後日譚
宇宙空間
転移門の中の亜空間でふっ飛ばされた炎竜は、アイテムボックスだとか空間転移を管理している、平面世界裏側にある空間管理局によって発見された。
数万度の炎に焼かれたのは耐えたが表面はローストされ、ロケットどころじゃない噴射力で加速されて全身骨折してミンチになりかけ、対空監視網を潜り抜けて空気がない所に出現して一旦脂肪。
結構な推進力で飛ばされたので、ダイソンスフィアから遠ざかって近傍天体になりかけたが、どこかの重油と戦艦で戦争してる世界みたいに、飛行物体は許されないのでレーザーで撃墜されて隣の平面世界に落下。
ドラゴンなど存在しない世界で浜辺に打ち寄せられて、魔法的な写真機で撮影されてしまい、「すわプレシオサウルスの死骸発見」となって、海から来たクーになりそうだったが、死骸は空間管理局によって元の平面世界に転送された。
普通の場所に放置すると「ベヒーモス死骸発見事変」になるので、故郷の燃える大地に放置され、焼き加減も良く塩味も塩梅良く効いた状態で鳥葬される。
到着には手続きや検疫が必要で数日かかるが、娘のベルと次世代の炎竜である息子なら、念話や心の線が繋がっているので発見できる。
王城
王族は冬宮に退避したはずなのだが、王は残って平然と執務を続けていた。
肝っ玉が太いと言うか、肛がデカイというか、性的な意味で使いこみ過ぎてユルユルなのではなく、慣用句的な表現。
まず督戦隊からの飛竜が到着し、竜騎士団勝利の速報が伝声管から入り、続いて書面で到着した。
「陛下、炎竜に関しての一報に御座います」
多数の侍従を追放して前より多少マシになったが、それでも検閲して報告の内容を精査して厳選して、王の耳に入れても良いと判断されてから報告される。
何の権限もない連中が王よりも先に炎竜討伐の結論を得て、追記されて削除されて存在しなかった手柄を書き込まれて、間違いがないと確認されてから書面提出。
長距離を走って42.195キロマラソンして力尽きるか、走れメロスして疲れ果てた使者が王の前でヒーヒー泣いて、感動の内容を真っ先に直言するような真似はできない。
外国の寓話と思われていることも多い走れメロスだが、太宰治作品で日本ローカルでしか話が通じない。
さらに太宰治本人は、支払いする金が無かった時、飲み屋に友人を置いてそのまま逃げたようなクズなので、その話を元に作られた「こうだったらいいな」的な最低の寓話である。
報告書の回りくどい言い回し、途中に検閲が入って何度も書き加えられた難読な内容からすると、歩兵師団による駐屯地死守と、大変な努力をした魔法師団と騎士団の助力、他の師団の英雄的行動により討伐成功。
後ろの方から読み取ると竜騎士団単独での撃退となった模様。
以前のように結果すらぼかして、一体何が起ったのか、かなり文学的才能と想像力が無ければ読み取れなかった報告書よりは、だいぶん読みやすくなった。
「うむ、良くやってくれた。これで炎竜に怯える日も終わりか」
「歴史上、人間の部隊での討伐など無かったようで、これが初となるようです」
「素晴らしい」
どちらかと言うと、今までは娘がいたので母竜も無茶はせず、「オバチャン」と呼ぶ娘の兄弟姉妹とか暗黒竜がいたので話が通じる人物がいた。
今回も歩兵師団の老兵や罪のない者は殺されなかったので、誰かが行けば話は通じるし、最悪の場合、暗黒竜が炎竜の夫からNTRしてヒーヒー言わせてしまえば円満解決?したのだが、魔国との開戦直前のピリピリした状況だったので問答無用で討伐命令。
今後は番で女房を殺された夫とか、炎竜の息子が「ヤダ、この息子お母さん殺されて話聞かない」のが、竜騎士団とか王都にカチ込んで来る可能性が上がった。
王の私室で執務室にある伝声管からも「ギルドカードのドラゴンスレイヤーの称号で、討伐数が増えた竜騎士がいる」と報告されたので母竜の討伐は確定した。
「しかしこの部分、艱難辛苦を重ねて英雄的行動をしたはずの騎士団は出撃すら叶わなかった。訂正せよ」
「いえ、それは……」
チェックして追記した人数と、騎士団寄りの人物が決して削除を許さない。
