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乙女騎士団転身

 修道士会で印刷に加担していた者は下級天使に消滅させられ、牛魔王蘇生実験と人造勇者製造に加担した主犯は消されたが、大した罪では無いので下っ端は見逃された。


 まあクローン体実験をしたので額に「牛」「人」と焼き付けられ、次回何かやると処刑される。


 天使は見逃したが、証拠物件も無かったので王宮から来た衛兵に連行されて行き、何をしていたのか詳細を吐くまで拷問。


 聖人の数が減ってしまい、次男三男にも逃げられたので、治療院は早々に機能を果たせなくなり、歩ける怪我人は修道女会に歩いて行って窮状を伝えた。


「聖女様方、修道士会では治療を求める者が多く待っていて、視力を失った者の治療もできません、どうかお救いを」


 幸いと言うか何というか、聖騎士レベル300ぐらいまで上昇させられた聖女騎士団と乙女騎士団がいて、新入りのイケメン村人Aまで聖騎士レベル350で神聖騎士目前。


 修道女会三役もエトワールもアホほどレベルアップして、平民で魔法が使えなかったアサシン職だった修道女長も高位の修道女も、聖女職を極めてからニンジャ職やサムライ職に。


 聖女の白魔法を全部覚えていたエトワールも使用回数が増え、レベル200と300超えのボーナスにエリアリザレクションとエリア死者蘇生術も修得。


 要は全員、第七階梯のパーフェクトヒールをガンガン使えるようになっていて、十階梯のリザレクション、その上の死者蘇生呪文も全員使えるようになっていたので、エリアヒールとエクスエリアヒール程度なら使い放題で、修道女会に来た怪我人全員治療済み。


「さて? わたくしが修道士会に行って来ましょうか?」

「いけません、ターニャ様、我らだけで行って参ります」


 弟達がいるはずなのに治療できないのは異常なので、毒殺などされていないか調べに行こうとしたが拒否された。


「私達でも良いのですよ、力試しをしたいぐらい」

「駄目です、修道女長様、あちらでは違う教義によって運営されている邪教とお考え下さい」

「では、私なら問題ないでしょう?」


 竜化できる竜のレベル200近いデイジーが立候補して、街の反対側にある修道士会に治療術者の派遣が決まった。


 護衛など一切不要だが、乙女騎士団がデイジーを馬車に乗せて引率案内。


 馬が小便漏らして腰抜かして怯えるが、そこは我慢して貰い、ニンジンでもやって懐かせたり、背中をブラッシングして怖い相手ではないと思わせる。


 暗部の者でレベル250超えのニンジャや、一度聖女職を極めた後にアサシンに戻った者達が屋根の上から追走して護衛。



 修道士会


 軽い刺し傷や切り傷なら、切り開いてでも破片を取り除けば、この世界の機能で時間薬で修復されるか、重症なら平民の元聖女が経営する一般の治療院もあり、大半の怪我人はどうにかなった。


 それでも両目失明や片目失明、瓦礫で手足が挫滅した者の治療にはパーフェクトヒールが必要になり、修道士会では数えるほどしか治療できるものがおらず、すぐに魔力切れで弾切れした。


「どうか、どうかお救いをっ」

「聖人様、娘の目をっ」

「金が払えない平民の治療はできないって事かっ?」


 怒号が飛び交う治療院受付でも、何度も何度も同じ質問が繰り返された。


「目の治療をして下さい」

「目を治せる聖人様はいらっしゃいませんか?」

「パーフェクトヒールを」

「朝にいた聖人様はどこですか?」


 と聞かれるのが延々続き、聖人でも助走付けて殴るぐらいブチ切れ。


 薬局の店員が「マスクありませんか?」「棚になければありません」「ティッシュとトイレットペーパーありませんか?」「店頭にあるだけです」「消毒液ありませんか?」「無いって書いてあるのに質問したら自分の時だけ出てくるとでも思ってるのかクソババアっ!」と聞かれてマジ切れするぐらいの地獄。


