魔王と勇者、ジジイミーツガール
竜の巣、城壁
長老は先程魔女に手渡した魔道具を、今すぐ使うことになるとは思わなかったが、謝罪のしようもないまま通話状態にした。
呼び出しに多少時間が掛かり「怒っているのでは?」と思ったが、本当に怒っているなら牛魔王を置いて行くか、暫く暴れさせてから帰ったはず。
『はい、ターニャです。飛行中なのでお待たせしました』
「モーーー↑」
魔女も怒り狂っておらず、牛魔王は小型化して子牛に戻り、魔女の近くでモフモフされているようで安心した。
『む、済まなかったな、まさか馬鹿共が見送りの時を狙って来るとは思わなんだ。牛魔王がいるので決して手を出すなときつく言っておったのだが……』
『ええ、また魔国の工作ではないかと? 人間国の歩兵師団にベル姉さん…… 炎竜の娘が行った時も、自分の死を覚悟した死兵が紛れ込んでいたようで、多数が襲い掛かって手に負えなくなってベルを鳴らして、母竜を呼んだようですので』
人間国での公式発表で公式見解ではそうなっているのか、ベル本人と面会した時はゲラゲラ笑いながら人間共を殺すために母を呼んだ、過去視でビジョンではそう見えた。
そう言う事にしてくれて、巣の総意や真意を責めず、一部の突出した原理主義者のテロを魔国の工作だと思ってくれて、長老への責任を問わないでくれるようで助かった。
『借りができてしまったな、これはいつか返す』
『いえ、モーちゃんが大きくなって城壁を壊してしまって申し訳ありません。どなたかお怪我などしませんでしたか?』
『大丈夫だ、心配せんで良い』
もし正式に継承されていない暗黒竜(偽)に一撃加えられていたら、簡単に首を飛ばされて死んでいて、以降は本物の暗黒竜ダリーシュを招聘しなければならない所だった。
魔女的にはその方が都合が良いはずだが、死に竜まで出してまで奪い取りたいものでは無いらしい。
『何か空間に裂け目も作ってしまったようで、元に戻りましたか?』
『ああ、平面世界の空間管理局が修復したようじゃ、問題ない』
城壁の破損など物の数ではないのですぐに修理できる。
『わたくしがテイムしてしまったので、モーちゃんはどこに行こうと、空間転移してでも付いて来てしまうので、ご容赦ください』
「モーーー↓」
竜を全員テイムできるジジイ共も脅威だが、悪辣さと牛魔王付きな娘も恐ろしい。
敵の手には渡してはならない者で、懐柔策があるなら何をしてでも手元に残さないと怪獣が出て来る。
一般の低レベルで弱い住民など、牛魔王の本気の魔法攻撃を受けていれば、属性関係なく大半が殺されていて、名前持ちの強い竜以外、余程の幸運持ちだけしか生き残れなかった。
改めて牛魔王の恐ろしさを思い知らされた竜の巣なので、今後馬鹿なことを仕出かす者は居なくなるはず。
『人間国でも、多くの者が魔国の工作員に頭から食べられてしまい、記憶も姿形も奪われ、元の地位のまま諜報活動していた者がおりましたので、今回はそんな方の仕業だと思います。今回の魔国の目的は勿論「牛魔王暴発による竜の巣の破壊」です』
前魔王を竜の巣まで持ち込み、長男やベルの解放や各種権利主張など、強大な圧力をかけた本人が言う話しではないが、公式見解をそうして良いなら処罰が捗る。
まずは関所で牛魔王を見逃した者の処罰、原理主義急進派の処刑、指示を出したと思われる、僧院の大僧正を始末する。
『うむ、大僧正が食われたのなら、かなりの使い手となるな、心して掛かろう』
それが本当なら魔国四天王配下レベルの強敵が潜入したことになり、人間国に大勢の人狼やリッチ、ヴァンパイアロードとヴァンパイアの集団が潜んでいたぐらいの脅威になる。
部下の余りの愚かさに眩暈がしそうだったが、操られて竜の巣を滅ぼそうとしたと考えなければならないほど愚かなので、そのように処理する。
竜の巣、僧院
フル装備の竜の地上軍が突入、入り口から討ち死にした武僧の亡骸や負傷者が転がり、元から戦えない聖職者が降伏したのも多数。
