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わたし達、冒険者始めます  作者: 遠ノ守
第一章 ここはどこ!?
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14     昇級試験   後編  


 月那さんが模擬剣を返してこちらへ戻ってくる。


「お疲れさま。おめでとう。勝っちゃったね。疲れてない?」

「ありがとうございます。いまになって緊張してきちゃいました。疲れはありませんよ」


 俺たちの場合、Dランク昇級は決まっているらしいが、それでも目に見える成果を出せれば嬉しいものだ。

 受験競争に適応し過ぎ? 知らないよ。


 話していると、次の受験者が出てきた。

 女の子だ。弓を持っている。

 相手の男は片手剣と盾を装備している。俺と同じタイプだ。

 二人は今までよりも距離を開けて対峙する。後衛職のための配慮だね。


 試験が始まると、男が飛び出した。前衛職は近づかないと話にならないからな。


 女の子の方は、指に3本の矢を挟み上から順に射っていく。早い。あっという間に3本を放つが、凄いのは動いている相手に3本とも当てていることだ。

 男は男で3本とも盾で受けているので止まらない。

 矢に細工がしてあるようで、矢を受けた盾に三箇所色が付いていた。ペイント弾のようだ。

 四射目は諦め、弓を手離し腰から大振りの短刀ナイフを抜く。

 剣と短刀とで二合したあと、男が片手剣を突きつけて試合いは終わった。



 最後に出てきたのも女の子だ。それもエルフらしく耳がすこし尖っている。武器は短丈たんじょうを持っていた。

 丈術で格闘戦…そんなマニアックなことはないだろうから術士かな。

 うんファンタジーだなあ。


 相手は引き続き片手剣と盾の男だ。連続勤務お疲れさま。

 始まった。前と同じように距離を詰めようと男が飛び出す。


 エルフの娘は杖を胸に抱いて祈るようにしている。と目を開き、向かってくる男に視線を向けた。

 すると不思議なことが起きた。

 バンッ! という音がして男が左へ重心を揺らし、盾を持つ左腕を大きく開いたのだ。足は止まっている。

 次にカクンと頭を下げ、バレエでお辞儀(レヴェランス)をしているような体勢になる。そして、右へ倒れて動かなくなった。


「そこまで。勝者、シルィー。治療班っ」


 エルフさん、シルィーさんと言うらしいが、勝っちゃったよ。


「風…?」


 月那さんが小さく呟いた。





「よーし、受験者全員集まれ」


 おっさん、いやギルド長が俺たちを呼んだ。


「これで実技試験は終了だ。明日は講習がある。遅れずに来るようにな。不明な所は受付で尋ねてくれ。以上だ」


 そう言って戻っていった。

 次にルーシーさんが出てきて


「今日はお疲れさまでした。明日は一日、夕方まで使って講習を行います。朝は今日と同じ頃に来ていただければ結構です。

 午前中は座学、昼食休憩を挟んで午後は初歩の実技訓練をします。

 今日の実技試験で負けたからと言って不合格ということではありませんので、明日の講習を欠席をしないでください。欠席すると確実に不合格になります。

 何か質問がありますか?」


 と言うので、試験で使った盾が、片付けるときに崩れ落ちて、どう処置していいか分からなかったので、脇の机の上にまとめてある。と言うと


「分かりました。それはこちらで見ておきます。他に何かありますか?」


 他に質問はなかったが、念のため治癒術をかけるので少し待っていてと言われて待っていると、先程の治療班の子がやってきて、順に術をかけて回った。

 全員にかけ終わると、ぱたぱたと来た方へ戻っていったので、倒れた二人への治療を終えてすぐこちらへ来て、また治癒の続きをかけに戻ったのだろう。

 お忙しいね。


 これで本当に解散となったので、昼食を摂れるところを探さないと、と思っていた所へ


「すみません、すこし話をしていいですか」


と声を掛けられた。


 声の主は、先ほど一緒に昇級試験を受けた弓術士の娘だった。




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