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ウォークインアイテムボックス

 修道女会外部、元リッチと元ヴァンパイアの場合


 地下牢の住人や、苦渋の塔にいた収監者が解放されたが、修道女会なので男子禁制のため、外部の建物の宿房や信者用の宿泊所で一夜を過ごした。


 一室で昨日の元リッチが、朝日の余りの眩しさに夜明けとともに目覚めた。


「おお、眩しい、これが下界の風景、何度夢見た事か、ここはもう塔の中ではないのだな」

「はい、魔窟から離れた修道女会の宿泊所でございます」


 若様に言い聞かせるだけでなく、自分にも何度も聞かせないと、現実だとは信じられない爺や。


 朝の目覚めからして違い、石壁しか見えず、穴を開けて外を見ることすらできない、上の方に明り取りの口が少しだけ開いた昼なお暗い塔の中ではなく、木戸を解放しただけで朝陽が差し込み、澱んだ空気が一気に入れ替えられる別世界。


 部屋には茶を入れる設備まであり、爺が数十年ぶりに茶を入れてみた。


「はは、茶を入れるなど何年ぶりでしょうか? もう入れ方など忘れてしまいました。味の保証は致しませんぞ」

「儂も茶の味など忘れた、それにしても昨夜の食事、何と美味かったことか」

「ええ、あれは一生忘れませぬ」


 夜に平民用の食堂を貸し切りにして、元王族と関係者全員に食事を出したが、地下牢で出る貧しい食べ物でもなく、毒殺を恐れずに熱い物を口にするなど無かったので、周囲でも嗚咽の声が収まらなかった昨夜。


 塔の住人はもっと酷く、食べ方や噛むことまで忘れていたり、口にしても戻してしまったり、若い体なのに胃が固形物を受け付けなかった。


 スープやシチューから始めたが、それでも涙が止まらず、食べ物が見えなくなるほど泣けて、涙の味がするシチューをスプーンで掬ったり、器に口を付けてグイグイ飲んだ。


 周囲で食べていたのは自分の政敵だったり、陥れたはずの者だったが、それすら忘れて飲み、食べ、今ここに生きていることを実感して謳歌した。


「朝食はこちらで召し上がられますか? それとも一般客と同じ食堂で?」

「うむ、また泣けてしまうだろうから、この部屋で食べよう」


 朝起きると、扉の下からメモが入っていて、食事方法を選べると書いてあった。


 塔の住人にはスープやシチューが鍋ごと用意されていて、時間を掛けてゆっくり食べられるよう配慮され、冷めれば部屋の魔道コンロでも温められる。


「本日はこれからの行き先の話し合いをするそうです。山荘が好きか、湖畔や海の近く、南の果ての冬でも暖かい場所、夏でも涼しい別荘地、色々選べるそうでございます」

「それは楽しみだな」


 それまで観光パンフレットのような品が配布された。



 乙女騎士団練兵場


 修道女会でも男性でも出入りできる区画、一組づつ面接して今後の行き先など決め、茶菓子など置いて茶会風にして飲食できるように設置。


 その間にアトラクションを開催する。戦隊ヒーローショーとか舞台劇ではなく、いつものレベル上げ大会と鮮魚の解体ショーである。


「おはようございます、昨夜はお休み頂けましたでしょうか? 眠るのも無理な方は記憶を消してしまい、数十年前まで戻すこともできます、宜しければご利用ください」


 昨日も見た、聖女の法服を着た暗部の者が挨拶し、昨夜も泣き叫んで暴れていた者は、記憶まで数十年前まで戻したり、幼い子供からやり直す者も多くいた。


「それでは新聖女様がお出でですので、一言ご挨拶を頂戴致します」


 自分達を地の底や、この世の地獄から救ってくれた天使が来たので、皆で拍手して迎えた。


「お疲れ様です、お集まりいただきありがとうございます。これから皆様をご自由に出歩けるようにしたいと思いますが、護衛の兵士など付けると行き先が漏洩したり、裏切ったり皆様を誰かに売り渡す危険もあります。そこで、皆様自身のレベルを上げてしまい、誰にも負けない体にさせて頂こうかと考えております」

