闘と言ったが、修道院長も聖女頭も、まるで墨攻で革離と巷淹中将軍が、盤上で戦闘して決着を付けようとしたかのような名人戦を夢想した。
「その勝利で不戦や貿易の権利などが得られたのですが、それを不服とした若い竜達が、祝福が降り注ぐ祠に突入して来たのです。その数、総勢100名を超える大部隊が」
「何ですって?」
修道院長は、まるで映画版の墨攻で、終盤に熱気球に乗って、趙の残りの軍勢が決死隊として入城して戦ったような、スペクタクルシーンを妄想した。
「祠の入り口に机などを積み上げ、少数だけ入場させて従魔としてテイムする戦闘を繰り返すと、竜側が総崩れとなって、若竜の坂と呼ばれる場所を追撃、男女の若竜を全員テイムして竜騎士側が勝利しました」
「ああ、何と言う事でしょう、神よ、感謝します」
そこで負けても大したことは無かったが、コンキスタドールが平原戦で勝ったので、長老にも精神的ダメージを与え、竜側にも譲歩させられたのは事実。
「わたくしも牛魔王の浄化や従魔化、国母様を天にお返ししたので竜の巣と国交が正常化したため、その功績により勲章と褒章を頂き、人間国との貿易の権利や和平を結ぶ権利を得ましたので、それを利用して先王様や大公閣下とお話しし、和平条約、軍事同盟、魔の森の開発権など、各種条約を結んでまいりました」
「一聖女である貴方にそこまでの権限が?」
「はい、聖竜騎士と言う名誉市民的な物も拝命しました。姉の勇者に似たような名誉職だと思うのですが?」
こちらはガッツリ上級国民で、ネームドの竜の下、二十八部衆の下位組織の政治的指導部なのだが、そこは伏せた。
「乱暴な竜の方もいましたので負傷させられましたが、どうにか戦争状態は回避できました、無断外泊をお許しください」
また顔の右側から首に掛けての、負傷部分に触れてみた魔女。
「ええ、そこまでの状況でしたら仕方ありません、でも次回からは許可を取るのですよ」
「はい、今回兄にも時間が無く、すぐに竜騎士団と共に魔国先遣隊への攻撃時間が迫っておりましたのでご容赦ください」
「ええ」
「戦争にならずに良かったです」
「その代償に竜の神殿、僧房からは、わたくしに処刑宣告が降りて、会談後の夜間に襲撃がありましたが何とか撃退しました」
就寝後にも襲撃があったようで、暗殺部隊が来ても魔女がおらず「まだ布団が温かい」「どこだ?」「ここだっ、マヌケどもめっ」みたいな暗闘もあり、「カゲヌイーー!」から「フフフ、風下に立ったウヌの負けよ」みたいな春花の術の応酬もあった模様。
「処刑宣告? 無事だったのですか?」
修道女会でも滅多に出さない処刑宣告、出せば最後、暗部が暗躍して処刑してくるか、聖女騎士団が斬奸状も出して決闘や表の方法で処刑する。
「はい、先王様達がお帰りになる時にも、十二使徒と呼ばれる武僧達に空から襲撃されましたがそれも撃退できました」
「空からですって?」
神聖騎士ならその程度楽勝なのだが、自分の戦闘能力を知らない聖女頭。
「竜に乗っての空戦でしたらお任せください。それと、モーちゃんが大きくなって手伝ってくれましたので、ちょっと竜の巣と全面戦争になりかけましたが、何とかそれも回避できました」
「モーーーー↑」
牛魔王も「褒めて褒めて」と言っている。
「…………」
異次元の話をされ、ちょっと修道院長の意識が飛んで、そのまま顔から受け身も取らずにぶっ倒れそうだったが、神の遣いで肉体改造もされている聖女頭は無傷だった。
「ご無事ですか、お姉さま?」
「はい…… 問題ありません」
胸の前で十字を切って、何とか平常心を保った修道院長だが、目の前の魔女は竜の僧房にいた十二使徒と言う武僧に、12対1のキルレシオで、ペア竜のデイジー騎乗でなくとも完勝できる空戦王で、牛魔王を使役して竜の巣と全面戦争も可能な陸戦王だと思い知らされた。
緊急?会議室