内装も祈りのための器具も、相互の破壊魔法でグチャグチャに壊され壁や柱も破損。古い建物なので土竜に依頼して新しく立て直した方が早いほどの被害を受けていた。
『大僧正確保っ、大僧正確保っ』
『表に引き摺り出せっ、公開処刑だっ』
魔女を襲撃して、全く歯が立たないのも分からず、牛魔王を巨大化させて本気で戦わせる寸前にまで追い込んだ張本人。
何をどう考えようと「魔王に竜の巣を破壊させるための自爆テロ」としか判断できず、即座にカルト宗教でテロ集団の根絶が行われた。
『無実だっ、私は巣を救おうとしたのだっ』
『どの口が言うかっ、このテロリストがっ』
散々殴られ蹴られ、法衣以外に区別できず、本人かどうかも分からないほどに叩きのめされた大僧正が、最後の尋問を受けるためにトップ数名の前に引き出された。
『厳重に注意したはずだぞ、牛魔王を従魔とした人物、何があろうとも襲撃してはならぬとっ』
口が酸っぱくなるほど、耳にタコができるまで言ったのに、発達障害で価値観や立場認識が逆転してしまっているので「絶対にやるな」とは「押すなよ、押すんじゃないぞ~、うわ~、殺す気か~、や~~」だと本気で思っている連中。
インディカーに行った高木虎之介みたいに「ピットクローズ、ピットクローズ」と視聴者にも聞こえた無線でピットインして笑われ「ピット入れって言ったじゃん」と言った「だってそうしろって言ったじゃん」を半ギレで言える基地の外にいる人物。
『わ、私は巣を救おうとしたのです、長老こそ目を覚まされよ、あのような魔女の誘いになど、絶対に乗ってはなりません』
『馬鹿か? あやつは実力で巣を破壊する事も、占領する事さえできたのにそうしなかった。こんな腐り果てた、古い因習にばかり縛られた巣の実権や支配など、全く興味を持っておらぬからだっ』
『は?』
大僧正は、自分が苦労して手に入れた「伏魔殿にある腐った大僧正の椅子」を人間に取り上げられると思っていたらしく、その地位から入手できる尊敬や賄賂が、この世の全てで輝かしい物なんだと思い込んでいた。
まさか長老も「あの子はお兄ちゃんからの愛以外に、な~~んも興味がないよ~~」とは言えず口ごもったが、儀式だの仕来たりだの言い伝えだの、権威主義で腐った僧院にも長老会議にも、殴り合いでの位置決めや地位の決定にも興味はない。
『でも、私共の戦いの結果、奴と魔王を撃退するのに成功しました。尻尾を巻いて逃げ帰ったのですっ、この実績と成功…… ガフッ!』
長老自ら蹴り倒し、余りの無能さに怒り狂う。
『あれは帰ってくれたのだっ、無傷の牛魔王まで引き連れてなっ、お前達が用意した道化12名を叩き落して遊んでやり、ほぼ全員を汚らしい愚かな魔物に変えて、生き恥を晒した者は生まれたことまで削除して存在しないように消して、今日の襲撃さえ無かったことにして、全員魔国に操られていたことにしてくれたのだっ』
早速親族からの申請があり「そんな馬鹿な者は親族に存在しなかった」と処理して情けを掛けて貰えるように頼み込まれている。
そうでなければ竜の巣への反逆と破壊行為で、親族一同討ち滅ぼされるので、それだけは回避して貰えるよう土下座謝罪中。
本人たちは、壁画やポスターにまでして貰えて、死んでも勇者とか義士烈士と持て囃して貰えるつもりが、あらゆる所持品や痕跡まで完全に消されて消去された。
掟を超えて番まで解消され、娘を他の竜の所の後添えとして出し、娘や息子はその家の子として扱って貰えるよう持参金まで出す。
『道化ですと? 十二使徒と呼ばれた手練れを、そのように言うのは長老と言えども許されませぬっ』
どこかの呉軍港から出航した護衛艦を追尾して衝突した釣り船みたいに、釣り客を乗せた船が瀬戸内海から外洋に出るはずが無いのに、GPSの存在すら知らなかった60歳以上の左翼活動家が九州沖で起こした事件と一緒。
瀬戸内海にいた時点で釣り船の船長と、偶然乗り合わせてしまった釣り客は、そこで撲殺されたか瀕死の状態でバケツの海水に頭から突っ込まれて溺死。
四級船舶でも持っていた活動家が護衛艦を追走して、一度激突しようと特攻したのに回避され失敗。
