好き嫌い
午前8時28分、魔導大学へと車を走らせる夏花。
柊磨とシェルミアは後ろの席に乗り夕食の献立について話していた。
「シェルミアは嫌いな食べ物ってある?」
「特に無いかなぁ…」
「じゃあ、両親は好き嫌いとかあるか?」
「納豆みたいなネバネバしたものは好きじゃないって言ってた。」
「まぁ、外国の人も納豆が苦手な人多いからな…」
「ゴーヤは嫌いだからやめてね」
夏花が信号が赤で止まっている時、話に入る。
「知ってるよ」
「ゴーヤって苦いですよね」
シェルミアが答える。
「ほんっと!あの苦さが嫌いなの!」
「苦いけどうまいだろ?」
「そんなわけないじゃない!」
夏花は嫌そうな顔で答える。
「とにかく、ゴーヤはださないでね!」
「ださないよ」
と、夏花の嫌いなゴーヤの話を終えてシェルミアと献立の話に戻る。
「好きな食べ物ってなんだ?」
「パスタ大好きです」
「へぇ、パスタか…」
「あたし、おうどん!」
急に夏花は少し大きな声で話に加わる。
「夏花姉には、聞いてないし知ってる。」
柊磨は鞄に入れていたメモ帳を取り出す。
「2人とも、麺類が好きなんだな」
「あんたも素麺とおうどん好きでしょ…生姜かけて嬉しそうに食べてるじゃない」
「そうでした。」
「それじゃ、舞茸とベーコンと小松菜でホワイトソースかけて作るか…パスタは家にあったよな…あとは牛乳とクリームだな。」
メモ帳に夕食に使う材料をメモをする柊磨
「とりあえず、夕飯はパスタ作るからメニューは洋食でいいか?」
柊磨は夏花とシェルミアに聞く
「いいよー」
「楽しみ!」
と夕食は洋食にした。
「そういえば、異世界の住人って意外といないんだな…」
車の中、柊磨は外を眺めふと疑問に思った
「まだ、こっちの世界に来て4年くらいだからね」
とシェルミアが答える
「あ、ほらあそこ亜人の女の子がいるよ」
シェルミアが窓の外に指を向け柊磨もそちらを向く、そこには頭に動物の耳のようなものが毛が生えており、柊磨と同じ学校の制服を着ている女の子が信号の前で立っていた。
「ほんとだ、髪にケモミミが!おぉ…」
と、柊磨は少し興奮気味に亜人の
「ちなみに、あの子も私たちと同じ学校なの」
「え?そうなの?」
「そういや、シェルミアも俺と同じ学校で同じクラスなんだよな」
「挨拶しとく?」
「いいんですか?」
「いいわよ、そこのコンビニに寄るつもりだし」
信号を待ちながら夏花は後ろを向きながら言う
「お願いします。」
「よし、わかった。コーヒー牛乳買ってくからその間に挨拶しておいで」
と、夏花はシェルミアに言う。
「ありがとうございます」
シェルミアは夏花にぺこりとお辞儀をし、コンビニに停車した車を降り、亜人の女の子の方に向かう