「魔国内の事情は分かりませんが、まず信仰の問題だと思われます」
まず修道院長が問題点を切り分けてくれて、魔国の宗教や信仰の事情を教えてくれる。
「ほう、信仰ですかな?」
「魔国や冥界と言えば邪神信仰。邪神から与えられるスキルや経験値、レベルと言ったものは、信仰を捨てて善神に宗旨替えすると全て失われるとされています」
「左様か、革命派は神聖騎士に恭順して、魔国が滅ぼされないよう、スキルやレベルを失ってでも国民を生かそうとしたか」
「はい、魔国に占領され、新たに加わった国では、信仰の自由さえ認められ、鍛冶や木工と言った技術やスキルを捨てないで生活できているようです。逆に何のスキルも持たない者は信仰を捨てて、邪神に新たなスキルを貰えた者もいるとか?」
「ふむ、魔王は死んでも宗旨替えする気がないようだな。まあ、あれだけの経験値やスキル、魔法の数々、捨てるよりは死を選ぶか?」
「そのために全国民道連れで、戦争や死を選ばされるとはな」
「このままでは周辺国全てが敵になり、今迄に制圧した人間の国も蜂起、神の軍勢が押し寄せるので、周囲の者が魔王を追放したか、捕らえようとして逃げ出し亡命と行った所か?」
「では、こちらでも邪神信仰を認めてしまえばどうでしょうか?」
「いけませんよ、ターニャさん、邪神教第一の教義は「敵を殺せ、奪え、焼き尽くせ」なのですから、全く相容れない物なのです」
「はい、それでも竜の巣と同じように全く違う宗派でも、和平条約か停戦の約定だけでも結べれば何とかなるのでは?」
「モーー↓」
ママの声を聴いて、ドアの外で入れて貰えない牛魔王が、カキカキして入ろうとしていた。
「ううむ、戦争と侵略が生き甲斐のような魔王と聞いておるでなあ。ここまで来たのも、処刑されるより勇者との一騎打ちを所望と言っておるとか」
どこか離れた所でやって貰わないと、また炎竜事件の繰り返しで、窓が吹き飛んで下手すると屋根も国も吹き飛ぶ。
「御使い様からも魔王に一言お願いします、信仰を捨てないでも、戦わないで済む方法があると」
そこで背景だったペガサスも発言。
「御使い様なら、魔法でもかけてしまい、魔王を騙らせてしまうか従属させるのも可能です」
「え?」
神聖騎士なので、魔王強制テイムや従属奴隷下僕化も可能らしい。
ピンク色の魔法のバトンを振るって、キャル~ンと回転して魔法行使バンクや、キリオドラッグの薬草作成バンク画面になると、天変地異でも大雨で川が氾濫して田畑が沈んでも即解決。
「竜国に続いて魔国とも共存できるなら、目出度いこと」
古代エルフ超文明?の産物が残っているのは、竜国か魔国だけで、実際に運用しているのは魔国内だけ。
もし和平なりして戦争状態を終わらせれば、国内のハッテンは約束されたような物になる。
迎賓館、会見場ホール
頼りになりそうな神聖騎士お付きの下級天使は、使節団の中から隣国との戦争紛争の仲裁解決依頼とか、遠い国の災害救助救済、大国との貿易の不平等条約解消などなど、申請の書類か手紙を持った奴らが殺到していて、大騒動で会議どころでは無かった。
「御使い様、我らをお救い下さいっ、大河が氾濫して家や田畑がっ」
「隣国の侵略戦争を停止するよう、お言葉を下さいませっ」
新たにプリントアウトした生体アンドロイドも追加して対処したものの、アラビアのロレンスで解放したダマスカスの会議場に、巻紙持った連中が殺到して、新しい支配者に申請請願しようと怒号が響いているような状態。
「恐れ入ります、無法な隣国から我が国をお助け下さいっ」
「有り得ない圧政から、属国にされた小国に救いの手をっ」
その人数が時間とともに増えて行って、クリスマスのピザ屋とかケンタッキーみたいに、現場猫達が泣きながら生地こねて塩味が効いてるピザ焼いて、生地練っても寝かしてないので粉っぽいまま窯にぶち込んで「ピザもチキンも無いとクリスマスパーティー始められないだろうがっ?」と怒鳴られながらもとにかく焼き、数百数千チキン揚げ続けて意識が朦朧として、ニワトリの頭混ざっていても揚げ揚げし続ける地獄。