「同じく英雄的行動をして、叙事詩の如く献身的な活動と補助をした魔法師団というのは間違いだ、彼らはその現場に到着すらできなかった。削除せよ」
「……できません」
勝手に公文書を改竄すると、この侍従が処刑される。
上長の印章に頭を下げて押してあるのが十個以上あり、もう決定稿なので誤字脱字の訂正だけで差し替えはあり得ない。
「ではお主らを削除する、他の侍従と同じく平民に下放して全財産没収して国外追放か最前線送りだ、その年で従軍したり外国語を一から学習とは、辛い人生を選んだな。連れて行けっ」
「「「「「はっ」」」」」
王党派に寝返った衛兵数人が今の侍従長を連行し、異常な追記をした侍従も解任される。
「お待ちくださいっ、お考え直しをっ」
「次の侍従、公的文書の文言の整合性がなっていない、書き直せ」
「は、ははっ」
竜騎士団
メテオストライクの着弾場所周囲を捜索している竜騎士一同。
「ここにも炎竜の残存魔力はありません」
二つ目の着弾点にも三つ目の着弾点、クレーターになっているグラウンドゼロに降下しても炎竜の残骸は無く、転移門から逃走されたか、逃げたなら痕跡でもないか探している。
「巣に戻った痕跡も見付からんか?」
「はい、あれだけ大きな存在ですので、出現すれば何らかの影響が出るはずですが?」
後続の飛竜隊が持って来た探索の魔道具を使っても、現世に炎竜が戻った痕跡が見つからない。
討伐完了だと思いたいが、再出現されて王都侵攻されると移動が間に合わない。
「調査は飛竜隊に任せ、竜騎士隊は本部に戻る、出立可能な者から帰投っ」
今回、炎竜が直下の娘を気遣って大規模な反撃はせず、火竜の速度があったので着火もされず、竜騎士団の被害はゼロで済んだ。
現時点では討伐証明の部位は無いが、小隊長のドラゴンスレイヤー履歴が、経験値にされた若竜に続いて2になったのでギルドから国に通報済み、小隊長最強伝説が始まってしまう。
救国の英雄として最下級の男爵程度では示しが付かないのと、国王の評判が「あいつはケツの穴が小さくて、キツキツで?締りがいい奴だ」と笑われるので少なくとも子爵?
所領も無い終わりかけの貧乏貴族や、家格が釣り合う下級貴族から「是非我が家の婿に」と申し込まれ、さらに求婚される人数が増える。
もし婿に迎え入れて、大広間に小隊長の絵でも貼っておくと?
「救国の英雄エリクソン卿である、控えよ」
な~んて紹介されると、数世代後の王族貴族でも脱帽して一礼してから通過しないのは非常に非礼に当たり「おまえら今も生きて貴族やってられんのは誰のお陰じゃい?」と誇り散らせる。
夜会に出席すると令嬢と聖女騎士団のオネエにキャーキャー(////)言われ、炎竜との戦闘内容を聞かれる。
カーチャの僚機である同じく平民の竜騎士とか、他の小隊長とは天と地ぐらいの差なので「どーして俺もレベルアップしてくれなかった」と泣かれ、さらに嫉妬マスクの生産量が増えることになる。
既婚者で元から貴族でオッサンの団長と副団長はモテ期が済んでいるが、奥様方や衆道の男性からお誘いはある。
竜騎士団の英雄譚も絵物語や舞台劇になり、街中の子供にも大人気「あいつは俺が育てた」という人物が大量に出る。
団員が大見得を切っている歌舞伎絵が売られ、ムキムキのセクシーショット写真集発売決定。
オーストラリアの消防士みたいに半裸でケツ出しの、竜騎士達と飼育員達のチャリティーカレンダーも発売されるが、モックンみたいなオナ〇ーシーンや絶頂シーンは発禁。
団員数人が聖人見習いとして修道士会に入れられた後、修道士長とか聖人頭とか修道院長のお手付きになったスキャンダルが発覚するかも知れないし、親兄弟親戚から集りまくられるので、何人かガガーリンみたいな酷い生活になって自殺するような羽目になる、かも知れない。
平民の竜騎士は全員騎士爵になるか、二階級特進しそうなので準男爵、団長推薦とか勇者推薦ぐらいあれば、今回の功績と共に男爵位を貰えるかも知れない。
今回勇者の出番はなかったが、勇者に「誠意」を見せた人物がレベルアップして貰い超越者になったのと、平隊員全員レベル99で七階梯魔法が使えるようになったのも、勇者のレベル上げの成果なので間接的に貢献した。
