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両替屋

 制服やドレスなどを作るのに、服屋に採寸させてZOZOスーツ?とか作らせてから出掛けた一同。


 世間知らずで両替屋も知らない勇者と、人間世界の常識は知らない人化した竜で行かせるのは無理なので、特に役職も仕事も無い先代侯爵でショタジジイのトリーが同行する。


 馬車に乗って門を出ると多数の人が待っていたが、警備の私兵が馬車を通すのに引き離す。


「勇者殿、我もパーティーの一員にっ」

「新たな関取っ、儂と一番勝負じゃっ」

「拙者を従者としてお雇い下されっ」


 この中に、大公家を辞して修行の旅に出る前に挨拶に来た力士で勇士もいたが、多数の仕官志願者や従者志望、パーティーに入りたい人物も多くいたので直接話せなかった。


 周囲の人物を見て、勇者と戦って手ほどきしてもらうか、パーティーに入れて貰うか仕官するのも有りだと思って立ち去らなかったので、また会う機会もあるかも知れない。


 ついでに昨夜、夜会で多くの力士を破り、右大臣左大臣が雇っていた力士全員を破って十番勝負一人抜きをしたので、関取以上の番付表が変わる。


「貴族街にも両替屋があるが場所を覚えておくと良い。儂が紹介して勇者だと名乗って、支店長にでも面通ししておけば悪いことにはなるまい」

「へい」


 竜騎士団の制服を着て行けば、毎月金貨二枚程度の俸給があるので、田舎者の平民でも口座は作ってくれる。


 それでも窓口業務の下っ端が対応するだけで、余程の高額案件でもなければ支店長など出て来ない。


 先代侯爵と支店長は個人的に知り合いなので、宜しく言っておくと色々と無理が効く。


 支店長は人間だが、も一つ奥まで行くと下級天使が人間の姿になっているのが支店を管理していて、平面世界の管理者が金の出入りの手配をしている。



 地球の銀行と言うのは、テンプル騎士修道会が聖地エルサレムまでの巡礼者を護衛をしていた集団が、異教徒と戦うための寄付金などで莫大な金が集まって人員も膨れ上がり、十字軍や聖地巡礼で遠征する際、英国フランスなどの支部で金を預かり、手形を現地で現金化できる制度が始まり。


 現地まで金貨を運ぶのは危険で重量的にも困難だったので、帳面上で預かり金があれば、エルサレムの本部でも別の支部でも受け取れるようにした物。


 自分で金を守れない人物からの預託金も集まり、成長した騎士団が国家の金を預かるようになって、王国や王家にも金を貸し出し、権力や武力を持ち過ぎた騎士団が迫害され処刑、スイスまで逃げ延びられた騎士が他の騎士団やスイス傭兵団などと合流して、今のような銀行団を設立したと言われる。


 もっと北に逃げてヴァイキングと合流して、アイスランド経由で新大陸に渡り、1300年代にヨーロッパ人が北米にいた証拠にもなり得る「ケンジントンルーンストーン」と言うオーパーツが出土したりしている。


 そこで死んだ騎士の墓標としてルーン文字が石に刻まれたのか、最初に見つかった時に釘状の物で文字をなぞって土を落としてしまい、鑑定で即座に偽造品と判定されたが、コロンブスの新大陸発見とかコンクエスト以前にも、ヴァイキングやヨーロッパ人が北周りで新大陸に行っていたというのは本当らしい。


 両替屋

 やがて馬車は両替屋に到着、護衛は外に残され、三人と執事が出入り口を通り、執事が受付に申しつけた。


「先触れの通り、先代侯爵トリニクレス・クローリア様が今代の勇者を連れて参られた。新規の口座作成と小切手類の換金、支店長とも面会したい」

「畏まりました」


 一行は小部屋に案内され、新規口座に必要な書類など並べられ申込書類にサインして行き、トリーが「カーチャ・クローリア」と記名して、職業欄には「勇者」と記入、伝家の印章の指輪を魔法的な蜜蝋に捺印した。