もう一度回頭してどうにか激突して、甲板に置いていた船長以下釣り客の死体を海中に投棄し、自分達も海中に飛び込んで誰かが撮影を続け、救命胴衣を着けた釣り客の死体を抱えて「自衛隊に殺された~~」「護衛艦に追突されて船長も釣り客もみんな死んだ~~」と言う映像を撮ったのに、没収されたか投稿しても即削除。
GPSで航路解析されて釣り船側が無理矢理追突したのが判明するまで、各メディアで護衛艦追突によって船長と釣り客が虐殺されたんだと、毎日メディアスクラム組んで放送したのに、一瞬でネタがばれてしまい笑い者。
民主党とか立憲民主の馬鹿は、GPSも知らないでグーグルアースの画像はリアルタイムの映像だと思い込んでる、お笑い集団だと証明してしまい生き恥。
今回の対馬海峡の中国艦通過、津軽海峡のロシア艦通過でも同じことをしようとして、護衛艦の前に水上警察に阻止された懲りない老人の活動家達。
『聖竜騎士と認めたと言え、竜でもない人間族の勇者候補にあそこまで見事に破れた馬鹿者ども。結局破壊魔法も使わず、追跡魔法も一切使わず、治療魔法の変形技で全員愚かな魔物に変えられたのだ。悔しいと言うなら一人でも元に戻してみよっ』
大僧正は事ここに至ってもまだニタニタ笑ったので、周囲の者に手出ししているのだろうと分かった。
『他にも何か工作しているか? ならばお前の親族は全員始末する。孫を尻尾からひき肉機に入れて、その肉を食わせてやる、覚悟しろ』
『お許しをっ』
三女四女も高レベルなので、前に来た魔国暗殺団と同じで、竜レベル50程度の兵なら勝てる。
もし幼竜二匹を狙ったりすると、土竜が決して許さないので、竜の刺客が来ても石の牢獄で石にされて、永久に恥を晒し続ける羽目になる。
『お前は魔国の調略に応じ国を売って、牛魔王を使って竜の巣を破壊しようとしたのか? それとも魔国の間者に薬でも盛られて洗脳されたか、頭から食われて記憶と姿を盗まれたのか? どれを選ぶ?』
『そんな、この私の巣を思う心が分かりませぬかっ? あのような魔女に自由気ままに振る舞われ、愚かな人間国との和平や同盟など、屈辱の極み』
まさかとは思うが、馬鹿は敵方に神聖騎士ユニットが出現したのを知らないのかも知れない。
『人間国に神聖騎士が出現したのを知らぬのか?』
『そのような事有り得ませぬ、愚かな人間の中に神話の騎士など出現するはずが無いのです、どうか嘘にだまさ…… ぐはあっ』
もうニ、三回蹴り倒し、顔を踏みにじって唾を吐きかけ、ついでに小便でも飲ませてやろうかと思ったが、下品すぎて僧侶も見ているので踏みとどまった。
『お前の死体と魔石は、その魔女にくれてやることにした。正常な葬儀など絶対にしてやらぬ。冒険者ギルドで切り刻まれて素材や部品として売られ、魔石は飛空船などの動力となる。永遠に恥を晒し続けるがいい』
『背教者めっ、神の天罰を恐れぬのかっ、こんな巣など滅びればいい。私の目を東門に掲げておけ、あの世から見ておいてやるっ』
相手の能力も見極められない、戦いを挑んでも負ける、怒った牛魔王が巣を破壊する、人間国に神聖騎士が出現したのも認められない。
神聖騎士が神話の騎士で、本気になれば天使の軍団を使役して、竜の巣でも一瞬で塩の柱なのだと理解できない。
あらゆる無能で馬鹿な行動に対しては、処刑後の高札にあらゆる罪を並べ立ててやり、魔国に金や地位で巣を売った売国奴で、牛魔王を怒らせて巣の住人の大半を殺して自分が王になろうとした愚かな生き物として、一族全てを殺すことで答えてやる。
『それが本心なのだな、この売国奴が。皆の者、こ奴は魔国からの調略を受けて巣を売った売国奴。あらゆる辱めをしてから殺せっ、一族郎党が死に絶えるさまを見せつけてやり、全員禁じられている血を流す方法で殺し、全身から血抜きして瓶に溜めて、首を切り落として肉として素材として人間に与え、その魔石までも動力源として、永遠の辱めを与えよっ』
『はっ』
『おのれっ、売国奴はお前だっ』