飼育員も全員レベル99になり、こちらも騎士爵などに叙爵しておかないと、全員辞めて冒険者になって稼いだ方が効率が良い。
火竜のブレスを弾いて、噛まれても腕が千切れない防御魔法を勇者に掛けて貰っているので、ファイヤリザードとかファイヤフロッグの、ファイア系統の魔物を素手で倒せる冒険者になれる。
冒険者ギルド
「勇者と竜騎士団に恩返ししたい奴は俺に付いてこいっ」
「「「「「「「「「「おお~~っ!」」」」」」」」」」
ギルドから緊急クエストが出て、「炎竜出現、王都を守れ(全員強制参加)」と発令されたが、教官以下元重傷者や冒険者が出動する前に決着が付いてしまった。
不謹慎だが賭けが行われ、城砦の南にあるギルドや、東西門の小規模な買取所や休憩所では全員が炎竜に賭け、ここ北側のギルド員だけが勇者勝利や竜騎士団勝利に賭けていて、オッズの倍率分儲けた。
サムライ教官最強伝説と、勇者パーティーの力士無双伝説は今回始まらなかった模様。
王都郊外
もう一人背景になっていた暗黒竜も「弟の天命が尽きた」というのは嘘で、好き放題暴れた妹への嫌がらせだと大体気付いている。
姉妹仲も最悪のようなので、一芝居打って弟を生き返らせる。
『ベル、天命が尽きた奴の生き返らせ方知ってるか?』
『え…… そんなのできるの?』
もう精神的にズタボロで、目の下にクマが出来て両目は落ちくぼみ、姉にガチ殴りされて前歯が無くて鼻も曲がって美人も滅茶苦茶。
『まあ試してみようや』
適当に竜の涙のボトルを飲ませてみて、嚥下しないので口移しのマウストゥーマウスで全部飲ませて、特に意味もない高価すぎるエリクサーもチュー入し「腹の中がパンパンだぜ」にして、兄竜のラヴ注入したので準備オッケー。
赤い血とか白い血とかケツ液は、絵面がマズいので飲ませない。
『さあ、これで生き返らせてやってくれ』
『へ~い』
兄竜の無茶ぶりだが、このまま懲罰で弟を生き返らせない選択肢は無いので呪文は唱える。
『おめえの命ももうちょっと寄越せ』
『え?』
竜との融合度10%など無いに等しく、防御呪文の強度も確度も無きに等しい。
もう少し融合度を上げて置かないと、また簡単に死ぬ。
『そのまま身体合わせとけ、今度は30%だ』
『うん』
特に儀式的な物は無いが、ベルと長男の絆で融合度が上がった。
『ちょっくら離れとけ、生き返らせる時は新しく作り直す』
『うん』
『壊れた肉体よ蘇れ、抜け殻となった体に精霊を満たせ、魂よ戻れ』
『あっ、あああっ』
召喚呪文から竜が降りてきて、長男の新しい体をプリントアウトして行った。
今回も「新しい顔よ~」と投げられて回転して取り換えられ、古い方も「頭が濡れて力が出ないよ」なだけで、生きていても地面に落ちて放逐されるが、今回古い方は脳死しているので、声が山寺宏一のチーズ(誰?)に食われなかった。全く同じ物は存在してはならないので分解回収された。
「あれ? 生きてる ヤダ、俺裸(////)」
「クキャ---! カリコカカクケケケケッ!」
もう生き返らないと宣言されていた番だけでも取り戻せて、しがみ付いて泣き続けるベル。
「お前、顔どうしたんだよ。姉ちゃんだな? こんなにしやがって呪いまで掛けて」
長男は「新しい顔よ~」は出来なかったので、竜の呪いを引き千切り、番のメスの前歯や鼻を治してやった。
まだ一戦ありそうで、ベルを追ってくる竜騎士もいるかも知れないので、長男は肌着など付けた後で、義母からの遺品になる赤装備を、変身バンクを使って瞬着した。
その間に泣いているベルから、嗚咽でつっかえつっかえカクカクシカジカで経緯を知らされ、気を失って焼かれて、天命も失って死んでしまったのを、暗黒竜とカーチャに生き返らせて貰ったのだと伝えた。
「あれ? お義母さんは?」
竜騎士団に爆撃され続けた義母が気になり、周囲を見回したが、あの巨体も人化した姿も見えない。
幼竜のピーちゃんポーちゃんを見守り続けている土竜の母はいる。
『ああ、転移したみたいだけど、後ろからメテオストライク食らって、どっか飛ばされたみたいだ』
『そんな……』
兄竜からも残念なお知らせを聞いて、一同顔を青ざめた。
「姉さんッ、母さんも生き返らせてっ?」