「はぁ?」


 ゴブリンにもオークにも負けない、姫騎士も女騎士も「やっぱりチ〇〇には勝てなかったよ」にならないよう、雨にも負けず風にも負けない強い体にする。


 法服の上着を脱いで捩じり鉢巻きでもした魔女とデイジーは、今日も脅威度が高い海魔を出し、すしざんまいの社長みたいな鮮魚解体ショーを開始して、食べたい者にはわさび醤油で食べさせる。


 一回アイテムボックスに放り込んだので、鮮魚と言えど冷凍したのと同じく、寄生虫まで細胞が死んでいるので腸を食い破られたりはしない。


「はっ」

「よっ」

「お見事です、聖女様……」


 やはり暗部全員、魚の裁き方に感嘆していたらしい。


 ちなみに昨日着ていた法服は、虫の体液とか泥で一旦グチャグチャになったが、生活魔法で綺麗にされた後、魔王すら浄化した場面にもいて、毒婦すら浄化した場面にも同行した服なので「聖遺物」として扱われ、聖堂で強化透明アクリルに入れられて、一般信者に展示されたりしている。


「コロシテ…… コロシテ……」


 三枚に下ろされた瀕死の海魔に感度3000倍の剣で止めを刺させ、女なら僧侶を極めさせるか聖騎士にしてしまい、治療呪文も覚えさせる。


 余り僧侶適性がない者はサムライ職にするか、暗殺されないようにニンジャにしてしまい、暗殺者の視点から自分の身を守らせる。


「殿下、もうお休みください」

「まだまだこれからだ、聖女を守れるようになるは、もっと強くならなくては」


 またイケメン少年Aぐらいの、忠誠度100%の手下が増えたようで、求婚までされていないが、命を懸けて戦ってくれるゲボク君が増えて、悪い顔でほくそ笑む魔女。


「おひいさま、もうおやめくださいませ」

「なんの、失ったはずの我が両目は開いていて、手足まで戻して貰えたのだっ、何を恐れることがあろうかっ?」


 動けて目が見えるのが幸せなのか、聖なる神の軍隊の末席にでも加えて貰おうと、戦いには向いておらず腕力が少ない元姫まで、ひたすらレベル上げ。


 糖分を失って両手がガクガク震えると、菓子を掴んでボリボリ食べ、筋肉が不足していると鮮魚でもガフガフ食べて、とにかく力を付けようとする。


 軽いアトラクションで、ちょっとダイハードでアンブレイカブルになって貰うはずが、皆が聖女の為に戦える力を身に着けようと必死になっている。



 ちょっとムキムキになってから、皮鎧とかもフィッティングしてお見立て会、ある程度の装備と金も与え、全力ダッシュしても壊れないブーツも支給。


 身代わりの護符やマジックアイテムも与え、全身を高価過ぎない「ころしてでもうばいとる」の範囲外の装備で纏めた。


「ここまでレベルを上げれば、国内を旅して頂いても大丈夫かと。魔国軍が来ておりますので、まずは冬宮まで行って、この国も占領されてしまうようなら、国外まで落ち延びて下さい」

「有難き幸せ、どれだけ感謝しても足りませぬ」


 全員目付きがイカレ始めているので、旅行でもしてから国外に逃げるよう気軽に言われたが、聖女が出陣して魔国に対抗する最期の日が来れば、戦える者は必ず馳せ参じ、聖女を守る盾で剣となって、命果てるまで戦う覚悟はできていた。



 そこに王宮にいる必要がなくなった人物も一人参加した。


「始めまして新聖女様、国とこの世から毒婦を追い出して下さり感謝しております。第五王女の母でアナスタシアと申します、以後お見知りおきを」

「始めまして、こちらこそよろしくお願い致します」


 一回還俗して王妃になり、また修道女会に戻って来たコチコチの信者。


 夫が僧籍に入るそうなので、これ幸いと離縁して、ドレスも装飾品も「穢れ」なので全部寄進して、着て来た服と乗って来た王妃専用馬車まで寄進して、聖書と本と下着だけ持って僧籍に戻った。


 乙女を失って子も産んだので、聖なる力は無くしたはずが、レベル上げしてしまうと復活し、聖騎士~神聖騎士を目指すコースでも、信仰心とか敬虔さ100%なので余裕。


 元聖女騎士団の薔薇様ぐらいで「長」では無かったので殉死対象ではないが、エトワールとか全員で遊びに行く真相を知らされていなければ、王妃職でも平気で殉死していた人物。


