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魔国竜騎士団と人間国竜騎士団

 魔王一行上空


 自分達の下にトンデモナイ奴がいたので急停止した勇者。


 牛魔王と一緒で竜の巣でも王都でも、一人で叩き潰して廃墟にできる化け物がいた。


 魔王一行は魔国侵攻軍本隊から逃げ、火竜山脈を経由して魔の森の上を通過、人間国への最短距離を通って来たので勇者の帰投コースと交錯した。


 まずジジイの一騎が近寄って来て、緊急停止したカーチャに話し掛ける。


「どうしたっ? 急に止まって何があった」

「下に凄いのがいるんでやす」

「竜の巣に出た牛魔王かっ?」

「あれとはまた別、こんなとこに絶対いちゃいけないのが…… Z級とかそんなもんじゃないのが一人いるんで、爺ちゃん達はちょっと離れてて下せえ」

「分かった」


 白竜と勇者が降下、ジジイ達は少し離れて着陸。本当なら飛んだままか、先に帰した方が良いが、離れても対空魔法のキツ目の物を使われると防げないので、とりあえず後方待機。


(ヤバ過ぎるのが一人、他は大したことない、竜騎士と火竜も普通、リビングメイルと操縦者)


 竜騎士と兵士はレベル100以下で多少強い奴、火竜自身もレベル40ぐらいの普通の竜。


 リビングメイルは動き出したり飛ぶと厄介だが、地上にいて搭乗者が乗るまでは怖くない。


 カーチャのスパウター?(銀魂)だか鑑定眼で、ゴーストはそう囁いていた。


「長寿と繁栄を」


 まずバルカン星式挨拶をしながら前進。掌を前に向けて出し、中指と薬指の間を開けて親指も離して置く。


「リケルトヘスルリカト? カミクロケスッ」


 顔色が青い、ガミラス星人か幻影族みたいなのが何か言ったが、さっぱり意味が分からない。


「ジャンボ」


 アフリカ式挨拶をしても、もちろん通じない。


『え~、スンマセン、竜騎士団の下っ端で、今の勇者でやんす、そっちはどなたさんで?』

『竜語、話す? 誰か?』

『おおっ、通じた』


 魔族の竜騎士団員は、竜の言葉が少しわかるのか、カーチャの呼びかけに答えた。


『へえ、もうちょっと南に行ったとこにある、竜騎士村のもんで、竜騎士団の下っ端です』

『我ら、魔国、竜騎士団、こちら、ミスリル鎧、騎士』


 竜語はバベルの塔で混乱させられていないので、別の巣でも共通語。カーチャの場合、人間語も訛っているので竜語も訛っていて中々通じない。


 竜騎士とミスリル鎧騎士と話してくれたが、肝心の化け物の正体が分からない。


 まあ魔王に間違いないが、なんでこんな所にいるかがイミワカンナイ。


『竜騎士団? 偵察でやんすか? ここ、火竜山で竜の巣にも近いでやす』

『我ら、会う、神の、騎士』

『神の騎士? え~と、竜と話させて貰っていいですけ?』

『やって、みよ』


 竜と直接話した方が簡単みたいなので、許可を得て火竜と話してみる。


『あの、おら、人間の国の竜騎士でやんす、竜と一緒に育ったんで竜語が話せるんですけんど、分かりやすか?』

『ちょ~分かるでえんでが、そん訛りは~なんでんならんな?』

『おお、通じた…… けど?』


 相手側も結構訛っているが、標準語と言うのが無いので、どちらにどう合わせるかが分からない。


『おめなんぞ~、食えもんもでなっか? 腹へっでなんごとなんでえ、いちんちなんも~くっとらんでかい』

『ああ、あるある、大猪の肉でええか?』


 部分的に意味不明だが、食べ物を持ってないか、腹が減っていると言うのは理解できた。


 搭乗者や竜騎士の乾パンや干し肉は持ち出せたようだが、竜の巨大な飯は持ち出せなかったようで、丸一日ぐらい何も食べていないらしい。


 アイテムボックスから非常食の大猪を数匹出してやると、他の竜も集まって来て、十羽ぐらいで食べ始めた。


 魔国で飼われている竜で、人間も竜語を喋っていて白竜も連れているので、竜の仲間として食料の提供を受けた。


『何でまた、こんな遠くまで? 魔国軍って、まだ山の向こうで川の向こうでねえけ?』

『ガフッ、なんでん~、王様、逃げん~訳あっだどで、人間~国ば行けっとな~、途中、休も~て、こんばかれ水のめっぱ~』


 話の詳細に入ると、訛りが酷すぎて理解できない。


 日本でも第二次大戦までは、県ごとに部隊を分けないと言葉が通じなかった。


 カーチャが竜と話していて、食い物をやってどうにか会話しているようなので、ジジイ達も近寄って来て、ハッピーのボトルとか、ビニールパックされているソーセージとかカルパスとか持って相手に手渡そうとした。


『止まれ、近寄るな』

「はて、何と言っとる?」

「はあ、それ以上近寄るなって竜語で言ってやす」

「おお、こいつらも竜騎士団か、まあ飲め飲め」


 ハッピーのボトルもジャーキーも魔国のギルドでも売っていて、印字されている文字も魔族語エルフ語ドワーフ語、全部書いてあるので「何でこんな所に世界の言葉が?」とロゼッタストーン的な扱いもされているが、グッとポイボトルもジャーキーも開封した時に空気が入るので、毒の注射とかはできない。


