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ついにやりやがった~~~~~っ!

 竜騎士村


 三女四女とペアの子竜は、早速治療院を開いて治療開始。


 村の外にいた猟師とか山師とか川魚を釣る漁師も、村社会に馴染めず掘立小屋で暮らしていたが、それも吹き飛んで負傷もしたので、村に救いを求めて来ていた。


 相変わらずまじない師には何もできず、踊って灰を塗る程度で治るはずも無く、教会の見習い聖人達は朝からの治療だけで魔力を使い果たしていた。


「は~い、治療できるよ~、並んで並んで~」

「おいでおいで~、けがにんはこっちおいで~」


 最初は三女四女が、ヤリ手ババアみたいに手を叩いて集客、子竜がガンガン治療呪文唱えて治療開始。


 昨夜も治療してやっていたので「竜騎士村に聖女がいる」と噂が駆け巡り、三男とダインが回り切れなかった所から村人が押し寄せていて、既に待合の行列ができていた。


 三男も自分の勤務地の騎士団、騎士団周囲の村その1~3、爆心地に近い歩兵師団村1~5、竜騎士団村2~3、魔法師団1まで行って力尽きて寝ていた。


 列が溜まって来るとエリアヒール、朝飯に献上品でお供え物のチーズナンとかモリモリ食って肉食って、子竜と交代して朝飯。



 土竜は七歩歩く度に呪文を唱えて、どこかの曹操の次男が歩く度に詩を読むように家を建てた。


 平面世界設計の、多人数の一家が住めるプレハブの仮設住宅三号を量産。


 前の家も木造平屋のバラック同然だったので、断熱材少なめでも生活水準は大して変わらない。


 土間もあったが薪が無くても住めるように、魔道コンロとか安っっすい裸電球みたいな照明器具、上下水道とボットン便所も完備、無いのは風呂ぐらいなので、こちらも生活水準が上がった。


 教会は平面世界設計の中型教会四号が作られ、ステンドグラスまで入った、貧村の教会にはありえないぐらい豪勢な物ができた。


「ああ、ありがとうございます、ストナ家の皆さんに神のお恵みがありますように」


 それまでは異教徒だの背教者だの言って、村の住人が蜂起して竜を襲撃するよう声高に叫んで、処刑宣告に近い物まで出しては住民に諫められていたのが、光の速さで手のひらを返した。


『母ちゃん、コイツ家の敵』

『うん、踏み潰してもいいぐらい』

『そうかい、ちょっと注意しておくね』


 幼竜の後ろを向いて、牧師を見ると鬼の形相になり、脳が弾け飛ぶぐらいの強さで念話した。


『調子乗ってんじゃねえぞ、ゴキブリ野郎が、散々家燃やしてうちの子殺すように言ってたそうじゃねえか? 永劫の呪いかけて石の牢獄で地獄の底に叩き落してやってもいいんだぞ? 今すぐ荷物纏めて出て行くか、粉々に砕かれて地獄に落とされるのか、どっちか一つ選べ』

「ヒイイイイイッ」


 牧師は土竜の念話と脅迫に耐えられず、耳から血を流して痙攣起こして倒れたので、すぐには出て行けなくなったが、動けるようになったらすぐにトンズラして、廃止される修道士会に転属願を出して、BBAの修道女しかいないボロい教会で孤児院を見付けると、勝手に移り住んで行った。


 村長一家にも同じ脅迫をすると、村を捨てて出て行った。


 竜騎士団の治療院に行くには、門番に小銭の賄賂を渡したり、入場に制限があったが、この教会が三女四女の勤務地になり、暫く家から通った。



『さて、この村では仕事が終わった、次の村に行くぞっ』

『『『『『『ヤーーーッ!』』』』』』


 なかやまきんにくんみたいな掛け声をして、竜騎士村その2に飛んでいく一同。


 姉竜も魔法が使えるので、竜魔術の生活魔法で『羽ばたけ』と言うと飛べるので問題ない。


 治療魔法まで使えるのがバレると、夜中にまで敵対している家の親がやって来て、ドアをガンガン叩いて鳴らし「子供が熱を出して大変だから助けてくれ」などとホザくのでナイショにしていたが、今回大々的にバレてしまった。


