俺すげえええぇぇ!!
「夏花姉、とりあえず制服に着替えた方がいいか?」
「別に私服でもいいんじゃない?大学だし」
「なら、私服でいいか」
「それと、あんたの通ってる比高高校って高校であってる?」
「ん?どういうこと?あってるけど」
「ならいいのよ」
俺は着替えに2階に上がり自分の部屋に戻る。
「何でこうなったんだろうなぁ」
考えても頭の中は真っ白だ。
魔法やら彼女やら今までに1度も無かった出来事・・・
ましてや、恋人がエルフなんて
私服に着替え終え1階に降りる
「もしもし、3年2組の伊勢柊磨の姉の伊勢夏花です・・・・いつも弟がお世話になっております」
リビングに戻った丁度のとこで姉が俺の通っている高校の比高高校に電話を掛けていた。
「えぇ、はい3年2組の担任の井島廉太先生にお伝えしたいことが・・・えぇ、はい、お願い致します」
夏花姉は電話越しにぺこぺこと頭をお辞儀をしている
ついなんかやっちゃうよねあれ…と考えながら姉を見ていた
「あの・・・・柊磨君」
「ん?あぁ、シェルミアさん」
夏花姉を見つめている最中、彼女が話し掛けてきた。
「そんな、他人行儀みたいな呼び方しなくていいよ・・・」
「いや、でも」
「いつもは呼び捨てだし、そうじゃないと落ち着かないから・・・柊磨君も敬語より普通の方が気が楽でしょ?」
「確かに、敬語は使い慣れてませんから」
「なら、普通にお話しましょ?」
シェルミアさんは笑顔で手を差し出す
「あぁ、わかった」
そう答え、シェルミアさんの手を握った
「これからよろしくシェルミアさん」
「さんはつけなくていいの!」
「あぁ、すまん!」
「ふふっ」
何故だろう・・・彼女の笑顔を見ると俺も嬉しくなってしまう
「ははっ」
「あ、握手したままだった・・・ごめんシェルミア」
「え?このまま大学まで手繋いだままでもいいのに・・・」
「えっ!?」
「いいでしょ?恋人なんだから」
シェルミアは案外大胆だった
いや、恋人同士だから冗談とか言っているんだろう…
「冗談じゃないからね?」
「まじか・・・」
照れてしまう、顔が熱い
「2人とも、行くよ」
どうやら電話が終わったようだ
「わかった、今くよ」
「あ、そうそう帰りにスーパーに寄ってくから財布持っててね」
「あぁ、晩飯作るの俺だったな」
「そゆこと」
「え?今日の夕食、柊磨君がつくるの?」
夏花姉との話にシェルミアが食いついた
「あぁ、朝の試合でボロ負けして作ることになった」
「へぇ・・・柊磨君の・・・」
とりあえず恋人なんだし誘ってみるか
「シェルミアも晩飯一緒にどうだ?」
「「え?」」
何故そこで2人とも疑問形?
「いつも一緒に食べてるじゃない」
「えっ!?そうなの!?」
俺ってシェルミアとどこまで発展してるんだ!!
「いつも私かシェルちゃんが作ってけど」
あぁ、なるほどだからシェルミアが話に食いついたのか・・・俺も夏花姉が忙しくい時にしか作らないからなぁ・・・
作る時は大体、彼氏とデートで夏花姉がいない時とかだった
「あぁ、それと今日は彼ピッピくるから」
「彼ピッピ?あぁ、卓弥さんか、わかった・・・てことは4人分か・・・あと、夏花姉が彼ピッピ言うのは似合わないな」
夏花姉の彼氏、新田卓弥さん
夏花姉と同い年で幼馴染みだ。
ちなみに俺も卓弥さんとは仲がいい
「悪かったわね、あと4人分じゃなくて8人分よ
」
「え?」
「シェルちゃんのご両親の分とお父さんとお母さんの分」
「は?」
「だから、シェルちゃんのご両親の分とお父さんとお母さんの分よ」
「えええぇぇ!!?」
どこまで発展しているんだ俺えええぇぇ!!?
「あんたが最初に言いだしたんでしょ?シェルちゃんのご両親は帰りが7時だから作る時間が遅くなるから一緒にどうですかって・・・」
「そうだったの!!?」
「うん・・・」
シェルミアが恥ずかしそうに頷いた
「それから大体が私とシェルちゃんが作ってるのよ」
「それならシェルミアのご両親はつき合ってるってこと知ってるの?」
「知ってるわよ、公認してるわよ?ちなみにうちの両親もよ・・・・ちなみに結婚していいって言ってるわよ」
どうやら恋人の事は両親に認められているようだ
すげぇな俺!!?シェルミアは許嫁なのか!!?全然記憶にないけど!!
「で、父さんと母さんの分もいるんだろ?仕事落ち着いてきたのか?」
俺の両親はテレビの動物のドキュメンタリードラマのカメラを回す仕事をしている人だ家にいない理由は世界中を回っているからあまり帰ってこない・・・多くても1年に5回ほどだ
両親の撮影する映像は好きだ、毎回録画して残している
「ええ、そうみたいよ」
「今回はなんの動物撮ってたんだ?」
「・・・なんだったっけ?確か・・・」
「確か、カーバンクルって言ってませんでしたか?」
考えてる最中の夏花姉にシェルミアが答えた
「あぁ!そうだった!」
「え?」
何言ってるか全然分からない
「あぁ、お父さんとお母さんね今異世界系のドキュメンタリー撮ってるのよ」
いやいや、そう言われてもわかんないっ!姉上!
「私、今まで生態系の話とかは本でしか見たことなかったんで映像と声で見るっていうのってなんだかわかりやすいくて好きです、なにより動物の赤ちゃんの映像はかわいくて大好きです!」
と、シェルミアは興奮している
「そりゃ…異世界の生き物って言うだけで新鮮だからな見る人もいるだろうな・・・まぁとりあえず8人分だな・・・」
多いと思いつつ財布を左手で掴みカバンに入れる
右利きなんだが今塞がってるのだ
「シェルミア・・・そろそろ手を離さないか?」
「なんでです?」
「いや、特に理由はないんだが車に乗らないと・・・」
「一緒に後ろ乗ればいいじゃない?」
「確かに」
納得してしまった
「いや、でも2人とも右手で繋いでても歩きにくいだろ?」
「じゃあ、私が左手で繋げは問題ないね!」
「そ、そうだな!」
納得しかなかった
「ふふっ、それじゃあ行きましょう」
「あぁ、わかったよ」
俺はシェルミアの手を握ったまま玄関に向かう