覚えのない記憶・覚えのない彼女
自分、今正座をしております…
なぜかって?
自分でも分かりません
「ねぇ、柊磨ぁ…私の話聞いてる?」
「はい!聞いております!お姉さま!」
「じゃあ、もう一度聞くね」
「はい!お姉さま!」
「この子のこと・・・シェルちゃんのことわかる?」
そう聞くと夏花姉は右となりに座っている銀髪の女の子の頭に手を置きなでる
「記憶にごさいません・・・」
こう答えるしかないのだ…
見覚えがない
こんな、かわくて胸の大きさも夏花姉より少しありそうな女の人を忘れる事も無いだろう
「ねえ・・・柊磨くぅん、今さっき胸見てなんか考えてたでしょ?お姉ちゃん今さっき新しい型考えたから庭にでようか??」
「きっきのせいだよ」
鋭いぞ、姉上…
「ほんとにわからないの?」
「はい・・・」
「ほんとにわすれちゃたの!!?」
「!!?えっ?」
「私のこと…2年前に告白した事も!デートしたことも!この間、魔導大学一緒に受験しようねって言ったことも全部忘れちゃったの!!?」
「!!?」
シェルちゃんは涙を流し俺に叫んだ…
なにも言葉が出ない・・・告白?デート?全く覚えがない
「シェルちゃんはあんたの彼女でしょ!?何で覚えないの!!?」
「はああっ!?」
彼女?冗談はよしてくれ
こんな銀髪で胸もあって綺麗で耳も少し尖ってて・・・・
尖ってて?
「あのぉ…少しいいですか?」
「なによ?」
まさかね、まさかまさか・・・普通ありえない
有り得ないはずだ・・・だが今朝見たあのドラゴンを見て聞かずにはいられなかった
「シェルちゃんってもしかして・・・エルフ?」
「当たり前じゃない」
まじかあああぁぁ!!!
「あんたの彼女、エルフのシェルミアちゃんよ」
エルフの彼女?俺はエルフと恋人になってたのか?
「思い出した?」
夏花姉は問い掛ける
「思い出せないな…」
そう答えるしかない知らないと吐かしてしまえば夏花姉やシェルミアさんを傷つけるだろう・・・ただでさえ記憶が無い時点でシェルミアさんは泣いているのだ
夏花姉は俺に本気のビンタで引っ叩くだろう・・
しかし、俺は昨日までは魔法なんて無い世界で生きていたのだ。
記憶喪失ではないはずだ
「柊磨、今から魔大行くよ!はやく着替えて」
少し強めの口調で答えた
「魔大って魔導大学のこと?」
「そうよ、多分柊磨は魔導の影響で記憶が消えたのよ・・・だから魔大の先生に診てもらうわ」
「「え?」」
ほぼ同時に俺とシェルミアさんは声を出した
「あのさ夏花姉、その前にちょっと聞きたいことがるんだけど・・・」
昨日までのこと…今日の事は実感はないが言わなければ何も起こらないだろう
「なに?」
「多分記憶が無い訳じゃないんだと思う」
「「え?」」
今度は、夏花姉とシェルミアさんが同時に声を出した
「ちゃんと記憶はあるんだよ、昨日までの記憶・・・日付も覚えてるし年も覚えてる・・でも、昨日までは魔法のような異世界的存在なんてなかったんだよ・・・シェルミアさんにも出会ったことはないんだ」
「それ、本当なの?」
シェルミアさんは震えながらに弱々しい声を出した
「うん、ごめん」
俺は謝るしかなかった
「・・・・・まぁ、その話は大学に着いてから先生の所で聞くとするわ…シェルちゃんも来る」
「はい、柊磨君が心配なので・・・」
「わかった、高校には2人の連絡はしておくから車出すから柊磨は着替え来なさい」
夏花姉はそう言い、高校に電話を電話を掛けた。