 視力低下して同行者がいない者には「治療術者白魔法切れ」「目の治療はできません」の張り紙も見えず、識字率も低いので絶望的な状況。


「エリアパーフェクトヒールッ!」


 そこに乙女騎士団団長、第一の騎士デビットさん(40歳)による範囲完全治療呪文が行使され、受付付近の地獄絵図が解消された。


「見える、見えるぞ」

「ああ、神様」

「パパ、見えるようになった」

「ああ、聖人様、ありがとうございます」

「いえ、私は乙女騎士団、修道女会より参りました」


 魔女もデイジーもまだ使えない範囲完全治療呪文、視覚効果も良く、訪れた女神の息吹が届く者には祝福が与えられ、全ての傷や視覚障害、手足や歯の欠損まで治療された。


 鎧を着た完全装備ではないが、儀仗兵としても使える白竜の皮鎧に、乙女騎士団の紋章を付けたマントを羽織り、一応帯剣してマントの下に盾も隠し持っている騎士。


 普通に喋っている間はハンサムな美中年ぐらいでも、何かに驚くとマツケンで将軍様と同じく「ヤダ~~、モ~~、イヤ~~ン」と女の子ポーズで驚き、腰に手を当ててグーを外に向けるオネエ独特の格好をするのですぐにバレる。


「修道士会の方ですか? お待たせしました、我ら乙女騎士団15名、大聖女デイジー様をお連れして治療に参りました」

「は? 乙女騎士団?」


 まるで救世主か騎兵隊のように救助に来たが、知る人ぞ知るオカマでオネエ揃いの去勢された男の騎士団。


 その上、ここまでの惨状でも、自分達の縄張りに土足で上がり込まれるのを拒否するのが修道士会。


「困ります、ここは修道士会、修道女会の方が入られると秩序が乱れます。ましてや治療行為など、許されようはずもありませんっ」


 もちろん脊髄反射で拒否、「余所者」の侵入や自由を許すと上位の者から叱責を受けるので、どれだけ無辜の市民が助かろうとも全力でお断りした修道士。


 いつもの事なので乙女騎士達は理解して、屋外で邪魔されながらでも治療しようと思ったが、竜であるデイジーには理解不能だった。


「緊急時なのでご理解ください、まず市民を救うのが第一です」


 貴族である騎士が、平民でしかない名も無い修道士にもヘリ下って、市民の救出を優先するように言ったが、当然のように拒否。


「いけませんっ、何度も言いますがここは修道士会、如何に元男性であっても、教義にもある通り女性は穢れ、修道女会の方の治療行為は許されません」

「それは神がお決めになられた事ですかな? あれだけ神に反する行為をしておいて、天使が降りて来て直々に処罰された、愚かに過ぎる貴方がたの勝手な解釈で選択ではないのですか?」

「ぐうううっ」


 さしもの乙女騎士団団長でも、正教会の権威だとか利権に拘り続ける馬鹿を見て、嫌味の一つも言ってみたが、それは余計に馬鹿の頑なな心を硬化させただけになった。


「出て行けっ、男女おとこおんなの邪教徒がっ、そのような醜い姿と心で神を語るなっ、背教者めっ!」


 貴族に対しての無礼な放言、無礼討ちしても構わない状況だったが、居並ぶ市民にこの愚かな修道士の無様で滑稽な言動を聞かせただけでも十分。


 噂話だけではなく、新聞や瓦版のような小冊子で、この事実は瞬時に伝わる。



 修道士会の外では、救世主たる新聖女による治療が行われ、天使が降臨して失明した哀れな子羊たちを救っている最中。


 他の乙女騎士も正教会関係者による執拗な妨害に屈せず、真なる聖女を守り続けた。


「あの者達を捕らえよっ、あれは修道女会の化け物っ、青い髪をした人間など存在せぬっ、あれは竜だっ!」


 周辺の街で様々な実験を行い続け、その度に暗黒竜に粉砕されて来た修道士会は、竜の存在すら許さない偏狭なカルト集団になり、デイジーの存在も治療行為も許せなかった。


「乙女騎士、突貫っ!」

「応っ!」


 レベル300を超える乙女騎士団と、普通の修道士でレベル10~30の一般市民の戦い。


 どれだけ数が多かろうと、百名を超える修道士が押し寄せても、相手になるはずもなくすべて蹴散した。


「聖騎士共は何をしておるのだ? 狼藉者を排除せよっ」


 ここに来る前は修道士会の聖騎士団との決戦もあるかと予想されたが、新聖騎士団は次男三男に忠誠を誓い、邪法と禁呪を駆使してでも天に至ろうとした旧勢力に対して、革命まで起こした集団で市民の味方。