『その強がりがいつまで持つかな? 孫や娘が泣き叫んで挽肉機に掛けられ、お前のせいだと呪い泣き叫びながら死んでいく。一人づつその処刑を見せてから、天に上ることも土に帰ることも許さず、一人残らず冒険者ギルドに素材として売ってやる』
『やめろ~~っ、娘や孫は関係ないっ』
『お前はそれほどの罪を犯したのだ、地獄で悔いろっ』
長老や神竜は、大僧正を蹴ってから退場し、巣の広場で子や孫に至るまで一人残らず残虐に処刑する所を公開し、首を晒した宣告の文言や高札にはこう掲げた。
1,この者、魔国と通じ、自らの地位と金銭を約束され、竜の巣を売った売国奴なり
2,人間国に出現した神聖騎士を信じず、反抗を試みて竜の巣を危機に陥れようとした愚か者なり
3,巣の滅亡前に訪れてくれた、親善の使者を殺害しようとした無能なり
4,前魔王を浄化して従魔とした人間の聖女を、殺害し追放するよう神殿で処刑宣告を下し、魔王の怒りを持って竜の巣の住民全てを殺害しようと試みた、竜の敵で神の敵で教義の敵である魔なり
5,この者の一族郎党一人残らず同じ辱めと処刑を下し、以降同じ試みを成さんとする者への警告とする
6,この者達の死骸は弔うこと能わず、祈りを捧げる者には同じ処罰を下す
7,惨めな死体は人間国の冒険者ギルドに売り渡され、肉や素材として切り売りされ、魂が籠った魔石は動力源として使用され、永遠に恥を晒し続けるものとする
首を切り落とされて衆目にさらされ、血を流す処刑をされ、その亡骸は葬儀も行われず、鳥にも食べられず虫の腹にも収まらず、天にも土にも帰れない。
愚かだと侮った人間の食べ物となり、腹の中で消化されてから便壺に落とされ、次には異国の下水でネズミに食われ、下水道の住人になる最低の辱め。
娘や息子、孫に至るまで処刑される所を見せつけられて、根絶やしにされてから魔石や肉や部品で素材として売られる。
竜の巣で有り得る最低の処刑をされて、死後も鳥や虫にも食われないよう処置され、後日、殺そうとした魔女本人に引き渡される。
襲撃を行った十二使徒と呼ばれた武僧達は、尊敬されていた記録も何もかも親族に消去され、そんな恥ずかしい馬鹿で無能は存在しなかったことに書き換えられて消えた。
以後は航空ショーでやるような煙吹きながらやるダイヤモンドループとか、我ら空中騎士団~ドヤァみたいな空中に紋章を描くイキった出現をしたり、シムーンみたいに何とかの型~ドヤァ、みたいな奇跡を起こす陣形をとる馬鹿も次世代は出現しなかった。
一人を残酷に処刑して百人に警告する。これ以降魔女を侮って馬鹿にして、宗教上の敵だとか人間如きと嘲笑って貶めようとする者は出なくなった。
燃える大地
一晩泊まって観光も宴会もして、携行用ツマミに甘い物まで食い、川の天然温泉にも入って竜の娘とも混浴、幼女戦記の大隊的に英気を養った一同。
「こりゃいかん、団長(初代)と先王様方は朝一で帰ったそうじゃ、護衛で威力偵察のわしらが同行せぬとか有り得ん」
昨日は何かの術を使われたのか、先王の護衛でトリーの従者も外れるような行動を取ったが、長老か神竜の暗示でも解けたようで、魔道具の通信内容を見て本来の思考に戻ったジジイ達。
「お前ら、急いでトンズラするぞい、カーチャ、この家はどうする?」
「へえ、次に来るもんのために置いて行きやす」
仮設住宅も新品なら回収したが、ボットン便所とか使用済みになったので、アイテムボックスに入れたくない。
「総員撤収準備っ、0800までに出立っ」
全員慌てて撤収準備している間に、竜魔術の固定化の魔法を掛けて、緑の中に埋まってしまわないようにして、勝手に使われないよう施錠の魔法と入場不可の魔法もかける。
半死半生で来た奴の為に、緊急時は竜でも人でも入れるようにして、少量の水と食料、治療薬も少々入れておく。
『おじちゃん、一緒に連れてって』
『パパと一緒にイク』
若竜の男はまだ良いとして、メスの方は女子高生ぐらいのが着いて行こうとしているので事案発生で誘拐事件。
「う~ん、連れて行ってやりたいが、一度家に帰れ。父ちゃん母ちゃんと相談して、独り立ちしてもいいと許可を貰ってから来い」