 輪転機を使う様な印刷は存在してはならない世界だが、紙やトイレットペーパー的な便所紙は平面世界側でも製造しているので豊富に流通している。


 版画程度や簡易な印刷物は許されているので、浮世絵のような一枚画で「ロスケメ、イマトドメヲサシテヤル」みたいな、日本兵がロシア兵をバックから串刺し?にするBL春画も出版され、タコが夫人を襲う触手物もウタマロ?も、勇者の絵物語なども安価で売られている。


「後でお主にも同じ印章をやろう、彫金師を呼んで魔法的な手続きもする」

「へえ」

「小切手類も店員に渡して置くと良い、金貨をすぐ出して貰うのは難しいが、帳面上の加算なら簡単だ」

「へぇ?」


 全く分からない行為が続いているので言いなりの勇者。もし悪意ある人物が仲介していたら、全額巻き上げられても不思議ではない。


 そこで整理されていないグチャグチャの小切手や手形をアイテムボックスから出したので、流石のトリーも心配になって苦言を呈する。


「どれが誰との取引か分かっているか? 小切手を貰った者には品物を渡し終わったか?」

「???」


 まだ若いので記憶しているが、2,3日すると忘れる。


「小切手と手形は、預かり証以外にも、どの貴族の支払いか控えを残してくれぬか」

「畏まりました」


 手形の方は割引して貰わないと決めたので、預けておいても振込期日にならないと入金されないのを説明された。


「手形や後日支払いの奴らは、家同士の取引にして馬車でも使って配達するか、魔法士の連中や騎士は我慢できずに小切手でも持って飛んでくるだろうから、魔道具や武具は家の者にでも渡しておくと良い」

「ヘヘー」


 面倒そうな各種取引も侯爵家まかせ。勇者が家にいると何かと取引も多いが、貴族に各種魔剣神剣、神具宝具魔道具の類をギルドや商人を通さず売ってやれる。


 他にも家族を生き返らせて欲しいという貴族たちや、若返りだの永遠の命だの、火の鳥の生き血を持っていないか、人魚の肉を持っていないか、もっとベヒーモスの死骸を持っていないか、ヴァンパイアの真祖を退治した後の灰を持っていないかなどなど、多数の問い合わせが今朝から侯爵家や竜騎士団に殺到している。


 竜の涙程度の貴重な霊薬なら、捨てるほどあるし売るほど持っているので、もう金には困らない。


 屋敷の外で待っていたような、これから勇者パーティーに加えて欲しいとか仕官したいぐらいの要求は分かるが、うちのボクチャンも竜の試練に同行したことにして欲しいと言う厚かましい連中もいるので、もう個人では受けきれない。



 そこで支店長が入室して、顔見知りのトリーを見て驚く。


「トリニクレス様ご来店とお伺いしたのですが?」


 面識もある知り合いが、てっきり遺産相続の遺言状の差し替えに来たと思って、書類を用意してきたがご老体がいない。


 流石に56年も若返ると本人と認識できないので、面影程度は残っているが、12歳ぐらいまで戻ると商売人でも分からない。


「驚いたか? 儂じゃ、トリニクレスだ、こちらの勇者に若返らせて貰ったのだ、何ならお主も若返るか?」

「は? そのお声、もしや?」


 声変わりする辺りの若い声だが、所作や表情や雰囲気で、どうにかトリーだと認識できた支店長。


 こちら、と手を差し出された先には腐った平民で安物のメスガキ竜騎士団員がいて、その向こうにありえないほどの美形の少年がいて、ジェンダーが破壊されるレベルの美少年で気品あふれる人物だったので、支店長も当然この少年が勇者だと確信した。


 どこかのニュース番組で「羽生選手を見ていると自分のジェンダーが疑わしくなる」などとカミングアウトした、面白過ぎるジジイの解説員がいたが、この支店長も「この少年なら抱かれてもいい」とか「この少年なら抱けるし男の娘でもいい」と思い始めた。かも知れない。



