IWGPのチャンピオン横綱(相撲令嬢的に)
メインイベントの公開処刑前に、聖女とか勇者を教会に認定させておいて、ティーアップして高い存在にしておかなければならない。
正教会に対しては今後「王都が火の海になる」「正教会もその被害を免れない」「ならず者で魔国恭順派が教会全てを踏みにじる」「魔国は魔物に反する聖女の存在を許さない」「新たな大聖女を迎えたので新生国家には大聖女と、生き残った選ばれた聖女を優遇する」と書いておいたので処刑宣告。
縦読みして斜め読みすれば「魔王と魔物に恭順しようとする正教会はすでに不要」「王国と国王に従わない旧態依然の正教会は破壊して焼き尽くし、新国家に従わない聖女以外は粛清する」「見習い聖女など役に立たない者は魔国か軍隊がレイプして全員踏みにじって終わりにする」「お前らは全員死ね」と読めるように高圧的に書いておいた。
徹底抗戦派の僧侶が「魔国に占領されれば聖女など鏖だ」と周囲の者にも滾々(こんこん)と教え、どうにかして生き残りたい教会関係者が夜会に乗り込んできて、最後の生存をかけて大公や国王に媚びるために泣き言を言いに来ていた。
「これまでの奇跡を認定し、正教会は竜騎士村、ストナ家次女と長男を聖女聖人と認定するっ」
次女はどう見ても真っ黒な悪魔だが、国王、大公、右将軍、左将軍、歩兵師団、魔法師団、騎士団、竜騎士団、全てが認めるコンセンサスとして、「人類全てが既に魔物と混血させられている存在で、心も魂まで汚染された時に魔物になり果てる」と言うのが国家で王の公式見解になったので、他の者が今更別の言い分をしても無駄である。
教会には特に大聖女大聖人と言う役職は無く、聖女達の教会内での地位によって何階層かに分類されているだけ。
その中で一人だけパーフェクトヒールとリザレクション、更に死後4分を経過した死者も蘇らせることが出来る、呪文の名前も存在しない死者再生の呪文を唱えられるただ一人の老婆で聖女を、教会の外の人物が言うように「大聖女、エトワール」として呼称している。
勇者と同じで大聖人を名乗りたい者は沢山沢山いる。
まず次女で魔女と長男が教会から聖女認定され、参列者の拍手を受けた。
教会の鑑定眼持ちがカーチャや次男や三男も鑑定し、奇跡認定も済ませる。
「次に正教会は、ストナ家長女を勇者であり、聖女であると認定するっ」
羊皮紙に掛かれた契約の魔法と、クローリア侯爵家の家紋が入った指輪でトリーが封蝋に判を突いて認証する。
貴族家が召し抱えている力士はレベル90程度で、あくまでも自称勇者でしか無く、正教会が認定したものでは無い。
S級冒険者の暗黒竜なども鑑定したが、聖剣も所有しておらず、竜の試練も終えていない、復活の呪文も有していないので勇者認定はしていない。
しかしカーチャは全てを所有しているので認定せざるを得ず、正教会から正式に勇者認定をされた。
大公家や王に助命嘆願する、教会側の意図であったとしても正式認定された。
「平民が……」
「勇者や聖女とは貴族がなるものだ」
貴族からは不評が出て、選民思想が強い物からは、平民如きがなれるものでは無いと苦言が呈された。
そこで大公と話していたトリーが、大一番の前に小さい余興を申し出た。
昔は歩兵師団長の大公から、航空支援のための火竜と、空輸のための飛竜をオネダリされ、間引かれた竜を少しづつ集めて育て、竜騎士団を設立した知り合いなので話は通じる。
「さて、カーチャは無事勇者認定されましたので、手合わせしてみたい者も多いでしょう。聞く所によると騎士団長だけが対戦して一人で楽しんだとか?」
「そうだのう、我が家の力士とか、他家お抱えの者も対戦してみたいはずじゃ、やってみよう」
大公がタニマチになって雇っている勇者候補で力士がいるので、やはり相撲令嬢物になるのかも知れない。
超電磁上手投げで力士がすっ飛んでいくような対戦もあり得る。
まず魔石が付いたマジカルロッドを握った大公が、マイクパフォーマンスをして参加者を募ってみる。
「誰か勇者と対戦してみたい者はおるかな? 我が家の力士も参加させる、我こそはと思うものは申し出よ」
腕に覚えがある者や、記念に聖剣と剣を交えて見てみたいだけの者まで、結構な人数の貴族が出てしまった。
「これは多いな、レベルで制限でもするか? カーチャ、どうだ?」