竜騎士団
こちらも飼育員に雇って貰って、レベル上げもして欲しい冒険者とか、貴族家の子息も殺到していて、世界最強になった竜騎士団に加入して、三男四男で相続権も無く衛兵になるぐらいしか就職先が無い者でも、レベル上げで新たな貴族家を興して立身出世しようとしているのが大勢来ていた。
「我が家に伝わる武刀術で、必ずお役に立って見せます。ご一考をっ」
「高ランク冒険者の俺なら、竜騎士でも飼育員にでもなれるっ(なれません)俺を雇えっ」
竜騎士団の入り口付近も、年末の佐川の窓口みたいに受付嬢が客に怒鳴られて泣いていたり、配送手配の不手際で納入する品が到着せず、契約違反とか違約金問題になり、シャレにならないので怒り狂って、真っ赤な顔で赤鬼みたいな客が怒鳴り続けていたりする魔界になっていた。
多少客筋が上品なクロネコヤマトや郵便局でも、人が100人以上並んでいて、最初から受ける気なんか毛頭無い、客側で印刷して出すバーコードを読まないんだとか、半笑いで寝言を言う郵便局員に「このぐらいの事で命落としたいのかっ?」と大声出して掴みかかる客がいたり、ちょっと順番間違えて割り込みになったのが胸倉掴まれて、どっちも気が立ってるので殴り合いにハッテンしたりする地獄絵図。
「ああ、愛しの美しき竜よっ、我を誘えっ」
夜会でベルにダンスを申し込もうとして振られた、礼儀正しい高校生ぐらいの貴族子弟も参加。
「教官っ、そこにいるんだろっ? 俺らも入れてくれよ」
「俺が悪かった、今からでもやり直したいっ」
カーチャに手足を生やして貰ったり、ブレスや酸で失明していたのを治して貰った連中も、教官を見捨てて逃げた幼馴染で元親友も、申請の手紙か巻紙持って門番と押し問答中。
竜騎士団員詰所
こちらは王城から帰って来た竜騎士たちと元飼育員。自分が受領する領地の目録とか男爵位やら騎士爵の免状とか見て大喜び。
雇用がしやすいよう、もしくは「ざまあ」街道を走れるように、故郷に錦を飾ったり復讐しやすいよう、可能な限り自分の出身地を領地として貰った一同。
「やった、故郷の奴らを見返せる、お前はどこだ?」
「ああ、俺も故郷が領地になった、でも駄目だろうな」
少ない親友や幼馴染が金や権力でおかしくなったり、雇っても金に関しては財布の底が抜けている馬鹿だったり、恩を仇で返しまくって未払い金とか使途不明金だらけで、その上金持って逃げるのがいたりするのが現実。
村一番の美人?で丸太みたいなクソデブの幼馴染が「領主様の妻の座に座れる」と勘違いして、夫と離婚して領主の館に行こうとする惨劇も起こる。
自分を虐めていたクソ馬鹿が親友面をして登場、「親友だろ? 俺を雇え、俺を領主にしろ」と命令してきたり、その親まで大喜びでやって来て、色々と皮算用して来る、
何処かの復讐話で、工場で持ってる街に親会社の社員として赴任すると、親友?と親達に大歓迎されて「犬の糞食べさせようとするのって親友ですか?」と言うと親が顔を青くして「私はこの工場を整理して全員解雇するために来た」と宣言すると、街の者全員と相談して、イジメやった奴の親が「息子は首吊らせましたんで、どうか工場閉鎖だけはご勘弁を」となってメシウマでも、綺麗に工場を畳んで全員解雇するような話になる。
「懐かしいな、故郷に花を咲かせてみるか?」
「いいな、やってみよう」
魯迅の私小説みたいに、使用人の家の幼馴染が、親からも長寿や繁栄を祈られていて銀の首輪もして、その気概天を突くかと思えた憧れの英雄のようだった子供が、大人になって再会すると「旦那様」と言う呼び方を決してやめないで、小作人根性が染みついてる農奴のような小物になっていて悲しくなったりもする。