 視力を失った住民の治療を行ってくれる乙女騎士や、竜である新聖女の医療行為の邪魔すらしなかった。


「ああ、やはり神に仕える正しい騎士様が勝たれた」

「修道士会は間違っている」

「天使に裁かれる程の穢れた集団だっ」

「廃止するべきだ」


 表向きの勝敗でも修道女会が勝利し、一度視力を失った市民も乙女騎士が勝利する一部始終を見せられ、市民に対する治療すら邪魔をする修道士会は、神に対する「魔」として平民にまで認定された。


「勝鬨を上げろっ!」

「おおーーーーーっ!」


 新聖女を守り切り、後に「(修道士会治療院前での)乙女騎士達の戦い」と呼ばれる小戦闘は、舞台化され絵物語にもなって出版された。


 正教会では同性愛や同性婚も認められてはいるが、実際の世間の目や地位は低い物であり、この件以降は社会的地位や視線も改善された。


「乙女騎士に神のお恵みをっ」

「乙女騎士に栄光あれっ」


 闇の存在である穢れた修道士からの妨害を、聖なる力によって全て叩き伏せ、戦闘の最中ですら市民を治療し続けた竜の大聖女の英雄譚。


 そして修道士会を裏切ってまで聖女の側に立った聖騎士団も、血の粛清を終え、失った主である次男三男を担ぎあげて、新生修道士会を立ち上げる準備を始めた。


 修道士会の「跡地」となるこの場所を捨てて、新たな修道士会で正教会の正当な継承者である聖騎士団に、金銭的な援助をした篤志家がいた。


 土竜に依頼して新しい修道院を立て、加入させる人物も厳選し、腐った人物を全て追放して旧修道士会を破滅させた上級貴族が3,4人暗躍したが、それはまた別のお話。



 修道女会


 璧を全うして修道女会に帰還する乙女騎士団と契約竜デイジー。


 少し疑問に思う事があり乙女騎士に聞いて見た。


「あの、皆さんに確認したいことがあるのですけど、怒らないで聞いて下さいね」

「はい、何なりとお聞きください」


 乙女騎士達も新聖女に心酔して、今の治療の数々でさらに忠誠度が上がっているので、余程変な事を聞かれない限り気分を悪くしたりしない。


「皆さん、心は乙女で、身体だけ男性なんですよね?」

「はい、その通りです。神の試練により信仰を揺るがせはしないか、相反する心と体を与えられ、今まで苦悶の日々を送って参りましたが、聖女様の出現により皆晴れやかな心で、本日のささやかな勝利までも我らの誇りとして受け止めております」


 相反するとまで聞いたので、デイジーもこの騎士達が心と体を同じ物に統一したいのだと理解した。


「それでは、心も体も女性に統一するか、男性に統一するか、どちらを選びますか?」

「はっ?」


 若返った修道女会の重鎮、永遠の命を与えられると言われるベヒーモスの肉。それらの奇跡に匹敵するものを、この新聖女なら与えてくれるのではないかと考え至る乙女騎士団長。