トリーから問われると、いつもの七分身をして、並ばせた列を消化、次男三男でも良いのなら屋外でも対戦を受け付けた。
「これは面白い、分身、それも見せかけだけでなく実体がある」
ホール内では帯剣禁止だが、クロークで剣だけ返して貰って対戦準備。トリーも参加者側に並んで余興に混じる。
「さて、今代勇者の実力や如何に?」
剣を抜いた貴族連中から、騎士団長にやったように剣を盗み、替わりにグラスと皿を持たせてから鞘に剣を返してやった。
聖剣を当てたりすると伝家の宝刀が切れてしまうので、刀を合わせたい者は安物の鉄剣かG色の剣でも持たせる。
「おやおや、大人と子供以上ではないか、グラスを持たされた者は降参して次に譲るように」
御婦人方からも笑いが起こり、殺伐としていたホールに笑顔が戻る。
トリーも同じようにグラスを持たされて終了、聖剣と剣を交えるのが本則なので、G色の黒龍の鱗の剣を借りられる列に並ぶ。
分身して来客と対戦させている間、カーチャ本体は次女で魔女の所に行っていた。
『おまえ、やりやがったな? 一体何人殺した?』
次女の顔の真横にグーパンを通過させ壁ドン、周囲に気付かれないように一応竜語で会話。
『さあ? 多すぎて覚えてないわ。腐った心と魂の持ち主は、相応しい体になって貰っただけ』
いつものように何の感慨も無く「君は今までに食べたパンの数を覚えているか?」系統の返事をする魔女。
まだ人の体をしている逮捕者数百人は今後の人生を奪われ、魔物に変えられた者は抗弁もできず、拷問されようと証言できないので処刑まっしぐら。
『多少性根は腐ってても、普通の人間だろうが』
『いいえ、人間は魔物と混血してるから、心も魂も腐ると魔物と同じ。大公様も陛下も認められたのだから、これからはそれが公式見解』
『違うだろっ』
そいつらも体だけ人間だが、その理屈の間違いを上手く言えない。
『泥棒とかスリ程度なら牢屋入りでもいいけど、部下のメイドを呼び出して乱暴するとか、子供が出来たら里に返品して自殺させるか名誉殺人、小さい見習いの子供にイタズラして乱暴、主人や上司に毒を盛って殺したとか、昼間魔物にしてやった爺さん以上に酷い奴、まさか野放しにしておくつもり?』
『うっ』
次女は口が上手いので、すぐにやり込められてしまった。
『鑑定したら、この辺りに混ざり具合と魂の反転具合が見えるでしょ? 生まれが人間に近かっただけで、それはもう魔物』
『違うっ』
そうは言っても、どうしても魔物と人間の違いや定義を説明はできない。
『鑑定? そんなもん見えてねえぞ』
鑑定能力は魔女の方が性能が良いらしく、今後も清潔で平和な世界を作るために殺処分を続けるつもりでいる。
『この力は有効に使うべきよ、兄さんも納得してくれて、そんな腐った奴らはこの世から消して、綺麗な世の中を作ろうって言ったら賛成してくれたわ』
そっちは丸め込まれたと言うか、長男は次女に甘いので屈服させられている。
『お前が魔王か魔女じゃねえのか?』
母親似の曲がった理想主義で完全主義、汚濁を一切認めない若さゆえの潔癖さ、悪事を許さない清潔さ、魔女が悪行を重ねて悪人を魔物に変えるか、牢屋に入れて行くだけで遺伝的に世界が美しい物に変えられる。
『私こそが聖女よ』
魔女はまた悪魔の顔で笑い、姉に貰ったデスノートを存分に利用して、今後も天使ではなく魔物を呼ぶつもりでいた。
この辺りの価値観の違いが、二人の行く末を決定的に分けた。
そこで貴族たちのための余興が終わり、各家に雇われている力士が歩み出て来た。まずは大公家の自称勇者。
「聖剣を使って欲しい、この剣では無理か?」
大公から借りている伝家の宝刀、ミスリルらしいが聖剣なら簡単に切り落とせる。
「あ~、すぐ折れるか切れると思いまさあ、こっちの黒い大剣にして下せえ」
騎士団長に渡したようなG色の大剣で対戦開始。
すでに分身しているので人数は増やさなかったが、何度か剣を合わせてやって、貴賓席に飛ばさないよう剣を取り上げて終わりにしてやった。
「素晴らしい剣技であった、修業をやり直してくる。それとこの剣を譲って貰えないか?」
既に売れ口が付いている剣だが、それ以上の値段なら手放しても良い。
「大公様にオネダリしてみなせえ」
「はは、そうしてみる」
大公家の力士は人柄も良い人物が選ばれていたようで、無理を言わずに立ち去った。
大公の顔に泥を塗ったので大公家を辞して借り物の装備も返し、山ごもりして修業し直す模様。