親からジャニーズとか修道士会に売られて「YOU来ちゃいなよ」され、ホモジジイの相手をさせられ、おしゃぶりとか腰使いを褒められるまでになった騎士達の復讐が始まる。
もちろん売り渡した方の親は、息子に正しい道を選んでやって世話したので、当然の配当として大金や地位を貰えるんだと思って、手ぐすね引いて待ち構えていたりもする。
団長や副官は、親心で故郷に錦を飾らせてやろうと思い、わざわざ故郷を領地に選んでやったのだが、この場合全く関係がない場所に放り込んで、善良な人物とだけ親交を深めていけば幸せになれたのに「顧客が本当に欲しかった物」みたいな図で、善意が反対の意味になってしまった失敗事例になった。
それでも、砂漠みたいですぐに渇水と飢饉が起こる土地から、村人の寄付で平民用の騎士学校に送り出して貰えた少年は、所持金のほぼ全てを使い、給茶機と食い物の自販機をカーチャから譲って貰って持ち帰った。
どこかの天下一武闘会に来た砂漠の青年みたいに、負けた後に亀仙人から空のポイポイカプセルを貰い、タダで汲める井戸から水を持ち帰ったような奇跡が起きた。
給茶機は冷たい水とお湯が無限に出る。無限に出ると言えば本当に無限に出るのである。
村人全員の喉を潤し、カップ一杯ずつだがバケツに汲み替えて運べば畑に水もやれて、ホースでも繋げば水が撒ける。
自販機の方は一食の定価を鉄貨一枚まで下げられるので、銀貨を投入すれば一万食も食える。
飛竜陸戦隊詰所、旧飼育員部屋
騎士爵になった元飼育員は、下級貴族として給料が貰えるだけだが、それでも飼育員の数倍は稼げる。
「へへ、あの貧乏人だった俺らが、ついに騎士様だぜ」
「うへえ、カーチャ様様だなあ、おい」
略奪に参加した者は生涯賃金を稼いだので、腐った古女房やその親族に集られないよう離婚する者もいた。
これは竜騎士になった平民からの強い勧めによるもので、生活が一変すると家を借りても乗っ取られ、どこの誰だか分からない若い男や女がいて働きもせずぶらぶらしていたり、その母親らしきオバハンまでいて小遣いや生活費を集られ続ける。
聞く所によると父親や母親の親戚だと聞いて、追い出そうとしても無理だったので裁判沙汰になり、自分が出て行く羽目になった、妻の韓国系家族に家も金も全てを奪われた渡辺謙みたいな竜騎士もいる。
門番に厳重に言っておかないと再度侵入され、金を出さないと「泥棒」とか「人殺し(自分が食べるための金を払わないから)」とまで言ってくるアタマオカシイのばっかりだと説き伏せられ、手切れ金だけ渡して家族とも息子とも娘とも縁を切らせた。
「俺、この金で娘を上の学校に行かせようと思うんだ」
「貴族になった竜騎士様方の所で、娘を行儀見習いに……」
それでも娘はとにかく金を取りに来るから、絶対に家に入れるなと口が酸っぱくなるまで、耳にタコができるまで言い聞かせたが、大半の騎士爵は娘に全財産を盗まれて使い込まれて、男に貢いだり豪遊されて破産させられる。
魔の森での開発が、娘が作った太い借金返済に回る、気の毒な騎士爵も出る。
チベットみたいに共産主義にされて、金持ちも財産を奪われ、貧乏人にまで牛何頭羊何頭と平等に分配されても、貧乏人はたちまち維持できなくなり売って手放し、家族で協力できる元金持ちだけがすぐに財産を取り戻したと言われる。
魔国恭順派、右大臣屋敷
魔王一行はどこに通して良いのかも分からないのと、もう使節団を入れる迎賓館もパンパン。
とりあえずお召替えとご休憩の為に、恭順派の貴族の屋敷を借りて、厳重過ぎる警備体制のまま数日が経過。
亡命者全員が風呂やシャワーに入って、着替えもできるようにしておいた。
勇者が気を利かせて給茶機と食い物の自販機を置いて行ったので、毒殺の危険がない暖かい食事が提供できて、魔国からの間者も暗殺者も入り込めないように処置したのだが?