「まあ、ハラルフード(エルフ的に)じゃないが、魔族でも食えるだろう」


 竜騎士は空を飛んでいる時は敵同士だが、地面に降りた時は敵国でも魔国でも、話は通じなくてもタバコを差し出したり食い物や水を交換したりもする。


「ワリテカン、コメリトテラ」


 魔国の者が何か魔法を使ったようで、通訳や翻訳の効果が多少出た。


『我、竜騎士、亡命、人間国』

「おお、そうか、竜騎士同士だ心配するな。亡命して来たなら、後で案内しよう」

「隊長さん、あれ絶対魔王でやんす、連れて行ったらヤバい事に」

「この人数なら戦争はせんだろう、魔王本人? 革命でも起こったか?」

『追跡、魔国より、困る』

「大丈夫、こやつは勇者じゃ、竜も食い終わるのに少々かかる、腹減っとるだろうから一緒に飯でも食え」


 他のジジイもギルド製の食料を、封されている新品の箱ごと出し、カーチャに至っては家に置くのに持っていた、食い物の自販機ごと出したので驚かれた。


 食料を閉鎖状態でプリントアウトするので、外からは操作できず、毒などは入れられない。


「亡命とか大変だったろう、まずは食って飲め」

『すまぬ、食う、飯』


 給茶機も出してやり、水、茶、コーヒーの冷暖が無限に出る、まず隊長が飲んでやり、毒など無いのを見せる。



 早めの昼飯になり竜騎士同士和んだが、向こうにいる魔王とミスリルのリビングメイルの連中が近寄って来ない。


「陛下、竜騎士同士は争わないようですが、如何しましょう?」

「油断するな、あの小さい娘が勇者だが、魔国を丸ごと滅ぼせるぐらいの化け物だ。其方らは決して手出しするな」

「はっ」


 いつもの行事で、ジジイ達が竜に近寄って話す。


「おう、これもどうだ? 多少塩辛いがソーセージだ」

『何でん分かれんど、肉だ~』


 挑戦者が食ってみると、犬がビーフジャーキーのおやつでも食うように、美味しいので一瞬で食べて飲み込んでしまった。


『うまいっ!』


 さらにハッピーも飲んで口からビーム吐いて、これは魔国でも見る光景なのか、竜騎士も笑って見ていた。


「べえべえべえべえべえ」

『カヒューーン』


 相手の竜騎士の手前、完全テイムまではしないが、これで竜とジジイはお友達。


「ハイファ、魔王様も良ければこれを。機械の販売機なので、毒などは混入不可かと思われます」

「うむ」

「いけません、陛下」

「儂には毒など効かぬ、構わん」


 毒殺されるなら牢屋の中でとっくに死んでいたので、勇者や人間の竜騎士が出す食べ物も飲み物も飲んだ。


「タバコも吸うか?」

『頂く』


 竜騎士は紙巻タバコなども受け取り、親衛隊は禁煙なのか吸わなかったが、貴族のジジイが葉巻をアイテムボックスから数本出してやり、親衛隊経由で魔王への贈り物にした。


「ふっ、人間国の葉巻か、結構いけるではないか」


 牢屋では禁煙だったのか、人間の葉巻も楽しめた魔王。



 食後、リビングメイルの周囲で話している魔王親衛隊。飛行兵は局地戦で、航続距離が長い兵器ではない。


「魔力が残り少ない、飛行兵は最重要鹵獲禁止兵器だ、ここで破壊してから移動するか? 人間国に使われて研究されるのだけは避けなければならない」

「魔王様に魔力充填をお願いしてみては?」

「それだけはならぬ」


 親衛隊上位十名ほどには飛行兵が与えられていたので、火竜などの乗騎が無く、とりあえず愛機に乗って出て来たが、人間国に到達して神聖騎士に面会する所までは飛べない。