それからも何人か力士を退けて、土俵上で取り組みもして、超電磁上手投げとかも披露して相撲令嬢物としての役割も果たした。
その頃には右大臣左大臣の兵力が包囲を済ませ、入場者にも制限をして来訪者には誰何する検問も設置。
国王を連れ去った左将軍を捕らえようとして、先程の右大臣も力士を連れて入場して来た。
一応夜会の空気読んで、お抱えの力士と勇者の対戦で決着をつけるつもりらしい。
「さて、お楽しみのところ申し訳ないが、左将軍及び右将軍に逮捕状が出ております。大人しく投降して陛下を返せば良し、返さぬのならば……」
周囲を包囲している兵団が攻め込んできて王を拘束、邪魔な将軍共と偽?大公を捕らえるか処刑して国家乗っ取り。
もちろん包囲している更に外周を、歩兵師団と魔法師団と騎士団に包囲されているのも知っているし、竜騎士団が出動してこの場に来場するのも知っている。
「右大臣よ、夜会の余興の途中に興醒めだ、折角力士を帯同しておるのだから、勇者と対戦させよ」
御簾から王が出て来て対戦を要求したので、右大臣も一礼して要求受諾。
「結構です、カドルバよ、勇者と対戦せよ」
「はい、閣下」
カドルバと呼ばれた力士はどう見ても人間ではなく、魔国側でも善人には天使が降りてきて人間になったり、こちらとは逆に強制的に天使を降ろして外見を人間化する魔術が存在するらしい。
「それでは通常の戦の作法のように、一騎打ちで勝った方が要求し、陣を下げて頂くなり、十人ほどの勇者や力士が討ち果たされた方が軍を引く、それで宜しいですかな?」
「うむ、良かろう、必要ならば戦争執行の契約でもするか?」
「いえいえ、陛下にそのような無作法など、これはあくまで夜会の余興に御座います」
右手を掌を上に出して肘を曲げ、胸の前に出して頭を下げたまま後ろに引いて行く右大臣。
明かに魔物と向き合ったカーチャ。次女にグーで壁ドンして言い合っていたのを解除し、用心の為に分身も解除、聖剣までは不要だが、目の前の鬼に話しかけてみる。
「おめえ、大鬼だな? そんな人間居た日にゃあ、熊も尻尾巻いて逃げらあ」
正体を見抜かれても平然とするオーガ、まず挑発の為に定番の汚い言葉で罵って来る。
「お前はノームかホビットか? 手足圧し折った後は俺のおもちゃにしてタップリ可愛がってやる。まずはお前の聖剣を寄越せ、チビのガキには分不相応だ、俺が有効に使ってやるよ」
「じゃあ、おらが勝ったらお前の装備全部貰うな」
「抜かせっ、やれるもんならやってみな」
安い挑発だが、このオーガには聖剣を持てないので、鞘ごと放り投げて渡してやる。
「うおっ、逃げんなっ、待てっ」
片手で追い掛けても掴めないので、両手で抱き締めるようにして拘束しようとすると、危機を感じた聖剣はインテリジェンスソードのように自分で抜刀し、オーガの右腕を切り落とし、左手でも掴みかかって来たので左手も切り落としてカーチャの元に戻って来た。
「キャアアアッ」
血生臭い光景を見せられて貴族のご婦人が悲鳴を上げる。
「はい終わり、次」
こんな時は切り株みたいな両腕を持って、腕を切られたことにすら気付いてない相手に「忘れ物だ」とか言って、ケンシロウか南斗水鳥拳のレイみたいな顔で投げ渡す所だが、オーガはまだ諦めておらず、床に転がって切られた腕に近寄り、切り口から触手のような物を伸ばして自力で両腕を繋いだ。
「何だあれ、人間じゃないっ」
観客もオーガの正体に気付いて騒ぎだしたが、奥の方にいる魔女がいつも通り魔物を召喚して、オーガを元の姿に戻そうとした。
「ギーーーー(死ね)」
別に姉を助けるためではなく、魔物の本当の力を引き出してやって嫌がらせをして、観客には右大臣が連れて来た力士は魔物で、既に魔国と親密な関係であり、部下まで魔物で固めているのを確認させるためでもある。
「ああっ、召喚陣からオーガがっ」
どうにか人間の皮を被って不自由にしていたのと違い、大きさも二回りほど大きくなり、「オレ、オマエ、マルカジリ」の系統で、大型の肉切り包丁を持って「フレッシュミートッ!」と言う魔物になった。
「ご覧ください、右大臣は既に魔国の言いなり、魔国に国を売り終わった売国奴。部下までオーガで、大臣本人では無ければ頭から魔物に食われているはずですっ」
「何てことだ、大臣まで魔物にっ」
いつもの敵を陥れる嘘が通ったようでほくそ笑む魔女。