「竜騎士団員が毒でやられたっ、誰か治療をっ」
魔王親衛隊や竜騎士や魔王の洗濯物に毒を含ませる、ロシア風暗殺を試みようとした者が数名いた。
魔国からの間者では無く、魔国に抵抗した結果、都市をいくつか滅ぼされた国の使節団から来た者が、家の者を買収して実行したと判明して密使が即自決。
魔国竜騎士団員が、洗濯済みの自前の下着と制服を着ようとして数名犠牲になったが、勇者が即治療してどうにか失態を取り返せた。
最初から死を覚悟しての復讐のため、首謀者がいても使節団全員捕らえる訳にもいかず、実行犯以外は処罰できなかった。
「よくやってくれた、国を滅ぼされ、家族も皆殺された恨み、忘れてなるものか」
「烈士立って再び帰らず、この行いには必ず報いようぞ」
「お前一人だけではあの世に行かせん、儂らも必ず続くぞっ」
遺体を引き取りに来た使節団も、犯人を罰したり罵倒するどころか、泣いて死者に感謝しているので、大体全員同罪で再犯の可能性大だが、魔国への恨みを思い知らされる事件になった。
魔王警護員控室
勇者とトリーとジジイ達は、魔王を連れてきた責任でも取らされたのか、会話ができる魔国竜騎士団や魔王親衛隊、魔王の警護も続行中。
竜国との和平条約や弔慰金などは、外交部や各省庁に押し付けて来たのでどうにかなるが、魔の森開発とか資金運用に砦の建設とか問題課題山積みなのに、魔王本人を連れてきてしまったカーチャとジジイ達に恨み言を言っているトリー。
「全く、炎竜の出現と討伐、竜国との和平や同盟、神聖騎士の出現、魔王の亡命、お主の家族がおると心臓が幾つあっても足りんわ」
「へえ、すんません」
魔国先遣隊討伐とか炎竜事変とか、若竜がカチ込んで来たのも、竜騎士団を強化して解決方向に持って行ってくれたのは勇者のおかげなのだが、まさか魔王が亡命してきたのを連れて来るとは思っていなかった。
伏魔殿の悪魔で被害妄想で狂っていた国母を倒して、国政を正常化してくれたのも勇者の妹の魔女。
魔王の亡骸を浄化してテイムしたのも、竜国とは戦争状態だと言って竜騎士団解散を求めて来た聖竜騎士も、あちらからの不安定化工作の数々を通告してきたのも、和平を結ばせて宝の山を持ち帰らせてくれたのも同一人物なので困る。
平面世界での勝利条件の一つ、神聖騎士ユニット出現を実行したのも魔女で、さらにおかわりが数人分あり、邪神騎士まで出現間近なのは知らないトリー。
この程度の艱難辛苦で弱音を吐いていると、後日頭が割れる。
「魔王からの証言や要求内容は分かったか?」
「まず、御使い様に頭を下げて恭順する気はさらさら無いようじゃ、邪神信仰も捨てる気もない。捕らえられたり処刑されるなら、勇者と一騎打ちをしてから死ぬと公言しておる」
「魔国本国がどこまで譲歩するか分からんが、あちらの使節団が到着するまで真意が分からん。頭が痛い事だ」
「ま、カーチャが来るまで、魔国先遣隊に逆らって、国ごと滅ぼされると思っておった頃よりは幾らかマシじゃ、贅沢は言うまい」
竜騎士団も強くなり、竜の巣との軍事同盟がなったので、魔国の脅威は無くなった。
後は魔王の追跡隊とか、魔国親善大使が来るのを待たないといけない。
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