 ここまでコチコチだと修道院長も難しいが、王宮対応して貰うと助かるので、その辺の人事に落ち着きそう。


 こちらは高級装備を与えても問題なさそうなので、薔薇様方や娘と同等の装備を見せ、色合いで選ばせて、真っ黒だけは避けて金銀の装備を与えた。


 普段使いの皮鎧やブーツも与え終わり、竜の鱗の剣を拝領する時、娘と同じように、元王妃が平民のゴミの前に膝を屈した。


「わたくしアナスタシアは、新聖女様に永遠の忠誠を誓います」



 王宮内では、例え刺し違えてでも毒婦を抹殺しようと、いつも毒を塗った懐剣を手にして徘徊したが、悪魔的な外法によって考えを察知したのか居場所すら分からず、ついに自分の前に国母が姿を現すことはなく、国と民と神の為に死ぬこともできなかった。


 目の前の聖女は、その有り得ない法力で奇跡を起こし、魔王の亡骸すら浄化して封印の部屋と苦渋の塔すら廃止。


 毒婦の手足となっていた王太子さえ浄化し、若い頃の姿に戻して老臣の願いを叶えた。


 その老臣の願いの一つ「毒殺されたとされる国母の長男を生き返らせる」、それこそがあの悪魔の命脈を断つ唯一の手段で、正しく選ばれた選択肢と神の御心により、凄まじいまでの外法の数々さえ無効化し、悪魔に匹敵するアンデッドが塩の柱となって消えた。


 きっとこの国を千年に渡って支配し、傀儡の王の首だけ挿げ替えて、新たな乙女の身体にさえ乗り換えれば、死ぬことすら無いと言われて来た化け物を退治した人物。


 全て常人には成せない事ばかりで、王城でも光る翼を羽ばたかせ、頭上には光輪を光らせ、あらゆる兵士を跪かせた天使。


 この聖女こそが、本当に神が遣わされた御遣いで、使徒だと確信した元王妃。


 聞く所によると、王太子からの求婚さえ断り、毒婦に代わり王妃として国を牛耳ることもできたのに、何も取らず奪わず修道女会に戻って来て、今も元王位継承権者を逃がすために心を砕いている。


 エトワールでさえ毒婦と共謀して国家を簒奪、あらゆる悪行に手を染めて国を思い通りにしてきたのに、この聖女は金や権力にすら興味が無く、その法力と信心の力で、本当に民を浄土へと導くことも可能かもしれない。


 元王妃は、聖女から剣を両手で拝領する時に涙ぐんで、次こそ奇跡の現場に居合わせ、この目に神の国の一端でも焼き付けようと心に誓った。



 もちろん魔女は、そんな思惑に関係なく、いつもの「計画通り」みたいな悪い笑顔でほくそ笑んでいた。



 竜騎士団


 魔女の方には暗黒竜の兄が向かってくれたので、カーチャはトリーに連れ出され、広場でアイテムボックスの中身を検分して貰う。


「んでは、これが入り口ですだ」

「中に入れるのか?」 


 何も無い広場の真ん中に、ドアだけが出現。


 魔獣やアイテムなど、一旦外に出して調べると思っていたが、勇者で高レベルなので広さが違うのか、中から見て回れる模様。


 開錠の呪文で扉を開くと、空気が入っていくので風が起こり、軽く中を見てから案内された。


「さ、どうぞ、入っても大丈夫そうです」

「私達も宜しいかな?」

「へえ、どうぞどうぞ、散らかってますけんど、虫はいないはずで」


 力士と教官と兄竜も連れてウォークインアイテムボックスの中に入ると、カーチャは外を警戒して何度も見渡し、侵入しようとして来る者がいないか確認してから扉と鍵を閉めた。


「何を警戒しておる?」

「いや、こうやってると必ず幼竜二人が見てまして、おらを追い掛けて来て中で遊ぼうとするんですわ。一緒に三女四女もいてペアの子竜もいると、中で飲み食いしたり滅茶苦茶に荒らして行くんで、入られないようにしとかないと」