 暗黒竜の子がいる家限定のサービスだったが、今後は屋敷の方に引っ越しして、侯爵家の護衛兵士でも置いて止めさせないといけない。


『ねえちゃん、土竜のおっかあが来ると、みんな逃げだすから外で離れて待っといてくれ』

『え? 私も?』

『んだ、子竜は仕方ねえが、ねえちゃんも怖がる』

『うん……』


 少し傷ついた姉竜だが、見慣れているはずの村の中でも、まだ子供は逃げ出すので仕方がない。


 まず三女四女が先行するので、着陸すると兄竜に教えて貰った人化の術を使い、どこかの任侠と書いてにんぎょと読むきん、に出て来るラストアマゾネスの委員長みたいに、変身バンクを使って人間の服を瞬着し、貧乏くさくて幸薄そうで背が小さい眼鏡っ子の村娘にチェンジした。



 酪農中心の竜騎士村その2は、爆風と衝撃波でパニックを起こした牛や豚が、壊れた柵や小屋から逃げてしまったり、家の再建はできていないので、濡れたまま飢えて泣き叫んでいる子供の声とか、親や老人まで泣いていたりする阿鼻叫喚の地獄だったが、まず三女四女が子竜に乗って着陸した。


「あれ? 怪我人は?」

「だいじょうぶそう」


 次男が竜の巣に行って長男とベルを探している間も、周囲の状況に気付いたダインに連れられ、三男が治療して回ったので大怪我で死にそうなのはいなかった。


「あんたら、隣村の子だね?」

「ああ、そうだよ」

「昨日はあんたの村の子、ほっぺたに黒い十字付けてる子と竜が来て、怪我人みんな治して食べ物まで置いて行ってくれたんだよ。神様の使いかって言ってたけど、逆向いてる十字が付いてる子って、あんたの村の子しかいないだろ?」

「そう、だな……」


 そんな馬鹿な格好してる暗黒騎士マニアは、王都にも数えるほどしかおらず、つい先日までの長男と、今は三男しかいない。


 とりあえず「弟です」とは公表しないで他人の振りをした。


 昔の売り出し中の暗黒竜もそのスタイルだったが、中二病が治ったのか今はゴージャス系の黒と金と白のボアボアと、魔法具のアクセサリーとか宝珠でジャラジャラしていて、少し方向性とか音楽性が違う。


「まあそんで、今日は家建てられる土竜のおっかさん連れて来とるでよ、うちの村はだいぶん再建したから、こっちも治しに来ただよ、よんでもええかな?」

「え、土竜?」

「ピーー、ポーー、こっちゃ来い」


 まず幼竜がパタパタ近づいてくると、母竜も飛行魔法併用してゴウンゴウン羽根を鳴らして飛んで来る。


 人類には恐怖の対象でしかないが、隣村出身の娘なら竜の巣で間引かれた子供を、近所の竜のオバチャンが配達しにくる、日常の光景なのでキニシナイ。


「竜だっ、竜が来たぞ~~っ!」

「いんや、うちの幼竜のおっかさんだから大丈夫だ」

「へ?」


 普通なら半鐘でも慣らして大騒ぎで、これが七人の侍なら村人は家の中に隠れてしまい、侍を七人連れて来ても挨拶にも来ないので、菊千代が鐘を鳴らして村人を外に出す。


 更に土竜に先行して、人体に光る翼を生やした貧相で小っこい姉竜も飛んで来たので、もっと大騒ぎ。


「あれは…… 天使だっ」

「神様の御使い様だよう」

「我が心は天と共にありっ、神を恐れ敬う者なりっ、この身は神の遣いに従いっ、精霊を敬い御心に従順なる僕たらんっ(ループ)」


 魔女の変装と違い、頭の上の光輪は出していないのだが、光る翼を生やして飛んで来る人型の生物と言えば天使しかいないので土下座。


 似たり天使と言うのはハーピーの一種で、金属製の光輪付けて白系の腕の羽根で飛ぶと捕食されないので、擬態していると適者生存して増えているが、交配や産卵、排泄用の穴が全部一緒なので鳥類。