 その後は姉や曾孫が生き返った事、勇者が引き起こした一連の馬鹿げた出来事、昨夜の夜会の信じられない事件の数々をカクカクシカジカ伝えて行った。


 昨夜ちょっと、王都が火の海になるような内戦寸前だったこと、徹底抗戦派が勝ったなど、銀行員が欲しがりそうな情報も与えてやる。


 どうせ噂で聞こえてくるので、情報は新鮮で高いうちに売る。


「そんな事が…… それにベヒーモスの肉や素材など、どれだけの価値があるか?」


 素材屋とか商人ならぜひ扱ってみたい商品で、超お得意様限定の外商で、不老不死関連の物資も是非流通させてみたくなった支店長。


「土産物だ、ベヒーモスの肉、口に合うなら食べてみるといい」

「おおっ、これがっ?」


 ほんの一切れだったが、桐の箱か銀の入れ物に入れるぐらい貴重な品を、今後の迷惑料として支店長に食わせてやった。


「どうだ、この勇者に関わっていると、大金を得ることはあっても損をすることはないぞ、今のうちによしみを結んでおけ」

「はい、確かに。こちらが今代の勇者様でしたか」


 明かに美少年の契約竜の方を見ている支店長、美形度で勇者かどうかを決めた失礼な支店長を感じ、トリーから間違いなのを教えておく。


「違うぞ、勇者はこっちだ」

「は?」


 竜騎士団の制服は着ているが、どう見ても貧乏な平民でチビッコで田舎者で農民と、人外の美形で美少年で物腰も唯者では無い人物と平民を見比べ、やはり契約竜の方が勇者だと思い至った。


「こちらは勇者の兄で、人化しているが竜だ」

「はぁ?」


 人化した竜など、普通の人間が一生見ることは無いので、王都の空を行きかっている飛竜と同一存在とは信じられない。


 平民のメスガキは「ツルー、ペター、チビー」の擬音がとても良く似合うので、勇者とは思えない。



 銀行員で接客や営業のプロですら見誤るのを見て、自分の審美眼?や鑑定眼にも疑いを持ったトリー。


「仕方がない、聖剣を見せてやれ」

「へえ」


 伝家の宝刀、と言うか、勇者にしか持てない聖剣が唯一の証拠になるので、机の上に置いて支店長にも持たせてみる。


「美しい…… しかし触れられない」

「昨夜のオーガのように、抱え込んで持ち去ろうとすると、この剣は自分で抜刀して相手の腕を切り落とすでな、気を付けると良い」


 トリーも冗談めかして言ってみたが、剣士ではない支店長はそこで引き下がった。


 鞘に収まった状態や抜刀した状態を魔法的な写真機で撮らせ、ついでに勇者も写真に収め「お得意様情報」で、今代勇者様の写真を掲載して店員や警備員から失礼が無いようにして、先代侯爵の写真も差し替える。


「他に金に関することで何か相談しておくことはないか?」

「ああ、それなら」


 家にもアイテムボックスにもある古代国の金貨、これをどうにか換金できないか聞いて見た。


「竜の巣とかあちこちで貰える金貨なんですけんど、今の国の金貨でねえみたいで使えないんでやす」

「おお、これは、ちょっと拝見します」


 軽く数枚掴んで出したが、鑑定眼持ちなのか片目のレンズだけで金貨を調べ始める支店長。


「かつて存在した超大国の金貨ですな。これでしたら預託して頂きますと、額面通りでお預かりできます。帳面上では現行の金貨と同じですので、お申し付け頂けるといつでもお引き出しもできます」