 そこまで警戒しても治療か建築に来ていた二匹に侵入され、クマムシ系の真空でも死なない巨大な虫に襲われて、ピーちゃんポーちゃんの大冒険になる。


 どこかで生き残っていたジャイアントスパイダー系の巣や糸に絡み取られ、島本和彦先生と宮下あきら先生が同じ月に同じ雑誌で、蜘蛛の糸に絡めとられた主人公チームが「バーーーン」となる見開きを書いてしまい「同じ電波を受信してしまった~」みたいな感じで全員捕まったりもする。


 土竜の母親が助けに来たり、土魔法で虫系統の魔物の駆除までされて大変なことになって、お詫びに宮殿が建設されていたりするが、本編と全く関係が無いので割愛する。



 アイテムボックスの中を歩いて行くと、ポケモン?を全種類集めようとしたのか、竜語の脅威度や系統ごとに分類された魔獣が吊るされていて、まるでビジターの基地か宇宙船みたいに、血抜きされて食肉加工される前の状態で並んでいた。


「ほぼ全種類いるじゃないかっ」

「これは凄い……」

「へえ、子供の頃は全部集めようと思って、毎日頑張ってやしたから」

「ノアの箱舟……」

「コカーカカテテラソ」


 ギルドの教官である従者が驚きの声を上げ、ミュウとかミュウツーみたいなレアポケモン?を除いて、ほぼコンプリーツしてあるのを見て叫んだ。


 もちろんZ級も揃いそうだったが、竜のコーナーだけが空で、知り合いのオッサンやオバハンを殺してブチ込む訳には行かなかったのか、まるでノアの箱舟のようなオスメス全て揃っていそうなコレクションの中で、竜だけがいなかった。


 竜の巣から放り込まれた骨や牙や鱗や皮で、一部分だけ分類されて積んであったが、肉体まである個体は無かった。


「おい、これ神龍の鱗と皮って書いてるぞっ」

「はあ、自販機買って行ったお礼に、一杯入れてくれたみたいで」

「国宝だ……」


 竜語表記だが、読んだ人間にも分かるように、自国の言葉で見えるようになっている親切設計。


 平面世界の空間管理局の仕事なので「古代エルフの超文明」にしておけば何とかなる。


 魔獣の素材だけでも、モンハン並みに揃っていて、錬金術師が泣いて喜ぶ品々もコンプリーツ。


 教官がちょっと喉から手が出てしまい、展示品を取り出そうとしたが、持ち主でないと出せないので、懐に入れて逃げたりできなかった。


 マジックアイテム置き場に入ると、魔法士も泣いて喜ぶ品々があり、魔法師団に売ったコーナーとギルドで売った安物の収納部分は空いていたが「それをうるなんてとんでもない」場所はギッシリ詰まっていた。


「おや、こんな所に経験値一粒300メートルの腕輪が、皆さん付けといてくだせえ」

「何だ、その名称は?」

「感度3000倍の剣と一緒で、経験値が300メートル、220倍ぐらい増える奴で、何に妨害されても300メートル進める腕輪でさあ。付けといても硬直しないんで常備しといて下せえ」


 次に剣のコーナーに入ると、聖剣を始めオリハルコンだのアダマンタイトだの鬼を滅する刃の?ヒヒイロカネ、高級品がビッシリ詰まり、銀龍金竜雷竜炎竜の鱗の剣は良いとして、竜の巣でも不人気なG色の黒竜の剣とか、土竜の茶色いウ〇コ色の剣は、大樽一杯刺さっている以外にも、縄で縛っただけで何束も床に転がされているので、天下の宝剣がまるで二束三文の鉄剣以下の扱いをされていた。


 カーチャも覚えがない品があったので、竜の巣に開いた投入口から、黒剣や茶剣を縛った束とか、樽ごと放り込んでくれたらしい。


「今日の予定変更だ、すぐに竜の巣に行きたかったが、一旦屋敷に帰って売っても良い武具は全部出せ。儂の友人を呼んで買わせて、出入りの商人にも買い取らせる。他の師団の奴が買い取ったのも家の者に引き渡しを任せる」