 竜や天使は、手足があるのに翼まである、遺伝的に存在するはずがないキメラ。



 村人が姉竜に頭を下げて恐れ入っている間に、幼竜二匹が母親から転写された記憶通り、土魔法を使って仮設住宅三号を建設。


 多少下手くそで土台も平地ではなく、魔道具も入っていない簡易仕様だが、雨風は凌げるのでほぼ再建完了。


 土竜も歩いて来て、瓦礫がある横には問答無用で十人ぐらい住める仮設住宅を建設して行く。


 サウナ付きの公衆浴場も、大型公民館3型も設置、中型教会2号と孤児院4号も作ってやった。


「ああ、やっぱり天使様だ」

「神様の遣い」

「我が心は天と共にありっ、神を恐れ敬う者なりっ、この身は神の遣いに従いっ、精霊を敬い御心に従順なる僕たらんっ(ループ)」


 土魔法使い放題の土竜も、貧相で小さい眼鏡っ子の天使が連れて来て使役している、神の使いだと思い込んでいる村人たち。


 姉竜は人化した状態でこの村に来ると、以後とんでもない事になるので、もうこの姿では来れない。


 結局、残りの怪我人を治したり、仮設住宅を全部の家に設置して、法隆寺にすると四棟ぐらい建立してから次の村に向かった。



 魔法師団村、三男とダインの場合


 この村も、魔法師団で必要になる農産物の産地とか、従業員の家とその家族が増えると大きくなっていった村。


 田舎から出て来て魔法師団の下働きになって、その子ができて孫までいる村。


 豊田市ほど強烈ではないが、魔法師団の援助で建った教会で洗礼を受け、土日は魔法師団協賛の学校に行き、成人すると魔法師団で働いて、同じ職員同士で結婚、また魔法師団の教会で結婚式を挙げて、魔法師団の治療院で出産、亡くなる時も魔法師団の教会と墓場で葬られる。


 昨夜の出来事で大勢の怪我人が出たが、夜半に半死半生(眠いだけ)の聖人様と聖女様が光る翼を広げて舞い降り(象サイズの竜のままだと怖がられるので)、瞬く間に怪我人を治してしまわれ、力尽きて倒れ(寝ただけ)、村長の家でお休みになられた翌朝。


 世話係を命じられていた娘が、三男が起床したのに気付き、村長に報告に行った。


「聖女様、聖人様、お目覚めでしょうか? 朝食の準備ができております、どうぞお出で下さい」


 晩飯を食った覚えはないので有難く頂戴していると、この村の牧師と世話役の長老が、村長に連れられ雁首並べてやって来た。


「本日も近隣の村から、治療を希望する者が救いを求めてきております、どうかお情けを」


 昨夜のうちに騎士団村でも歩兵師団村でも「暗黒騎士姉弟?救世主伝説」が出来上がってしまった。


 二人共頬に逆十字生やして、目の下に悪役線が出ているようなのが「「押忍、治療させて頂きます、押忍」」といって治療して回ったが、本人が言った通り「フフ、暗黒騎士が小僧や年寄りまで治療するなど、俺も焼きが回ったな」状態。