改心した妹竜の頼みだが、できないこともある。
「おめえの母ちゃんの死体、一体どこにあるんだ? 勇者の呪文でも、何も無い所からは無理だ」
「ああっ」
亡骸を埋めた墓場や、亡くなった戦場で魂や遺物を探すこともできるが、今の所痕跡すら遺さず吹き飛んだ炎竜は生き返らせることができない。
『ううっ、グスッ、母さんっ』
ザコで魔法も使えない火竜達の竜騎士団に、ここまでの力があるとは思わず、消えてしまった母を思い、また涙する炎竜の娘。
ソッチをたった一日で増強したのは、主に姉で勇者の仕業。
『なあベルよ、お前、家に帰ったり大公の家に行くと捕まりそうだ、ほとぼりが冷めるまで竜の巣に逃げとけ』
『え?』
そうしておかないと、逮捕されたり拘禁されて質問詰問監禁拷問凌辱の新生活が始まる可能性が高い。
後はもちろん、これだけの美女を見るとレイプしたり輪姦したがるクズが大量に発生するので、自力で自己防衛で皆殺しにするが、魔法とかブレスとか腕力を封じられてももう母は呼べない。
それでも暗黒竜には助けを呼べるので、危機に陥ると「待たせたな」となって、王城の地下牢であろうが塔の幽閉場所であろうが、バーンと扉を開いて入城。
炎竜の遺伝子を持った不死の兵士を製造する実験をしていた、悪魔の錬金術師の野望が砕かれたり、やっぱりリプリーさんみたいにクローンを作られて「コロシテ…… コロシテ……」だったり、ロクでなし魔術講師の元同僚で生徒みたいに、クローン3,4人追加で作られてたからと言って、平気で斬り殺したりしないで連れて帰って妹が増えたり、アークザラッドTVみたいに助けに行ったヒロインが手足切り飛ばされていて、下半身も改造されて水槽の中で真っ白になって、延々卵子生まされて魔物の母親にされていても絞殺しないで連れ帰って治療し、ヤンジャンのゴッドマジンガーみたいにおとうさまやおかあさまが産む機械にされていて、延々化け物を産む機械にされていたのも皆殺しにしないで救出して、90分スペシャルぐらいで放送コード的にも家族で楽しめる内容の、脚本内容が安っっすいルパンスペシャル的なストーリーのうちに解決する。
『ああ、おらが連行して長老か誰かに預けて来るだ』
『頼んだぞ』
番は取り戻したので自殺する心配はなくなり、長老からも何らかの仕置きは受けるが処刑されるほどの罪ではない。
危機にも陥っていないのに、楽しみの為に炎竜の母を呼んでクズ新兵数百人死なせてしまったので、自責の念を忘れないような懲罰は受ける。
長老の所まで行くと、他の平面世界から数日後に炎竜の亡骸が返還されるのを聞かされるので、やたら胎教に悪い状況がカイゼン(トヨタ方式的に)する。
『さ~て、腹出せ~、おめえの番が帰って来たんだから次がある、まだ改心してない悪魔の頃に身籠った卵はおらが全部踏み潰す』
『ヤメテーーーッ!』
ベルはまた亀になって腹を守り、勇者キックで卵を割られないようにした。
『やめろよ姉ちゃんっ』
腹パン堕胎や回し蹴り堕胎しようとする姉を止め、妻で番で母親になろうとしているメスを守る長男。
『まあ、大丈夫だ、俺が責任を持つ、殺すな』
もし魔女がいると「セキニン取ってくれるの?」とか「こっちの姉さんじゃなくて私のセキニン取って」と勘違いするが、暗黒竜がケツモチしてくれるそうなので、30分のOVAで解決してくれる。
アルデアル公(誰?)の出番が残り五分も無いが「ここからは俺の喧嘩だ」「いいえ、私たちの喧嘩です」「来やがれレグルスアウルム」でカイケツする。
『チッ、上の兄ちゃんが言うんだから、今は勘弁しといてやる、次はねえぞ』
『うん……』
父親の方の炎竜でも門番の神竜でも叶わない勇者なので、次やったら卵も自分も殺される。
勇者の方は、妹の護送に行きたいのではなく、長老とかジジイがいる祝福が降り注ぐ大人の遊技場に、酒とかハッピーの自販機の設置とか、食い物とかツマミの配達、捨ててあるような黒竜の剣とか鎧、竜の垢である脱皮した皮と鱗や牙と骨が欲しいのであって、ベルの方は今はど~~でも良い。
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