「もしや……?」

「ええ、女性の天使を呼べば、皆さんを女性の体にして差し上げられます」

「なんとっ」


 デイジーは魔女ほど醜い心を持っていなかったので、自分の護衛に戦ってくれた連中に、ほんの親切で女性化の話を持ち掛けたが、それだけで泣いてしまう人物も大勢いた。


「ああ、神の試練が終わる日が来るなんて……」

「祈りの日々と功徳の積み重ねが、ついに痛みの日々を終わらせる」

「神よ……」


 女子会でスイーツやファッションやコイバナなど乙女の会話をする以外にも、現在の苦しい状態を神からの試練だと定義していた一同。


 民を救う功徳を積み重ね、神の行為を疑わないで祈りを重ねていれば、いつかこの苦しみにも終わりの日が来て、エトワール様昇天の日に合わせ、自分達も殉死して天に迎えられる日が来ると信じて助け合って来たが、まさか今生のうちに苦悶の終わりが来るとは思ってもいなかった。


「どうかお救い下さいっ、我らに正しい姿をお与え下さいっ」

「偽りの身を聖女様のお力で書き換えて下さいっ」

「哀れな従者にお恵みをっ」


 行軍中であるにもかかわらず、街中で膝を付いて合掌し、デイジーに祈りを捧げる乙女騎士達。


 この連中の願いは「アニキのヤバ種で、俺をHIVポジティブにしてください」で、「妊娠した(感染した)では無かった模様。


「ええ、でも女性天使が書き替えると、服を着たままなのか「全裸で」新しい体が作られるのか分かりませんので、街中では難しいですから、修道女会に帰ってからに致しましょう」

「はい、それで十分にございます」

「有難き幸せ」

「新たな聖女様に心からの感謝と忠誠をっ」


 騎馬した騎士と、御者を務める騎士も、心と体の不整合を正すために慌てて修道女会に戻った。


 表門から凱旋しても良いぐらいの清々しい勝利だったが、わざわざ裏門から入り、乙女騎士団詰所を通って会議室に移動。


 去勢してあるとは言え、乙女騎士団員と聖女が同室して密会するのは禁じられていたので、見届け人になる修道女や見習い聖女を呼び、女体拝領の儀式を開始する。


「我らが神よ、これまでの苦痛を取り除きください、我らに正しき肉体をお与え下さい」

「試練の日々はついに終わりを告げ、神への祈りと騎士としての精勤が認められ、我らようやく清浄なる場所へ至らん」

「これが過ちであるのなら、天なる神よ、我らを常世へとお導き下さい。もし許されるのであるのなら、エトワール様昇天の日まで、僅かな休暇をお与え下さいませ」


 まず祈り。祈りでミサで集会を始め、修道女も見習い聖女も、阿吽の呼吸で香を焚き始めてライティングの魔法具を点灯して、聖歌や読経を開始した。


「それでは騎士団長デビッドよ、貴方に正しい姿を。今日ここに神の試練は終わり、新たなる聖女騎士が誕生する」

「有難き幸せ」


 勿体ぶって儀式的な雰囲気を出してやり、一言唱えれば済む物を、聖餅とか聖水とか使って、修道女も香を焚く炉を周囲に巡らせ、跪いて祈る乙女騎士に最後の祝福を与える。


『この者に心と同じ、清く正しく美しい乙女の姿を、清き乙女を具現した美しき天使よ、舞い降りて奇跡を行い給え』


 ここでも特権命令12685と言う、意味不明の文言が頭の中にあれば奇跡は行われるが、女性天使と限定して唱え、美しい乙女と言ったので、本人が思い描いたような美女として再生される。