「燃料か魔力が無いのか? どれ、儂らで補充してやろう」

『何をする?』


 機体破棄や破壊の単語が聞こえたジジイ達が、降着姿勢のリビングメイルに近寄り、魔石に触れて魔力を入れてやる。


『忝い、愛機にまで魔力を』

「おい、カーチャ、お前もできるか?」

「へえ? おら魔力ゼロですけんど?」

「こいつは竜だ、死んでからも国に尽くしてるえらい奴じゃ、腹が減って飛べんそうだ、腹一杯にしてやれ」

「へえ」


 ジジイ達から見ても、殺されて魔石だけ無理矢理取り出された奴ではなく、老いて飛べなくなってからも竜騎士や飼育員に面倒を見て貰え、死んでからは魔石を取り出して鎧に封印して、空を飛べるリビングメイルにするよう言い残して死んだ竜達。


 今も竜騎士と共に飛んでいる健気な奴なので、見捨てたり破壊して捨てていくには忍びない。


「入りますかねえ?」

「お主なら大丈夫じゃ」


 人間的な魔力はゼロでも、勇者が持つ竜魔術的な魔力はほぼ無限なので、ミスリルゴーレムが光り出すほど充填された。


『おおっ、これが飛行兵本来の力っ』

「凄い凄い、やりおったな」


 他の十機ほどもフル充填完了。整備兵や親衛隊だけでは今までも満タンにはしてやれなかったのが、全員腹一杯にしてやれた。



 向こうでは卓もコタツも無く「麻雀で勝負だ~~」ができないので、「相撲で勝負だ~~っ」と取り組みしている者もいた。


 ジジイ敵に腕力で敵わない場合、若い者のタマタマを掴んでしまうのが常套手段なので、魔国竜騎士の「アッーーー!」と言う叫び声が響いて、取り組み的には無効と言うか禁じ手で反則負けになった。


「べえべえべえべえべえ」

『クヒューーン』


 魔国の竜騎士も、急所付近をイジられて、ケツの方もカキカキされてしまい、結構テイムされた。


「全部補充できやしたっ」

「行けるな? よ~し、そろそろ片付けて撤収じゃ、1100までに出立準備っ」

「おおっ」


 魔国の竜も腹一杯大猪を食べて出す物も出し、レベル40程度の竜はアイテムボックスを持っていないので、食べ残しを収容できなかったが、カーチャが残骸を入れてやって移動準備。


 自販機の類も片付け、ソーセージや甘い物にハッピーのボトルは、魔王親衛隊に非常食として持たせてやり、箱の残りは容量が大きいジジイ達が収容。


 できるだけキャンプの痕跡が残らないよう、ゴミや糞などは埋めて処理して撤収。


「よ~し、竜騎士団出立っ、王都へ向けて魔国軍竜騎士団と共に魔王殿を護衛するっ」

「ヤーーーッ!」


 魔国、人間国、別れて飛行を始めて上空待機、編隊を組み終わってから出発。


『素晴らしい編隊だ、あの飛行間隔も火竜の扱いにも一切無駄がない、一糸乱れぬとはあの飛び方、恐ろしい手練れ達だ』

『うむ、敵に回さなくて良かった』


 その道30年以上のジジイ達の変態編隊飛行も評価され、加速の魔法は魔国も使っていたが、編隊全てを縮地で移動させられる、勇者の竜魔術には全員驚いた。


『おお、これが先程の音速越えの正体か』

『四十機近い編隊全てを引っ張るとは』


 魔国の追手など追い付けるはずもなく、勇者と魔王一行と言う変則の組み合わせ変態?は王都へ向かった。



 王宮、式典場


 昨日、魔国軍先遣隊に勝利した竜騎士団と暗黒竜が招待され、参加した二十七騎全員と、炎竜討伐に参加した貴族、メテオストライクを使用したドラゴンスレイヤーの小隊長なども参加。


