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わたし達、冒険者始めます  作者: 遠ノ守
第一章 ここはどこ!?
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4 状況確認           


 ゲームと違ってゴブリンの死体は消えなかったので、少し離れた岩陰に移動して話をすることにした。

 早くも少し臭い始めているのだ。


「まったく、どうなっているのかね。君の顔、日本人っぽくなっているけど、それが佐橋さはしさんの顔なのかな? って自分じゃ自分の顔は見えないか」

「これで」


 このとき彼女が手鏡を持っていたので、それで自分の顔を見て「あー、現実なんだな、夢じゃないんだ」と思い知った。

 でもゲームなのにあったんだな手鏡って。持ってたんだ、ゲームなのに手鏡

 いえ助かりました。


 アバター「ナル」を操っていた妹の友人は、佐橋さはし月那るなさんと言う。額の広い落ち着いた顔立ちの少女だった。

 落ち着きが前面に出ているが、少女から大人の女性に半歩踏み出した絶妙なバランスで、もう二~三年であでやかに開花するさまが予感できる。

 陽性アクティブ生命力バイタリティーあふれる我が妹(みゆき)の友人としては少し意外だったのだが、存外ぞんがい幅の広い交友関係を築いているのかと感心もした。


 聞けば彼女ナルさんも、俺の後でレア魔獣に倒されたあと、目を覚ますとここより少し上の岩山にいたそうだ。

 俺のときと同じ相手だろうね。たぶん。

 と言うか、五年七国(ゲーム)をしていて一度も見なかった、黒い魔獣だった。

 ナルさんも目が覚めてからは魔獣と遭遇しておらず、人里を求めてびくびくしながら下へ降りてきたんだとか。

 賢い。

 現実リアルなら、水が確保できなさそうな岩山の上に人里はまず無い。


 そうして草原に出たところで、二体の魔獣ゴブリンと戦っている人を見つけて、様子をうかがっていると一体倒したところで後ろから襲われそうになったので、石弓で撃ったそうだ。

 俺がしゃがんだので、魔獣の上半身を狙えば誤射にならないだろう、誤射しちゃったらごめんなさいと考えたそうで、なかなかに思い切りがいい。

 そして実際にやってのけるというのは、かなり肝が据わってるのだろう。



「武器一覧」のことがあるので、ゲームシステムをざっと確認してみた。

 結果、「武器一覧」の他「防具一覧」があり、両者を合わせた「装備一覧」や、持ち物すべてが表示される「収納一覧」もあった。

 収納ストレージは使えるようだし中身も無事で、このあたりはゲームっぽい。

 だけど「項目一覧メニュー」や「能力値ステータス」、「設定コンフィグ」は出なかった。

 うーん、ゲームっぽい現実という事なのかな。


 ともかくこれで、荷物の持ち運びはずいぶん楽になった。

 収納ストレージ能力がここで一般的なのかどうかは分からんけどね。


 収納ストレージはあるが、受け渡し(トレード)機能はないようだ。まあ取り出して手渡しすればいいわけだけど。

 装着できない装備品も取り出して手渡す事は可能だったが、持ち上げるとやたら重くて、これを着けての行動するなんて無理無理という状態だったので、出して、渡して、仕舞うことになった。


 置き引き対策にはなるのかな。

 このぶんだと宅配システムとかもないんだろうな。

 いや送る先なんてないけどさ。


 予想外のいいこともあった。

 ゲームだと魔獣の死体が消えて、魔石などのドロップアイテムが手元に残るという仕様だったんだが、ここでは消えない。

 初めて実地で倒したゴブリンの死体だけど捨てるかと思い、駄目でもともとと考えて収納ストレージにしまってみたところ、死体まるごと收納できた。

 そしてなんと、収納ストレージ内で魔石を分離することができたのだ。

 ゴブリンの死体から魔石だけを取り出すとか、それをまた收納するというイメージだ。

 ただ分離した魔石で一枠(ひとわく)使うので、あまり細かく分けるのはやめた方が良さそうだ。


「魔石」というのは、人を襲う魔獣が体内に持っている石のような黒い玉で、ゲームではこの「魔石」が魔獣を生んでいると言われ、「魔石」を持つ存在を魔獣と呼んでいた。

 魔石自体は有用な資源として高値で売れるので、魔獣は倒して経験値とお財布に有効活用。というのがゲームの基本設定コンセプトだった。


 話しているうちに、少し日が高くなってきた。

 まだ昼前らしいので俺たち二人は、ゲーム通りなら今日のうちに到着できそうな最寄りの街「タルサ」へと向かうことにする。


 俺たちが、もともとレベル上げのために目指していた街だ。




また明日。

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