『ヤダヤダ、パパと結婚するんだモン』
『クウ~~ン、帰らない』
言葉は通じないはずなのだが、従魔としてなのか、何故か会話が成立している。
『オマエラ、いっぺん家帰れ、でないと爺ちゃんが誘拐したことになって、巣から追手が出る』
『ヤダ、パパと一緒にイク』
文字面も行動原理で目的も、ジジイがタイホしちゃうぞ?されてしまうので、どうにか断念させようとする。
『んじゃあまあ仕方ねえわなあ?』
竜のメスとかオスの腹目掛けて、キツ目の腹パン入れてやり、マジゲロ吐かせてお好み焼きともんじゃ焼き焼かせた勇者。
『うげえっ』
『げはあっ』
「な、なぜ殺したし……」
竜の試練の時も、力技で通ろうとすると「風竜、地竜、氷竜(間引かれなかった方)が仲間になりたそうにしている」ようなステータスになり、試験官を連れて行く訳には行かないので、軽く?腹パン入れてもっと瀕死にして、竜の巣四天王にもマジゲロ吐かせた勇者(炎竜は嫁さんに後ろから撲殺?された)。
頭とか顎揺らして気持ちよくノックアウトしないで、腹に地獄の苦痛を残して倒れさせ、テイムとか従魔契約まで破棄させた力技。
今回も以前の経験が物を言ったのか、従魔契約自体を無かったことにして、若竜達の死体?を放置して立ち去った。
「サイバ〇ロン戦士、トランスフォームッ、出動」
「おおっ」
竜に騎乗する際の鞍やベルト装着は省いてアイテムボックスの中。竜と同化する魔法を火竜達に唱えて貰い飛行開始。
こちらも編隊組んでからは早く、加速と縮地を入れてドッカンドッカン鳴らしながら超音速飛行した。
火竜山脈、魔の森付近
魔王侵攻軍の亀形要塞を脱出した魔王一行。加速魔法などは使っているが、火竜と竜騎士には休息が必要なので、追手を気にしながらも何度か休みながらの強行軍。
リビングゴーレムでミスリルゴーレムの搭乗者も、魔王に対して「そこで垂れ流してください」とは言えず、数時間置きには停止。
人間領に入ってからは便所休憩や食事休憩も入れて、適時休みながらの逃避行になった。
魔国からの使者は、飛竜を使ってヘリボーンした潜入工作員が、転移ゲートを設営して人間国まで一瞬で到着したか、縮地が使える術者が先行していると考えられた。
「陛下、神聖騎士の御所には、魔国からの使者が先行したとお考え下さい。現地で戦闘になるとは思えませぬが、その場で捕らえられる可能性もあります。如何なさいますか?」
この場合、切り結んでその場で死ぬ。魔国の使者が正当政府として扱われ、捕らえられて犯罪者になり簡易裁判か軍事裁判で周辺国からの告発で処刑される。自裁して潔く果てる。などの選択肢を選ばされている。
「お主らは生きよ、まだ若い其方らが老体に付き合うことなど無い。儂は封印の魔道具など付けられる前にひと暴れして、現魔王の力を見せつけてやる、今の勇者が現れるであろうから、そ奴と一騎打ちと洒落込むつもりだ」
「いけません、お命を大切に、また反抗の機会もあります」
そうは言っても、魔国本国は恭順派で抑えられてしまい、要塞内では魔王が自分の破壊魔法さえ使えないほどの結界で雁字搦めにしてあり、衛兵が来たのなら個人の戦闘技でも見せつけてやろうかと思ったが、以前から忠義を尽くしてくれた文官や参謀の重臣が、泣きそうな顔と言うか泣きながら寄せ集めの武器など持って蜂起したので「ダメダコリャ」と言って下唇出して自分から牢屋に入った。
「まあ、魔族として十分に人生を楽しんだ。こうやって屋外で逃げ暮らすのも一興。最期にひと暴れして果てるのもまた一興」
そこで上空でソニックブームが起こり、音速で何かが飛び去り、こちらに気付いて急停止して上空に戻って来た。
「追手かっ? 飛行兵緊急起動っ、火竜騎士飛び立てっ」
「いや待て、あれは勇者じゃ」
運命の相手が現れたようで、魔王もここで果てるか、因縁の決着を付ける時だと察した。
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