「御来客の皆様、魔国に蹂躙され辛い思いをなさった国もおありかと存じます、この者達はその魔国先遣隊を打ち破った竜騎士団。誉れ高き二十七騎で御座いますっ、拍手でお迎えくださいっ」


 使節団などの招待客の前で、世界最強の竜騎士団として紹介され、王より上の神聖騎士からも表彰され、新王から感謝状なども出た。


「今日の良き日に、貴殿らの働きに感謝し、爵位を授ける」

「有難き幸せ」

「身に余る光栄です」


 団長は予想通り、家の爵位以外の子爵に、副官と貴族達も昇爵、平民は男爵位に叙爵された。


 さらに昇爵された暗黒竜からは、有り得ない献上品が出た。


「あの~、修理したら使える大型のストーンゴーレム(屋外用)が千体近く、もっと大きいアイアンゴーレム、こっちは修理しないでも使えるのが十体あるんすけど?」

「は?」


 王国にはそんなに大勢のゴーレムを使役できる魔法士はおらず、超大型アイアンゴーレムを使役できる搭乗者はいない。


 王都周辺に無傷のストーンゴーレムを、五十体ほど配置しただけでお腹いっぱい、もう食べられませんなので、魔の森にでも持って行って、暗黒竜のクランで使える術者がいたら使役する。