「おおおっ」

「神の御使いが」

「乙女の天使」


 今までの体を修正するのは無理だったので、騎士の後ろに新しい体がプリントアウトされて行った。


 y染色体が混じった細胞全てを改変するのは不可能で、父親と思われる人物からx染色体を導入し、一から計算して受精卵の遺伝子を作成。


 顔形を多少美化して骨格も縮小、凄まじいレベルのストレングスを引き継ぐために多少高身長、ガッシリした足の方が有利だが、細くても頑丈な骨格で再現。


 やがてレベル300聖騎士のステータスまで受け継いだ、頑強な体がプリントアウトされ終わり、新しい体に魂も霊体も移動させられた。


「ああっ、お姉さまがっ」

「団長様っ」

「ついに我らの夢が叶った」


 多くの乙女騎士が見守る中、やっぱり「全裸で」放り出された元デビッド団長。


 早めに偽名を用意するか、戸籍を改名してデイビーとか女性名にしなければならない。


 ギルド登録だと実名と年齢と前歴が全部残りそうだが、新しく生誕した身体なので、エリザベスとか愛称がベティーとか、好きなように命名できる模様。


 尚、ケツ顎だけ残るようなお笑い展開は無かったが、ギルド窓口でゼロ歳の赤ちゃんと出るのは有る。



 修道女たちによって姿見の大鏡も用意され、自分の全裸を見て驚く団長。


「これが、本当の私……」


 少女漫画調の白目を剥いて、指も「グワシ」のポーズで自らの裸体を鑑賞した旧デビッドさん。


 周囲の乙女騎士は少女では無かったが、白目になって羨望の眼差しで見た。


 現在の聖女騎士団のような、レベルアップしすぎたガッツィーな身体でガタイではなく、細身の素体で鍛えれば元のようなガチムチにもできる。


「おめでとうございます、まずは衣服を身に付けて下さい、今までの体と違うので、簡単に風邪をひくかも知れませんよ?」


 状態異常耐性が強すぎて、天然痘であろうがペストであろうが無傷だが、全裸のままプルンプルンさせるのも何なので下着だけでも着せる。


「ああ、デイジー様、ありがとうございました、貴方様に心からの感謝を、改めて永遠の忠誠を誓わせて頂きます」


 エトワールから忠誠心をNTRしたので、これからは本当に命がけで戦って守ってくれる。


 新しい奴隷で下僕を得たデイジーも悪い笑顔で笑ったが、ここで問題が一つ。


「お姉さまの前の身体、亡くなってる」

「ああっ、どうしましょう?」


 ゴッツイオッサンで中年の体が死んでいるので動揺する一同。


「乙女騎士団長デビッド卿は戦死しました。修道士会の修道士たちと争い打ち勝ちましたが、どこの手によるものか、吹き矢など卑怯な手段で毒を打ち込まれ暗殺されたのです」

「え?」

「そんな?」


 一瞬理解が及ばなかった一同だが、表向きの発表ではそのように細工した方が、今後の行動の自由が得られる。


 デイジーの口から出まかせの嘘事実で、先程の騎士の一人の祈りから一部を利用したが、エトワールに忠誠を誓った騎士団なので、もし主君が死ねば若い騎士を除いて殉死して天国への道を警護しながら同行する。


「後ほど昇天なさるエトワール様に先立ち、天でのお住まいや居城を正すため、一足早く昇天なさったのです。皆さま、涙を見せずに嘆きもせず、心安らかに乙女騎士団団長の旅立ちを祝いましょう」

「ああ、そうですわね」

「団長はエトワール様に先立ち旅立たれたのですわっ」

「後は還俗して遊びに行くも良し、休暇として何年でも好きなだけ乙女として過ごしてください。もちろん恋をして結婚なさるのも可能です」


 長年の精勤や祈りの日々が通じて、乙女で美少女の身体で長期休暇を貰えて、還俗すれば結婚でも何でも行える。


「エトワール様はレベルも上げられ、ベヒーモスの肉も食されたので、もしかすると千年は生きられます。もし結婚に失敗したり、恋愛に失敗なさった方はここに戻ってきてください、「乙女に」戻して差し上げます」

「あははははっ」

「うふふふふっ」


 竜の少女は冗談を言ったりできるようなので、皆の緊張もほぐれた。


「さて、次に旅立たれるのはどなたですか?」

「はい、わたくしが」


 副団長が立ってデイジーの前に跪き、祈りの姿勢になった。


 亡くなった?団長の亡骸は、デビッドだかデイビーちゃん本人に防具や装備一式を取り外されてから、仲間たちによって入棺させられ、聖堂に安置された。


 ほんの少し、「乙女騎士団団長戦死、落命」の誤報?が飛び交って、聖女騎士団や三役まで見に来たが、変わり果てた姿?になったデビッド団長本人に挨拶され、デイジーからも事情を話したので解決した。

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