 一応自分が帰って来れないのも想定し、貴重な品は屋敷の者に任せ、家宝レベルの品々は友人にも渡し、商人にも定価の七掛けか八掛けくらいで引き取らせる。


 更に鎧のコーナーでも、勇者の聖鎧に神聖騎士の鎧、暗黒騎士に侍大将の鎧、天下に覇を唱える征夷大将軍の鎧、中華風の天子の鎧に西洋風の王の鎧に中東風のカリフの鎧、何でもあった。


 自動回復や自動防御が普通、弓矢など簡単に弾いて、大魔法をリアクティブアーマーで撃退する品まである。


「お主が国宝だ」

「フェッ?」


 何か「俺がガンダムだ」的な言葉を掛けられたが、弟妹と取り合いにならないよう、あんちゃんとだけ一緒に回って集めた品。


 もちろん白竜のあんちゃんのアイテムボックスも、ノアの箱舟で神話級アイテムの山になっている。


 槍や斧、フレイルにメイス、錫杖や杖のコーナーでも、碌でもない品々が並んでいて、マニア垂涎の品が大量。


「実は私は、斧のスキルも上げておりましてな、どれか安く譲って頂けまいか?」

「へえ、そんならこれなんかどうでやす、振ったら雷が出やすよ」


 雷竜の鱗で作られていて雷属性、非破壊属性でエターナル、しょっちゅう折れて割れる鉄の剣や斧とは違う。


「素晴らしい、お幾らですかな?」

「分かりやせん、まあ大公様の剣と一緒で貸し出しって事で」

「有難い」


 光を当ててみて、鱗の刀身の波紋を楽しむ力士。


 力士の職業はスモウレスラーなので、まわし以外は装備できないはずだが、戦士や騎士と同じ装備ができる。


「俺も俺もっ」

「支払いはするから儂にも寄越せ」

「へえ、分かりやした」

 

 教官には、槍の穂先を隠す赤い布の方が本体で、突進すると真っ赤な誓いがBGMに流れたり、けものとか魔物を倒す槍で、使うと髪の毛が伸びたり体が金色になって、頑張れば月まで飛べて、ヒロインと全裸のまま大気圏外で抱き合ったりできる槍を貸し出した。


「先代様はどの種類がええですか?」

「槍も欲しいが斧も剣も欲しい」

「若返ったのはええですが、背がちんまくなってしもうとるので、長物は厳しいかと?」

「家宝にする、飾っておいて見せびらかすのも良い」

「へえ、そんでは見栄えが良さそうなのを」


 雷竜の鱗から削り出した三叉の槍とか、炎竜の鱗から削り出した方天戟なども渡して置く。


 ちょっと戻って剣置き場で、細身のロングソードから選び、雷属性が案外使い勝手が良いので、これも雷竜の鱗製のを渡す。


「鞘がねえのと、握りが古いんで造り直して下せえ」

「うむ、良い品だ。値段は…… 分からんのだろうな」

「分かりやせん、ギルドに出さないと」

「家にも鑑定士はおる、商人にも見させよう」


 他には普段使いのナイフも増えたようなので、まな板や机を切断しない程度の物も渡しておく。


 ついでに鎧コーナーに戻ってお見立て会、魔国軍と戦うなら、それなりの鎧がいる。


 12歳になってしまったトリーと、背丈と腹回りが大きい力士に合わせるが難しかったが、呼べば飛んできて変身バンクで装着できる物を渡した。



 結構滞在時間は長かったはずだが、外に出ると時間経過しておらず、管制塔にある大時計が進んでいなかった。


「あの中は時間が進まないのか?」

「はあ、確かそうで。前に一日中で整理しても、まだ朝だったんでビックリしやした」


 精神と時の部屋の系統で、中で修業したりレベル上げしても、ベジータとかナッパとかセルがそのままいるらしい。


 トリーはジジイの友達とか仲間に、魔法具で武具やその他の内覧会(竜騎士団関係者限定)を開催すると連絡した。


 大公も引退して暇だろうから連絡し、王やお仲間を連れて来るなら家の者が案内する。


「クキホジコカコー、トトレキ」

「む? 今何と言った?」


 白竜が何か言ったので、悪い予感がしてカーチャに翻訳を頼む。


「はあ、あんちゃんのアイテムボックスも大体同じもんが入ってると」

「それを先に言わんかっ」


 時間経過は関係ないようなので、もう一回白竜のウォークインアイテムボックスを検分しに入った一同。

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