本当にカーチャを丸かじりにできる大きさのオーガは、巨体を生かして上から押しつぶそうとしたが、超電磁張り手の「てっぽう」一発で土俵を割って後ろに倒れて土が付き、軍配は上がって勝敗は決したが、それでも向かって来ようとしたので見えない手で掴んでやった。
「オイ、ハナセ、ウゴケン」
石破天驚ゴッ〇フィンガーでヒートエンドしてやるか、握り潰してリンゴジュースかトマトジュースみたいにしてやれば済むが、ホールの床が汚れてメイドの仕事が増えるので、屋外に連れ出して約束通り全装備を盗んでやってアイテムボックスに入れ、窒息死するまで肋骨を締め付けてやった。
「はい、次」
オーガの亡骸もアイテムボックスに入れ、どこかで売れれば金に換える。
会場周囲
村を進発していた暗黒竜は、とっくの昔に到着して、左大臣の兵達に誰何されて立ち止まらされ、検問の兵士も誑し込んで「固い事言うなよ、固くするのはここだけで」「アッーーー!」だとか兵士にもメスの顔と声を出させて「ゆるふあ、ト〇マンとは何事か、この俺のガッチムチのキンニクで逝け」みたいな通常の手順で入場し、駐機場で待っている竜の弟妹と面会していた。
『おう、オマエラ、留守番か?』
『あ、兄ちゃん』
『上兄ちゃん』
この場にいるカーチャの兄竜で契約竜、次男次女三男の契約竜と話していた。
まだフェニックス〇輝とか、タキシ〇ド仮面が出るオイシイ場面では無いので急いでいない。
『まあ、全員で夜会の会場まで乗り込もうや』
次男次女の契約竜など象サイズなので、入ると中の人が死滅する。
夜会会場
右大臣が契約していたオーガが敗退したので、次は左大臣の魔物が出て来た。
「オマエがユウシャか、スコシハヤルようダガ、スグニシマツシテヤル」
口が人間じゃないので喋りにくそうにする魔物、バベルの塔で混乱させてあるのに人間語を覚えて来るような奴なので、潜入任務やスパイ活動ができるとても頭が良い奴なのは分かったが、戦闘力とか鑑定眼では大したことが無さそうなザコ。
倒した後は踏んで「ザ~コ。ザ~コ」とやって、メスガキが分からせてやらないとイケナイ系統の敵。
呼び出しが掛かって土俵入りし、貴族達から賭けられた懸賞金が土俵?の周囲を回る。
そして損居の姿勢から拳を土俵近くまで下げる。
「ハッケヨイッ、ノコッタッ」
ヘブライ語では「敵をやっつけてやれ、潰してやれ」という意味の掛け声が掛かり、ガップリ四つの相撲が始まった。
ちなみに国内の神事や祭りにはヘブライ語が多く、「ヤーレンソーラン」とか「エンヤラヤー」「エンヤーコラー」と言う謎の掛け声は「ヤハウェに願い奉る、祈りをささげる」という意味で、「ワッショイ」と言うのは「神が降りて来られた」。
祭りの神輿は十戒が刻まれた石板を乗せるアークに似ていて、山伏や天狗が付ける兜巾はヒラクリティと同じ、神武天皇の墓かどこかに失われたアークが埋葬の副葬品として埋められていると言われる。
三種の神機のうち八咫鏡の裏側には、モーセが神の名を問うた時の答え「我は在て在るものなり」とヘブライ語で刻まれていて、天皇家の紋章、菊花紋の16弁は、ユダヤ教会やイスラエルに存在する神殿、シナゴーグの紋章と同じである。
失われた十士族が日本にたどり着き、おのころ島(淡路)か九州に漂着、7300年前に鬼界カルデラの大規模噴火で滅びた、ろくに共通言語も存在しないような石器時代の日本に、神のような技術と立法で治め、言語や文化も影響を残して「アリガト」「鳥居」などの言葉やカタカナの共通性、あらゆる同音同意の言葉からすると、「日ユ同祖論」もあながちオカルトでは済まされない。
二人目の魔物も退治前に次女が邪魔をして、魔物の本性を現させて、いつも魔国にコウモリでいじらしく通信していたようなリザードマンかリプティリアンにしてしまった。
勇者は超電磁しゅもく反りのジャーマンスープレックスで投げてやり、土が付いた上にカウントスリーでキメてやって、十番勝負を一人で勝ち切り、IWGP(捕鯨団体ではない)のチャンピオンベルトで横綱を手に入れた。
残りのザコは割愛する。
勇者であるカーチャは、いつか次女と決着を付け、射手座のゴールド横綱を賭けて戦う日が来るのを確信していた。
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