 実は姉竜に怒られてぶん殴られないで、ナデナデして貰いながら褒められるが目的だとは、横にいるダインにも言えないのでナイショ。


「分かった、この村も、近隣の村も治す、わざわざここに来なくてもいい」

「はは、先触れを出しておきます、動けない年寄りなどが助かります」


 三男も後で、姉竜から褒めて貰えて、金貨でお小遣いを貰える。



 竜騎士団、次男と勇者の場合。


 夜まで警戒態勢が続き、火竜騎士はそのまま基地内で宿泊、飛竜騎士も待機命令が出たが、すぐ王族を逃がせるよう分散配備して、全滅しないように配慮された。


 一般職員は全員帰っても良かったが、竜を出す飼育員は自主的に残り、ストナだけはべえべえしてテイムしてしまった中坊の竜と竜舎で雑魚寝していた。


 次男は暗黒竜にタイホしちゃうぞされ、ガンダム的に「教育してやる」もされて、騎士団の営倉を借りて収監されていた。


「何で牢屋入りなんだ? くそう、家の為にやって、兄貴とベル姉の代わりに仇討とうとしたのによう」


 僕の方がガンダムを上手に扱える、的な愚痴を呟きながら不貞寝中。


 グリーンを放し飼いにしておくと、次男に気に入られるために、竜騎士団長と副団長を襲って食い殺してしまうので隣に収監。


 目が覚めて声が聞こえたのか、隣からグリーンが壁破って入って来た。


「おい、壁破んなよ、脱走扱いにされるだろうが」

「だって、朝なのに一人でできないでしょ」


 次男は暴れないように手枷までされていたので、自家発電とかもできない。


「ちょ、待てよ」

「ウフフフフ」


 キムタクになっても許して貰えず、大きくなってしまったのを取り出された。


「こんなに大きくして、ほら、一杯出して」

「お、おう……」

「オマエラ、何やってんだ」

「「あ?」」


 番で協力して、朝の行為もできない次男を手伝って、グリーンに持ってもらいながら便壺に小便している所を兄竜に見られた。


「折角別にしたのに、壁に穴開けたら一緒だろうが、閉じ込める日数増やすぞっ」

「ウフ、ゴメンナサイ」


 全く反省していないグリーンを見て、「こいつ自由にすると、団長も副団長も小隊長も全員食い殺す。一応スッキリした次男から命令させるしかない」と思った暗黒竜は、小便でもしてスッキリして、朝立ちが収まり始めた次男に問いかけた。


「もう頭冷えたか? まだ殺しやるか?」

「ああ、一応仇は討った、一回殺したから炎竜のオバチャンも認めてくれるだろうよ」

「まだそんなこと言ってんのか?」

「兄貴? 何で弟殺されてベル姉の親殺されて平気な顔してんだ? そっちの方がよっぽどおかしいぜ、血が繋がってない人間の弟と妹の竜は別勘定か? それなら俺は諦めないぜ」

「アホだろ、テメエあの小隊長の年寄りの母親が来て、息子殺し、お前も死ねって言って、錆びだらけのゴミみたいな包丁持って刺して来たら、受け止める覚悟あんのか?」

「クソッ、それとこれは話が違うだろっ」

「もっと頭冷やしとけ」


 多少話はできたが、まだ反省する所まで行ってないようなので、クソガキの教育は後にする。


 炎竜に数百人殺されたが、ゴミでクズでカスにも母親はいる、もしかすると女房子供までいるかもしれない。


 ゴミの吹き溜まりみたいな歩兵師団の新兵でも、頭は悪くて他で使い物にならなくても、一握りの真っ当な人物がいて、親を楽させるために志願した馬鹿もいる。


 死ぬまで子供の年数え続けて誕生日祝う様な母親に、どうにか堪えて貰うには、炎竜でも消えて貰うか尻尾巻いて逃げたと教えるしかない。


 炎竜に着火されたような死人は、魂まで燃やされているので復活はまず無理。


 ベルのアホウが下手打って、ゲラゲラ笑って人殺すような真似したので、ケジメ付けるには炎竜本人かベルに死んでもらうしか無い。


 母竜は娘と孫を生かすために囮になって、延々王都と反対方向に逃げ続けた。


 その辺りの経緯も考えず、長男殺された、炎竜殺されたから始めると、いつまでも恨み辛みと殺しの連鎖だけが続く。



 親方部屋


 待機命令を出したので、団長や貴族の隊員は仮眠室があるのでそこで寝て、平民隊員は詰所とかで適当に仮眠。 


 カーチャでも一応女なので、無人の親方部屋で毛布に包まって蓑虫状態で仮眠していた。


「んごあ、グーーー、グウウウウッ」


 普通なら朝日を感じると目が覚める設定になっていたが、二日続けて夜更かし生活をしたので、段々と夜型の生活に移行している。


 本日の任務としては、長老から言われた罰?で、食い物を印刷する方の自販機を買ってくるように言われているのと、オバサンやらおっちゃんから言付かっている買い物を済ませて、トリーも連れて配達に行く。