「フェ?」


 言っている意味が分からないので、トリーの方を見て翻訳を頼んでみた。


「持っているだけ全部両替屋に預けてしまえ、そうすると今の金貨と同じように使える」

「フェッ?」


 今まで商人とかも受け取らなかった偽金貨扱いだったのが、両替屋では正当な金貨として扱って貰える。


 平面世界的にはこちらが正当な金貨でハードカレンシー、バーコードでも偽造防止策もICチップ的な物でも何でもある金貨で、プレス加工された美しい硬貨。


 王国で流通して認可されているのはローカルカレンシーで、地域流通の商品券程度の物。


 冶金技術が低くて、混ぜ物で水増ししまくった王国謹製の硬貨。

 似たような重量の溶けた金銀を手動で砂型に入れたのを、鉄の器具で刻印を入れただけの、ブサイクな100円玉モドキの王国銀貨と金貨。


 簡単に偽造されるので見るに見かねて、コピー防止技術を駆使してプレス加工した正しい物でき置き換え、ギルドや両替屋で出る金貨銀貨が本物を乗っ取って流通している。


 両替屋やギルドでは、本物の汚い金貨銀貨の方が偽物で金属として回収される。


「んでは、とりあえず千枚ほど……」

「そんなにお持ちでしたかっ」


 小切手から換金される額もあり、とんでもない上客なので支店長もビックル吹き出すぐらいビックル。


 千枚入りの袋を机に置くと、平面世界共通のコイン計測器が持ち込まれ、真贋鑑定しながら高速で計測された。


「では、王国発行の金貨と換算して、三千枚のお預かりとなります」

「フェッッッ?」


 今までは偽金貨扱いだったのが、王国金貨の三倍の価値があると知らされ、勇者もビックル吹いた。


 村の牧場で牛一頭をアブダクトされてキャトルミューティレーションされるたび、王国金貨三枚も支払って来たので、それは喜ばれる。


(あんの、ねえちゃん~~)


 一家で古代国金貨の本当の価値を知っているのは、片翼の姉竜と暗黒竜だけ。


 姉竜も子供に贅沢を覚えさせると真っ当な竜?に育たないので清貧を通して、弟妹を真っ当な竜?として育て上げた。


 母親ソックリな魔女と、妹竜のベルトーチカとグリーンは育成失敗したが、ソッチは遺伝子に大変問題があるので、人間の方は結構成功している。


 暗黒竜は現行金貨を樽ごと置いて行ったり、子供にもお年玉で金貨数枚渡すが、普通の家庭と同じで姉竜に取り上げられてしまい「貯金しておく」「養育費生活費食費光熱費」「こっちも親戚に渡してるんだから」攻撃を食らって二度と返して貰えない。


 特に男共に渡すと一瞬で出て行ってしまい、鉄砲玉みたいに二度と帰って来ない。


 クソ親父も古代国金貨の価値を薄々知っているが、欧米のとんでもない金額の宝くじが当たった家庭みたいに、孫が麻薬のやりすぎで死んで、金使いが荒すぎて家庭が崩壊したり、使い切った後は娘や孫まで武装強盗で終身刑とか射殺、碌でもない事しか起こらないので暗黒竜がくれる小遣い以上の贅沢はしないで働く。


「一体何枚持ってる? まさか大金貨まで持っておらんだろうなあ?」


 トリーに聞かれたが、勇者パーティーへのお年玉は、長老からも神竜からも炎竜氷竜全員大金貨でもらう。


 他のオッサンオバハンからも人化した時の手で金貨一掴み貰え、実は使い方を知らなかっただけで元から大金持ち。


「全部出せ」


 目も逸らして顔も逸らして、ペコちゃんみたいに舌先を出してとぼけていると、兄竜の方がアイテムボックスからゴッソリ出した。


「金貨千枚、大金貨十枚」

「「ナ、ナンダッテー!(AA略)」」


 これでも全額出していないが、大金貨が金貨百枚なので合計二千枚。この国で贅沢をする当座の遊ぶ金なので、全額使いきっても困らない。


 急遽兄竜にも口座が作られ、養子縁組はしていないが「エドモンド・クローリア」名義で、王国金貨六千枚の預託金、二人には使い放題のブラックカードみたいな小切手帳も発行された。


 後で一家全員両替屋に来ると、金融危機が起こるぐらい古代国金貨が流入したり、現行金貨の価値が紙くずになったりするはずだが、平面世界全体、ダイソンスフィア全体を管理しているゴランノスポンサー社とか月極グループなのでビクともしない。



