思い返せばやばいアパート
じいさんを追い出した俺は玄関入ってすぐの所で布団を引いて寝ている大家の娘を回避して荷物を出して整理していった。
今は夏休み中のため引っ越しの荷物を出すのに時間はいっぱい使えると思ってゆっくりやってたらもう夏休みが二十日しかないわけだ、いくら高校より夏休み長いって言っても引っ越しの準備してたらまぁこんだけになっちまうよなぁ...
このアパートに越してきたのが2日前だとすればうーん、結構長くひきこもってしまったな。
大家の娘?一行に起きないからソファーを引っ張りだして俺はソファーで寝た。
「....いやぁ、しかし聞いたことはあったがまさか実際に出会うとはねぇ...」
クライネ・レビン症候群、一度はみな聞いたことはあるのではないか?
一度眠ったら数日間~二週間は傾眠をするという奴だな。
....かといってここに居られるのも困るから大家に返したいんだが...
「儂はしばらくの間出張するから娘を預かってくれんかの?お主ならやましいことはせんと信頼しておるぞ。」
って言われちゃ運ぶのもやってもらったし部屋代も安くしてくれたしなぁ...断れないよなぁ...
そうだ、二階に住んでるであろうあの赤髪ヤクザに頼めば引き取ってくれるんじゃないか?
そう思い立った俺は少女をリビングまで運びソファーに乗せて布団を引き直したのち少女を再び布団の中に戻して二階に向かった。
「しかし...なんでよりによって俺なんだ?あの見た目の所為で知り合いがいないにせよ赤髪ヤクザの方がいいだろ、男はやましいことを考えるに決まってる!」
そんな事を小声で呟きながら玄関近くのアパートの階段を登っていく。
ちなみにこのアパートは部屋が8部屋あるわけで二階と一階で分けられている。
なかなか広いアパートみたいで正直値段を聞いた時は驚いたな、なんでこんないい物件がこんな安値で売られているのか!!!っていう。
まぁ全部訳ありだったけど()
001号室 女が仕事をクビになって男にも見捨てられて親にも空き缶投げられ精神的苦痛を食らい首吊り自殺
002号室 俺の部屋だ。
この部屋だけ特に何もなかった。
003号室 妹に愛され過ぎた兄が監禁されて最終的に妹を愛すことができずに殺されてしまった。
その妹は兄を殺したのち兄の遺体を食べた後に自分も死んだとのこと。
004号室 大屋さんが現在使ってる部屋だ。
部屋全体が罠だらけ、使っている大家さんでさえ罠の位置が判らないそうな。
ちなみに部屋を勝手に改造した人物は現在逃亡中
005号室 これは赤髪ヤクザの部屋だな。
この部屋は幽霊が夜に集まってきて毎日宴をしていると言われているそうな。
ちなみに赤髪ヤクザは部屋に入れてくれない、そんなにやばいしろものが部屋にあるのか?
006号室 昔猫を飼っていた男が居たんだがその猫はズタズタに引き裂かれて男は何者かに殺害された。
現在もその何者かは捕まっていないそうな。
007号室 女子高校生が昔ここに住んでいたそうだが突然男に襲われレ〇プされたらしい、ちなみにレイプ魔はその女子高校生に殺されたそうだ。
ちなみにその女子高校生は現在実家でひっそり暮らしているという噂が流れている。
そして最後の部屋 008号室
お互いを愛し合った夫婦がここに住んでいたそうだが、夫は病気で倒れて、母親も病気になり子供が産めない体になってしまったらしい。
思い返せばやばいアパートだな、こえぇわ。
てかセキュルティ甘くないかここの部屋、なんという訳あり物件。
だが所詮はただの訳あり物件、実害があるとかそんなんじゃないそうだ。
...てか俺は大丈夫だがここのアパートの人も随分と肝が据わってるな、こんな訳あり物件選ぶとか正気じゃないぞ。
そんな事を考えてるうちに赤髪ヤクザの部屋についた、まずはインターホンを鳴らす。
「すまない、大屋の娘さんを引きとってh「もちろんいいわよ!さっ!早くあの美少女会わせて頂戴!!!」
...目がやばい、真剣なのはわかるが...獲物を捉えた熊みたいな顔している。
てか部屋がやばい、ポスターが張ってあるのはいいがむっちゃえげつい、女性のにゃんにゃんワールドが広がっている、大家がこいつに預けなかった理由はこれかぁ...
「えー、やっぱり遠慮しますね、それでは...」
「これ!名刺!後で娘さん持って来てね!!」
「いやちょっと話聞いて..」
名刺を無理やり渡された上に娘を持ってこいとまで言われた。
...もっかいインターホン押すか。
「連れてきてくれた!?」
「すまないが...流石にこの部屋に幼気な少女を連れては来れないな。」
「大丈夫あの子ああ見えて20歳だから」
「俺と同い年かよ!?ってかお前高校生くらいに見えるけど歳は?」
「ああ、そういえば自己紹介がまだだったわね、私は高橋 優!高校一年生よ。」
「あ、これはご丁寧に私は田中 和也と申します、以後お見知りおきを。」
....って
「お前高校生かよ!!!ヤクザと勘違いして悪かったなこの変態!!」
「そうよ!女が変態で何が悪いのよ!!幼気なロリを私色に染める理想が貴方には判らないの!?」
「お前高校生失格だよ!!!」
そうやって走り去る俺の背中を何者かが掴む。
「...このアパートの伝統行事が始まったわね。」
「え?いやお前何言って-----」
そういった後俺の視界はブラックアウトした。
さっさと展開して12話くらいで終わらせたい。