 初代竜騎士団長で先代侯爵の依頼になるので、今日は休暇ではなく任務として竜の巣に行く。


 ギルドに寄るので時間があれば、竜の巣が捨てた鱗とか脱皮した抜殻の皮とか、骨に牙に角に爪の数々もアイテムボックスにあるので売る。


「カーチャ、起きているか? 出動だ」

「キャーココキキカホカ」

「勇者殿っ」

「うへえ~~」


 昨日は夕方寝したので、結構睡眠はとれたはずだが、碌でもない事ばかり起こり続けたので神経が休まる暇がなかった。


 全速力に近い竜の巣との往復も、結構体温を奪われて体力も消耗した。


 アルピノの兄竜と、昨日から従者になったギルドの教官、力士に起こされて朝食の場に連れて行かれる。


 士官食堂のテーブルにはトリーが待っていて、全然寝ていないにも関わらず、自宅に帰って身支度まで済ませ、竜の巣に行けるのならと出立の準備までしていた。


 三時間睡眠で平気な人物だけが、上流社会の支配層や大企業の重役を務めることが出来て、途中で倒れたり病気になる者は支配層から排除される。


「お、おはようごぜえますだ」

「おはよう」


 イルカ方式か、一生空を飛び続けるツバメ方式で、脳の半分を休ませながら、左脳だけで動く勇者。


 まだ白目剥いていて、鼻の奥でグーグー言っている。


「まあこれでも飲め」

「へい」


 昨日の夜から設置された、ハッピーの自販機から出たカップを飲み、腹の底から幕開け感が登って来て、頭まで到達すると目が覚めた。


「キターーーーッ!」


 コーヒーとか翼を与える飲料と同じで、即効性はないはずだが、体が効果を覚えていたのかパブロフの犬みたいに覚醒した。


「さて、本日の予定としては、できれば竜の巣の長老と面会して、和平条約、今回の件で齟齬が無いように文書でも交わして、友好的な状態を保ちたいと思うのだが、儂が竜の巣に行くのは可能かな?」

「へえ、おらが案内したら大丈夫かと」

「他には別の師団の者に売り渡した品を、家に預けるのは出来なかったし、お主のアイテムボックスの中身も改めなければならんのだが、それも後回しになってしまった」

「それならすぐにでも」


「後は新人事が王宮から発表される、それを待ってから行動する、他には何かあるかな?」

「長老から罰として、食い物の方の自販機を買ってくように言付かってやす、それと昨日の食い物の追加と、魔法具とか服もあるだけ買ってくるよう言われておりやす」

「うむ、王都に出て買うか、在庫切れだろうから、今日は南側のギルドにでも行くか」

「南にもあるんですけ?」

「ああ、ある」


 北側に行くと、乙女騎士団と修道女会の大物多数がいて顔を合わせてしまう。


 そちらの顔は大半知らないが、魔女に忠誠を誓ったイケメンぐらいは顔を覚えているのと、全員凄まじいレベルに上げてあるので、「コイツらなにもんじゃあっ?」となってひと騒ぎ起きる。


 本日も北側のギルドでは大騒動が起きるが、ソッチには参加しない。


 他の騎士や隊員も朝飯でも食って、騎士団詰所に集まっていると、役所の始業時間になって官報のような物が発行され、竜騎士団にもある魔法具で印字されて行った。


 まずトップニュースが国母崩御。


「「「な、なんだってーーーッ!(AA略)」」」


 孫の団長と副団長ぐらいには話していたが、カーチャの妹と契約竜が王城でひと暴れして、伏魔殿の女主人で毒婦が死んだのと、王や大公が引退、修道士会は壊滅状態、修道女会ではエトワール以下上層部が総入れ替えになると教えてある。