 いるとすればレベル100を超えた魔法師団長とか周辺の側近ぐらいなので、あちらにも三十体ぐらい余るほど押し付けて、研究用にアイアンゴーレムも一体忘れて来た。



 平民隊員と陸戦隊の元飼育員なども別室で表彰、飼育員は騎士爵に、平民隊員はとりあえず準男爵か男爵を内示された。


「何だよ、男爵じゃないのか、セコいなあ」

「そう言うな、両方の作戦に参加したのは男爵だ。全員いっぺんは数が多すぎるからだってよ、もう一回戦功が有ったら即お貴族様だ」

「団長も第二次攻撃に残してくれりゃあ良かったのに」


 先遣隊への爆撃に参加しなかった者も、団長推薦で男爵位と領地が貰えるらしい。


 これが鷹の団なら死亡フラグで、グリフィスさんがガッツを失って失望、お姫様とやらかしてしまい、全員出世前に殺される。


 ストナも呼ばれていたが、こちらは勇者聖女聖人の育成により、騎士爵か男爵程度の地位。


 先王が帰り次第、各種竜の育成や竜国との和平に貢献した功績により、子爵昇爵と領地が与えられる。


 竜騎士村1,2ぐらいの狭い領地と、村3、4の新設に、竜騎士団駐屯地そのもの、生産力は何もない場所だが加領される。


「ストナ、儂は家督を継ぐのをやめて、領地を貰い子爵となるつもりだ。其方もまだ昇爵しそうだから同格になるな」

「いえいえ、恐れ多い事で、団長様と同格など」


 これで何の関係もない武官や文官から乗っ取られる心配は減ったが、大公の息子が新竜騎士団長の人事は確実で、現団長は肩叩きされ今回の戦功を花道に退任。


 新領地を与えられ、子爵の椅子で黙らされて、クローリア家だけの武力占有から外される。


 そんな計略を見越した魔女の和平条約で、竜舎の檻が取り払われて、トリーとジジイ達が火竜と飛竜の大半を連れ去って魔の森で開発。


 これから来る魔国竜騎士団の居場所が無いので、何故か竜騎士団に魔国の竜と騎士が入居する事になって、新しい主人は言葉が通じない騎士を率いる羽目になる。



 そんな式典の最中、先王と元大公とトリーを乗せた飛竜と、魔女が空港に帰還してしまった。


「竜国との和平が成った、さらに軍事同盟や貿易の独占っ、すぐに王太子に取り告げっ」

「ははっ」


 先王の私室、伝声管の先にいる住人にも速報が出され、情報部的な所から各部署へと伝達。


 神聖騎士付きの下級天使が王宮と王城を把握し始めているので、文官と武官の新しい構成ができ始めて、以前の伏魔殿の生き残りも粛清の嵐によって排除されていた。


「外交省の者を全員集めよっ、竜国との条約内容を精査するっ、財務の者にも声を掛けよっ、貿易をわが国だけで独占したっ」


 引退したはずの元大公も目の色が変わってしまい、泥棒市?で盗んで来たような大量の宝を割り振って、書類上の不備を調べ上げ、財務の者は魔の森への予算配分や、竜国からの資金貸し出し量、名目だけの炎竜への弔慰金なども調べなければならない。


「古代エルフの超文明の遺産の調査権と使用権も独占したっ、王国付きの錬金術師も全部集めろっ、すぐに現地に飛んでもらうっ、忙しくなるぞっ」


 神聖騎士ユニットが出現したのは大事件だが、それを知らされた後でも竜国との平等条約で和平で軍事同盟の方が大事件。


 周辺国から上納金とか支援金とか挨拶金とか交際費用が出るが、竜の巣が貸し出してくれる金額は桁が三つ四つ違う。


 以前は手出ししたら死ぬ案件だった魔の森が解放され、竜の餌場を荒らすと攻撃される場所が、新領土として開発もできる。


 魔法帝国とか飛竜や人間の数が多すぎる全権大使は少々帰って貰い、空港を開ける措置が取られて、新たな使者が来るのも迎え入れる。



 エルフさんは古代文明の事はあまり知らず、六角形の平面世界の周囲に六本、真ん中に一本生えている、軌道エレベータでバベルの塔で、地上付近は世界樹の木に偽装されている周りに住んでいるだけで、ロハスでエコな生活をしていて難しい機械は大して持っていない。


 軌道エレベータは平面世界を貫通していて、裏面とは繋がっているが、地上付近に出入り口はない。


 上下にイエールとザレムが付いていたり、終点のザレム以下の地上に、ガリィの残骸やゴミが落ちてくるクズ鉄町的な場所は無く、エルフの森を中心とした楽園のような、腐海から解放されたような清浄な土地だけがある。


 ラピュータとか天空の城は放棄して地上に降り「種と共に冬を過ごし、土と共に生きよう」的な生活をしている。



 さらに一時間以内にジジイ竜騎士団と魔国騎士団、勇者と魔王が到着し、混雑した空港に着陸してしまった。


「竜騎士団所属、予備役兵クラニラトル子爵っ、本日1000、魔の森に置いて魔国軍竜騎士団、魔王親衛隊、魔王殿と遭遇っ、亡命を希望と伺いっ、王都までお連れした次第ですっ」

「ま、魔族…… 魔王親衛隊?」

「魔王……」

「ミスリルゴーレムの飛行兵……」


 親善大使や来客の中で、一番有り得ない客が来てしまい、竜の魔石まで装備したロストテクノロジーで作られた、10メートル以上あるミスリルゴーレムまで降下。


 どれだけ金を積んでも買えない、所有できない維持できない製造できない、凄まじいオーパーツを見せられ、魔王親衛隊で魔王と信じるしかない亡命者。


 鑑定眼がある者が見てもやっぱり魔王で、王都ごと月まで吹き飛ばせる化け物なので、膝から下が産まれたての小鹿になった衛兵達と、来客の為に待機していた文官の偉いさん。


「ご、ご案内します」

『ご苦労』


 もし王都に入れるのが危ないからと、竜騎士団駐屯地に連れて行ったりすると、必ず「魔国と通じて国家転覆を図った疑い」と言われるので、直接王都の中にある空港まで連れて来てやって意趣返し。


「きひひひひひ、連中、目ひん剥いて腰抜かしそうにしてるぞい」

「そりゃあ魔王だもんなあ、竜のリビングメイルだって、人間の技術だったら絶対作れねえ」


 数々の戦功で貴族になったジジイ達も、面白過ぎて笑いが堪えられず、王太子で新王とか、先王や元大公まで腰抜かすのを見たくて、腹の中でゲラゲラ笑って腹筋が割れていた。

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