 そこで昨夜、王も大公も自分も孫の竜騎士団長も「ベヒーモスなどもっと持っていないか?」聞くのを忘れたトリーは、有り得る訳がない答えを想像して、恐る恐る横にいる勇者に聞いて見た。


「もしかしてお主…… ベヒーモスやケルベロスなどの死骸、まだ持っておらんだろうなあ?」

「フェッ? あれぐらいで良かったら腐るほど……」


 そこでトリーは、世間知らず過ぎる勇者に、聞いてはいけないことを聞いたのに気付き口を塞いだ。


 別にチューして塞いだ訳ではないが、手で強引に黙らせた。


「支店長、今のは聞かなかったことにしてくれ、良いな?」

「は、はい」


 国家秘匿事項で国家安全保障上、重大過ぎる案件を耳にしてしまい、一市民としてSAT

SUGAIを恐れて黙秘することにした支店長。


 もしペラペラ喋ったりすると「ベヒーモス死骸発見事変」並みの箝口令で口封じが開始されたり、「三毛別熊害事件さんけべつゆうがいじけん」とか「ゴイアニア被曝事故」レベルの死人が出て、自分と家族も始末されるのも簡単に想像できたので合意した。


「帰ったら聞くことが沢山ある、覚悟しておけ」

「? へえ」



 両替屋を出ようとすると、昨日対戦した力士で勇士とバッタリ出合った。


「おお、勇者殿ではないか、旅立ち前に屋敷まで挨拶に行ったのだがな、余りにも大勢いて面会できなかった所だ」

「おや? 大公様お抱えの力士さんでねえか」


 軽く会話して「屋敷の前で待っている者で誰が最強か決定戦ドンドンパフパフ」が行われ、銀貨一枚を参加料として対戦して優勝者総取りで、最初の家臣として雇って貰える優先権を戦ったところ、自分が勝ったので銀貨六十枚ほどを両替屋に預けに来たと分かった。


「クローリア侯爵家でも良ければ今すぐ雇ってやるぞ、勇者もいるし手合わせするのも簡単だ」

「おお、ありがたいお言葉」


 契約などは後になるが、元大公家の力士は侯爵家に移籍した。


「お主の初めての家臣だ、何か与えてやれ」

「へい」


 勇者は騎士団長でも持てない、ガッツさんが持つような屠龍の剣で、一メートル半はある黒い大剣と肩に背負う器具、更に魔法のエンチャントまで掛かっている品を取り出した。


「素晴らしい、これも黒龍の鱗ですかな?」

「へえ、多分」


 これだけの番付の力士なら、支度金とか契約金とか移籍料とか報奨金とか大金が支払われるが、黒龍の剣なら俸給も含めて千年分ぐらいになるので余裕で雇える。


 本人も金にも食うにも困っていないので「ごっつぁんです(ヘブライ語?)」体質で、とんでもない金額の剣を受け取った。


「これから冒険者ギルドに登録に行くのだがな、最初の仕事として護衛を頼もう」

「は、承りました」


 カーチャとトリーと執事と護衛だけでギルドに入場すると、定番のセリフ「お嬢ちゃん、何しに来たんだ? パパのお供か? 家でママのオッパイでもしゃぶってな」が聞ける。


 しかし鬼のフドウか雷電為衛門みたいな力士が同伴していると、からかわれた瞬間、昔のブイブイ言わしていた頃のフドウみたいな表情になって、冒険者を雑巾みたいに搾り上げてトマトジュースでミンチスペシャルにする。


 それとも「為衛門君は一個70円のみかんと、一個150円のリンゴを持っています。為衛門君はリンゴを片手で握り潰すと「次はお前の番だ」と言いました。さて、死体は幾つになるでしょうか?」みたいな答え合わせが行われる。


「勇者よ、ギルドで出していいのはMクラスの魔獣までだぞ、それ以上は国宝レベルだから出すんじゃないぞ」

「フエ?」


 もちろん魔獣の威力階級だとかそんなもん聞いたことがない勇者は、出してはいけない物品を平気で出す。

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