 地下牢の住人と苦渋の塔の住人まで解放され、王太子は頭脳体だけが封印の間にいて半殺し後に人間に復帰、魔王の亡骸が浄化されてから、魔女が復活させてテイムして従魔モーちゃんにしているのは「君には知る権利がない(カリーニン少佐)」なのでトリーですら知らない。


 他の王国民も今日の官報は注視するよう通達されているので、各地でも続報を見守った。


「まさかあの娘……(魔法師団団長)」

「本当に……(騎馬騎士団長)」

「あんのクソガキ(暗黒竜)」

「あんクソ魔女(勇者)」

「あいつら(長男、ベル)」

「姉ちゃん(次男三男、グリーン、ダイン)」

「新聖女二人……(各官庁職員、ギルド関係者、賭けに参加していた連中)」


「「「「「「「「「「ついにやりやがった~~~~~っ!」」」」」」」」」」


 エトワールと修道女会三役が顔隠して歩いていたので、全員ヤッちゃったんじゃないかと言われていたので、賭けまで始まっていた。


 それでもまさかの頂上決戦開始と同時に終了で、実質の女王で王国の所有者、アンデッドの毒婦カザリンを倒し切れる勇者と言うか聖女が存在するとは誰も思ってもいなかった。


 次々に出てくる死亡者とか失脚させられた名簿。


 王と大公が引退して僧籍に入り、新しく開設される修道士会の修道院長と補佐。


 どう見ても拷問でも受けて新政権に権利譲渡するようサインさせられ、多分死体のまま修道院長と補佐に就任。


 後日、病気による死亡か「国母に殉死」が発表される。


 新政権で新しい王には王太子、顧問として新聖女二人が就任。


「コイツが犯人や~~~っ! おさわりまんコイツです」

「真実はいつも一つ」

「じっちゃんの何に賭けて、犯人はお前だっ」


 王国民の多くが、顧問で新聖女が犯人だと確信した。


 左大臣に続いて、魔物に食われて入れ替わられていたと思われる人物には、「注1 塩化による多臓器不全」と注釈が付いているので分かりやすく、これだけの人数を一晩で始末した、伏魔殿の新しい女主人の手腕に恐れ入って、やっぱり膝から下が産まれたての小鹿になる人物が続出した。



 一旦置いて、修道女会の人事にも言及があった。


 公式発表は修道女会からになるが、エトワールの引退、修道女会三役と、高位の「長」が付く者は全員次世代の者に順次交代。


 その意味は、「エトワールもう死んでます、他の者は強制的に押さえ付けられて毒杯飲まされて「殉死」してます」になる。


 新人事と死亡者の次には、事件についての解説。


 修道士会の方は新聖人が野望?を叩き潰して、下級天使まで降りて来て潰したのは知られているが、新聖人も新聖女の指示通り動いたのか、公式見解では全て魔族の間者の仕業で、魔王にテイムされた人物が主導して行ったと結論付けられていた。


 関係者なら「それ王太子本人だろうが」と気付いているが、処罰されるはずの王太子が何故か後任の王座に着く。


 もう明かに傀儡政権で、下手すると短い間で王太子も病死して、もっと使いやすいバカ王子とかょぅじょ女王が王座に座る。


 魔王の亡骸も浄化されて消滅したのは魔女の手柄として公表。復活したり従魔モーちゃんと化している事実は伏せられた。


 余りの恐ろしさに全員震えが止まらなかったが、暗黒竜と勇者だけは震えず、魔女にパンチで壁ドンしたり、吊るし上げてでも聞き取り調査に行きたかった。


 例えネックハンギングツリーで吊るし上げても「やぁん、お兄ちゃんにギュッとして貰って愛されてる~~」と言われるが、それでも行く。

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